女子ゴルフ2022シーズン前半戦の戦いは、ニッポンハムレディスで一区切り。第1回リランキングの順位が確定し、後半戦、第2回リランキングまでの出場優先順位が確定しました。リランキングの結果と、その内容について解説します。
リランキングとは?
JLPGAにより、下記の通り制度が規定されています。
シーズンの途中(リランキング基準競技終了後)に、シード選手及び当該年度優勝者以外のTP登録者を、メルセデス・ランキング上位順に並び替え(並び替えたリストをリランキングリストという)、リランキング実施競技から、リランキングリストに基づき出場資格を付与する。
●2022年度実施時期
第1回目(予定)
基準競技:週番号第27週「ニッポンハムレディスクラシック」
実施競技:週番号第29週「大東建託・いい部屋ネットレディス」第2回目(予定)
基準競技:週番号第38週「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンゴルフトーナメント」
実施競技:週番号第40週「スタンレーレディスゴルフトーナメント」
●注意事項
※リランキング実施時、獲得ポイントが同じ場合の優先順位は次の通りとする。・JLPGAツアー規定第15条第1項第5号及び第6号該当者(本号内の優先順位は、前年度のメルセデス・ランキング上位順とする。)
・JLPGAツアー規定第15条第1項第7号該当者(本号内の優先順位は、前年度のステップ賞金ランキング上位順とする。)
・QTランキングリスト上位順
・生涯獲得賞金ランキング上位順
※リランキング後は、現地ウェイティングもリランキングリストの優先順位により行う。
2022年度第1回リランキングの考え方
JLPGAツアーの試合は、各大会によって出場選手は若干異なりますが、標準的な108名を例に取ると、18名が各主催者枠となり、残りの90名がJLPGA枠となっています。
90名の枠の内、優先はシード選手。それ以下が今回のリランキングによって出場優先となります。
※シード選手には、単年シードはもちろん、複数年シードや永久シードも含まれます。
仮に単年シード選手50名が大会に参加すると仮定すると、単純計算で、リランキング上位40名が出場の目安となります。
40位以下の選手は、シード選手の欠場などがあった場合に、順次繰り上がりで出場権が生まれます。
また、このリランキング適用により、昨年末のQTランキングはリセットされたことになります。
2022年度第1回リランキングの結果
第1回リランキングは、以下の通り決定しました。全体がこちら。
順位 | 氏名 | 獲得ポイント | 試合数 | QT |
1 | 黄 アルム | 605.45pt | 17 | 6 |
2 | 福田 真未 | 398.48pt | 17 | 8 |
3 | ささき しょうこ | 386.97pt | 19 | – |
4 | 佐久間 朱莉 | 354.82pt | 19 | 14 |
5 | 岸部 桃子 | 349.95pt | 17 | 22 |
6 | 後藤 未有 | 322.96pt | 19 | 17 |
7 | 桑木 志帆 | 288.88pt | 19 | 13 |
8 | 永井 花奈 | 282.53pt | 17 | 41 |
9 | 石川 明日香 | 280.30pt | 18 | 2 |
10 | 佐藤 心結 | 277.71pt | 19 | 11 |
11 | 阿部 未悠 | 276.69pt | 19 | 23 |
12 | 沖 せいら | 266.19pt | 18 | 35 |
13 | 安田 祐香 | 257.34pt | 18 | 20 |
14 | 林 菜乃子 | 252.60pt | 19 | – |
15 | 木下 彩 | 242.12pt | 19 | 9 |
16 | 小倉 彩愛 | 231.42pt | 19 | 12 |
17 | 葭葉 ルミ | 220.92pt | 19 | 25 |
18 | 金田 久美子 | 216.68pt | 8 | 87 |
19 | 天本 ハルカ | 208.72pt | 19 | 32 |
20 | 石井 理緒 | 205.80pt | 19 | 10 |
21 | 川岸 史果 | 195.82pt | 19 | 3 |
22 | 内田 ことこ | 191.70pt | 19 | 26 |
23 | 大出 瑞月 | 191.21pt | 19 | 4 |
24 | 福山 恵梨 | 190.06pt | 18 | 7 |
25 | 辻 梨恵 | 180.30pt | 8 | 157 |
26 | 河本 結 | 179.72pt | 19 | – |
27 | 上野 菜々子 | 168.60pt | 19 | 30 |
28 | 尾関 彩美悠 | 161.81pt | 9 | 58 |
29 | 木戸 愛 | 160.50pt | 13 | 50 |
30 | 岩井 明愛 | 156.83pt | 8 | 70 |
31 | リ ハナ | 152.81pt | 19 | – |
32 | 竹内 美雪 | 143.03pt | 18 | 36 |
33 | 岩井 千怜 | 136.95pt | 9 | 90 |
34 | 蛭田 みな美 | 136.76pt | 14 | 45 |
35 | 工藤 遥加 | 127.70pt | 19 | 33 |
36 | 横峯 さくら | 109.10pt | 16 | 21 |
37 | セキ ユウティン | 108.35pt | 11 | 42 |
38 | 大城 さつき | 91.73pt | 18 | 16 |
39 | 松森 彩夏 | 89.31pt | 19 | 37 |
40 | 山城 奈々 | 88.13pt | 4 | 68 |
41 | 吉本 ひかる | 86.52pt | 16 | 38 |
42 | 脇元 華 | 85.22pt | 8 | 79 |
43 | 竹山 佳林 | 82.33pt | 19 | 27 |
44 | 鶴岡 果恋 | 78.32pt | 18 | – |
45 | 安田 彩乃 | 76.10pt | 10 | 66 |
46 | 小野 祐夢 | 74.48pt | 19 | – |
47 | 工藤 優海 | 67.73pt | 16 | 40 |
48 | 岩橋 里衣 | 61.12pt | 18 | 24 |
49 | 藤本 麻子 | 57.05pt | 16 | 28 |
50 | 竹田 麗央 | 52.30pt | 5 | 133 |
各大会により、40位前後の選手の出場は異なりますので、50位までを掲載しています。
第1回リランキング上位選手の傾向
第1回リランキングを上位で通過した顔ぶれから、傾向と特徴を見てみます。
下克上で食い込んだのは10名
上位という定義ですが、目安として40位としています。
つまり、昨年末のQT時点で40位より下の選手で、今回40位以内に入った選手です。
上位順に以下の通りとなります。
順位 | 氏名 | 獲得ポイント | 試合数 | QT |
8 | 永井 花奈 | 282.53pt | 17 | 41 |
18 | 金田 久美子 | 216.68pt | 8 | 87 |
25 | 辻 梨恵 | 180.30pt | 8 | 157 |
28 | 尾関 彩美悠 | 161.81pt | 9 | 58 |
29 | 木戸 愛 | 160.50pt | 13 | 50 |
30 | 岩井 明愛 | 156.83pt | 8 | 70 |
33 | 岩井 千怜 | 136.95pt | 9 | 90 |
34 | 蛭田 みな美 | 136.76pt | 14 | 45 |
37 | セキ ユウティン | 108.35pt | 11 | 42 |
40 | 山城 奈々 | 88.13pt | 4 | 68 |
最上位の永井花奈さんは、昨年末のQTが41位でしたので、全19試合中17試合に出場できました。
実力からしても、順当にポイントを重ねて、QTを上回るリランキング順位を確保したと言えます。
また、ベテラン勢では、金田久美子、辻梨恵、木戸愛の3選手が、それぞれ出場試合が8、8、13と少ない中でポイントを稼ぎ、リランキング上位に食い込み、後半戦の出場権を獲得です。
新人12名が第1回リランキングをクリア
新人選手も健闘しました。上位に食い込んできた新人は、以下の12名です。
順位 | 氏名 | 獲得ポイント | 試合数 | QT |
4 | 佐久間 朱莉 | 354.82pt | 19 | 14 |
6 | 後藤 未有 | 322.96pt | 19 | 17 |
7 | 桑木 志帆 | 288.88pt | 19 | 13 |
10 | 佐藤 心結 | 277.71pt | 19 | 11 |
11 | 阿部 未悠 | 276.69pt | 19 | 23 |
16 | 小倉 彩愛 | 231.42pt | 19 | 12 |
19 | 天本 ハルカ | 208.72pt | 19 | 32 |
22 | 内田 ことこ | 191.70pt | 19 | 26 |
27 | 上野 菜々子 | 168.60pt | 19 | 30 |
28 | 尾関 彩美悠 | 161.81pt | 9 | 58 |
30 | 岩井 明愛 | 156.83pt | 8 | 70 |
33 | 岩井 千怜 | 136.95pt | 9 | 90 |
今季は、2020年度と2021年度プロテストが、昨年で2回実施されたため、ルーキーも例年の2倍である、40名強が対象となります。
2020年度プロテスト、トップ合格の佐久間朱莉さんは、順当にQTとリランキングをクリアし、周囲の期待に応える前半戦だったと思います。
同様に、QTと前半戦の両方を頑張って、後半戦の出場権を獲得したのが、後藤未有、桑木志帆、佐藤心結、阿部未悠、小倉彩愛、天本ハルカ、内田ことこ、上野菜々子といった選手です。
逆に言えば、その他の選手は、限られた出場機会で結果を残し、這い上がってきたと言えます。
具体的には、尾関彩美悠、岩井明愛、岩井千怜の3選手です。
3選手の前半戦は、ステップアップツアーとレギュラーツアーのかけもちからのスタートでしたが、後半戦は、レギュラーツアーが主戦場として戦えます。
第1回リランキングで厳しかった選手
下克上の逆で厳しい結果となった選手もいます。
こうした選手は、後半戦をステップアップツアーを戦いの主戦場とするか、レギュラーツアーの推薦を主催者からもらう、または、主催者推薦選考会を突破しての参戦といった、スケジュールの組みなおしが必要となります。
前半戦を戦ったものの、リランキングで上位に食い込めなかった、主な選手です。
※リランキング順位で50位以下から抜粋。
順位 | 氏名 | 獲得ポイント | 試合数 | QT |
51 | 高木 萌衣 | 51.10pt | 18 | 29 |
53 | 吉川 桃 | 45.86pt | 18 | 31 |
59 | 淺井 咲希 | 37.42pt | 19 | – |
60 | 下川 めぐみ | 34.04pt | 18 | 1 |
62 | 西木 裕紀子 | 27.07pt | 16 | 18 |
66 | 東 浩子 | 24.38pt | 15 | 15 |
68 | 新垣 比菜 | 22.20pt | 19 | 19 |
71 | 永嶋 花音 | 16.19pt | 18 | 5 |
74 | 川満 陽香理 | 12.75pt | 18 | 34 |
80 | 佐久間 綾女 | 7.28pt | 17 | 39 |
第1回リランキング以降の目標圏
第1回リランキングの次の目標と言えば、第2回リランキングです。
第2回のリランキングは、9月のミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンです。
しかし、この時点になると、ツアーも終盤戦に入ります。
そうなってくると、切実な目標は、シード権の確保ということになります。
ポイント制に一本化されたのは、2022年度が初年度です。
※2020-21シーズンは賞金獲得額とメルセデスポイントの併用制。
そのため、どのくらいのポイントが目安となるかは、現時点では言えません。
いずれにしても、最後の最後まで、熾烈な争いが続くことには間違いがありません。
メルセデスポイントの付与についての参考記事
第1回リランキングとメルセデスランキングの関係
最終的なシード権は、メルセデスランキングのポイント、上位50人になります。
第1回リランキングをクリアし、メルセデスランキングのポイントでも上位に入っている選手について、その関係は以下の通りとなっています。
※右端のらんを、メルセデスランキング(MR)として記載。
順位 | 氏名 | 獲得ポイント | 試合数 | QT | MR |
1 | 黄 アルム | 605.45pt | 17 | 6 | 13 |
2 | 福田 真未 | 398.48pt | 17 | 8 | 23 |
3 | ささき しょうこ | 386.97pt | 19 | – | 24 |
4 | 佐久間 朱莉 | 354.82pt | 19 | 14 | 26 |
5 | 岸部 桃子 | 349.95pt | 17 | 22 | 28 |
6 | 後藤 未有 | 322.96pt | 19 | 17 | 29 |
7 | 桑木 志帆 | 288.88pt | 19 | 13 | 32 |
8 | 永井 花奈 | 282.53pt | 17 | 41 | 34 |
9 | 石川 明日香 | 280.30pt | 18 | 2 | 36 |
10 | 佐藤 心結 | 277.71pt | 19 | 11 | 38 |
11 | 阿部 未悠 | 276.69pt | 19 | 23 | 39 |
12 | 沖 せいら | 266.19pt | 18 | 35 | 41 |
13 | 安田 祐香 | 257.34pt | 18 | 20 | 42 |
14 | 林 菜乃子 | 252.60pt | 19 | – | 44 |
15 | 木下 彩 | 242.12pt | 19 | 9 | 45 |
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