吉田優利メジャー初勝利 3つの意味と1つの挑戦

吉田優利さんが2023年ワールドレディスサロンパスカップでメジャー初優勝を飾りました。2022年は2位が5回と惜敗が続いたシーズンでしたが、今回のメジャー優勝はそれを払拭する素晴らしい勝利でした。

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特別な想い入れがある、ワールドレディスサロンパスカップ

今大会に吉田優利さんが初出場したのは、高校生アマチュアだった2019年。
2018年の日本女子アマで優勝した権利で、唯一のアマチュア選手の出場でした。
プロのメジャーでどれだけ戦えるのか未知数でしたが、3日目と最終日は最終組でプレー。
この試合は渋野日向子選手が鮮烈なプロ初勝利となったのですが、吉田さんにとっても、想い出深い試合になったのは確かです。
※最終成績は-5で4位タイ。(当時は茨城ゴルフ倶楽部の東コース開催)

また、プロデビュー以降も、2021年は18位タイ、2022年は12位タイと好成績を残しています。
コースとの相性もあり、ツアーの中でも特別な想い入れがある大会です。
この大会でのメジャー初優勝は、周囲が思う以上に特別であることは確かでしょう。

惜敗が続いた2022年からの開花

思えば、2022年も吉田優利さんはツアーの主役の1人でした。
優勝こそなかったものの、2位が5回、トップ10回数も数多く、各種スタッツも向上しました。


だからこそ、一層、「優勝が無かったこと」が目立ってしまった側面があります。

プロである以上、常に優勝を狙う、結果を出すことが使命と考える吉田優利さんにとっては、歯がゆいシーズンであったことも確かです。

一方で、非常に印象に残った試合が2試合あります。
1つはメジャー、日本女子オープン。
最終日、最終組で終盤まで優勝争いに加わりながら優勝は叶わず、ホールアウト後に、珍しく、「ああっ!」と大きなため息を残しました。

もう1試合は、東海クラシック。
尾関彩美悠さんが初優勝した試合でしたが、さすがにこの試合の結果は辛いものがありました。
試合後のインタビューでも、溢れる涙を拭うことなく、インタビューアーの目をしっかりと見つめ話す姿は、忘れることができません。

一方で、素晴らしいと思ったのは、その翌日。
イベントで木更津のアウトレットを訪れ、ファンと交流をしたのです。

もちろん、その週もトーナメントはあります。
悔しい敗戦の翌日、忙しい合間を愛知から千葉まで移動し、ファンを大切にする姿は感動さえ覚えました。

メジャー優勝で複数年シード獲得

メジャー優勝により、3年シードを獲得しました。
これは、吉田優利さんにとって非常に大きな意味を持ちます。
アスリートは体が資本であり、ゴルフは小さな狂いから一気に調子を落としてしまうことがあります。
そんな中、複数年シードを獲得したことで、長期的な視点で、自身のゴルフを向上できる権利を得たことになります。

USLPGAツアーへの挑戦も視野か?

元々、海外志向、メジャーへの挑戦にも意欲的な吉田優利さんです。
実は現在でも師事する辻村明志コーチの門下生になったのはプロ入り前。
初のアマチュア選手での門下生となったのですが、その理由の1つは目標が明確なこと。
自分の将来像をプレゼンして、指導を仰ぐことになったのです。

高校生時代、長くJGAナショナルチームに選抜されていた吉田優利さん。
早くから日本代表として海外遠征も積む中で、世界基準を実感していたと思います。

ミレニアム世代を代表する、安田祐香、西村優菜、古江彩佳の3選手とともに、将来性を期待されていた吉田優利さん。
当時から強かった海外志向は、古江彩佳さんが昨年からUSLPGAツアーに参戦し初勝利。
西村優菜さんも、今季からUSLPGAツアーで戦っています。

吉田優利さんがこれに続くのは自然な流れかもしれません。
まずは、7月、あのペブルビーチで行われる全米女子オープン。
この試合には、世界ランキング75位以内の資格で参戦ができます。

アマチュア時代にも出場していますが、その時は怪我をおしての戦いで、十分な実力を発揮できませんでした。
今回は、サロンパスカップのこの厳しいセッティングを攻略しての優勝を引っ提げての出場となります。

コメント

  1. どんぐり より:

    吉田さんは飛んで曲がらない、ショートゲームも上手い
    なのに他のプラチナ世代と比べるとそこまで強さを感じない、今までそういう印象でした
    でもこれで一皮向けて手強くなるんだろうなぁー。
    リハナちゃんは今週良いゴルフでしたが最終日を見て、まだまだ優勝には時間がかかりそうだなと思いました。申ジエさんは流石ですね。早くも今年の女王が濃厚になってきたか?

    • 座和座和 より:

      吉田さんは、ゴルフ以外の発信力の面が取り上げられる部分も多く、人気も高い。
      一方でプロゴルファーとしての実力が過小評価されていた面もあると思います。
      勝てなかった昨シーズンもスタッツは素晴らしいものがありました。
      これからは、「吉田優利の世界」を築いていくと思います。

      リハナさん、頑張りましたがもう一歩でしたね。
      確かに優勝までは、もう一歩必要かもしれません。
      一方でステップの時代から見てきていると確実な成長が感じられます。

      今年の女王争いは、2018年以来の混戦で終盤戦まで行くと予想しています。