石川遼という選手は、ゴルフプレイヤーとしてだけではない。
尊敬に値する人物であることを証明できるトピックスです。
これは、大会名にもある、One、唯一、そして一度切りの願いが込められています。
大会概要
大会サイトはこちら。概要の一部を転載します。
名称:The “One” Junior Golf Tournament
主催:石川遼
協力:公益財団法人 日本ゴルフ協会
一般社団法人 日本高等学校・中学校ゴルフ連盟
特定非営利活動法人 石川遼ゴルフ振興事業団
企画運営:株式会社ダンロップスポーツエンタープライズ
日程:令和2年8月24日(月)、25日(火)
会場:横浜カントリークラブ西コース
競技方法:36ホールストロークプレー 予選カット無し
参加人数:男子48名、女子48名
参加資格:
1)日本アマチュアランキング(高校生のみ)及び昨年の全国高等学校ゴルフ選手権大会の成績を参考に選出した上位男子43名、女子43名
2)大会が推薦する高校3年生の男子5名、女子5名
選手の健康管理:出場選手には、大会10日前からの検温、行動記録を記入した問診票の提出を頂きます。
当日会場入場前の検温、体調の申告をしていただきます。
ギャラリー:出場選手の家族の方のみ可と致します。
ペアリングと成績
2日間にわたって行われた、この大会。
ファイナルラウンドのペアリングと成績表をリンクしておきます。
ファイナルラウンドペアリングはこちら。
男子成績表はこちら、女子成績表はこちらです。
大会開催のきっかけ
自分がこの開催を知ったきっかけは、この記事からでした。
石川は「高校生活最後の一年を大変な状況下で過ごされている最終学年(3年生)のゴルファー、およびトップジュニアが活躍できる舞台をわずかでも創出したいという思いから」、今年限りの大会を発案した。コロナ禍でゴルフ界も多くの学生の試合が、地方大会も含めて中止等に追い込まれている現状を受け、日本ゴルフ協会、日本高等学校・中学校ゴルフ連盟、また自身のNPO法人(石川遼ゴルフ振興事業団)の協力で開催する。
そうなのです。今年はコロナ禍の影響で、ほとんどの競技が中止。
プロの試合も影響が大きいのですが、特にアマチュア競技は大変厳しかったのです。
JGA主催の全競技は中止され、緑の甲子園も中止となった。
つまり、高校生にとって、大きな全国大会は1つもなくなったという現状でした。
その中での動きですから、ジュニアにとっては、本当に光明だったと思います。
PCR検査費用は石川遼が全額負担
大会を開催するには、出来るだけ感染のリスクを抑えなければならない。
対策は講じてきたものの、やはり金額的なネックはPCR検査でした。
自らが望んでPCR検査を受けるには、数万円が必要となります。
石川選手は、全選手の検査費用を全額負担したのです。
ここまでやるには、相当の想いや決意がなければできないものです。
広がりを見せた大会
この大会、実は出場選手以外にも広がりを見せました。
それは、出場選手以外の、高校生ゴルフ選手です。
この試合は限られた選手しか参加ができません。
地区予選などを行う形式ではないので、やむを得ないところです。
しかし、出場しないゴルフ部の選手にも、影響を与えました。
大会公式記録の腕章を巻いて石川遼にインタビューを行った金子拓馬さんと高橋凱さん。埼玉・慶応志木高のゴルフ部に所属する3年生です。
「オレも出られるかも!やった!」。選手として出場できる希望を抱いた金子さんだが、自分のランキングではかなわないことが分かった。しかし、そこで立ち止まらない。YouTubeチャンネルで大会の様子を伝えることはできないか。断られることも覚悟で石川のマネジメント事務所に手紙を送った。インターネットで調べ、見よう見まねで作成したという取材申請書だが、石川は「プロのように(取材の意図や狙いなどが)しっかりしていて驚いた」と振り返る。取材の許可が出た。
「高校野球の甲子園って、すごく注目されるじゃないですか。同じ高校の全国大会でも、ゴルフって中継されないですよね。格差じゃないですけど、世の中の皆さんがイメージしづらい部分だと思う。同じ高校生として、彼らの記録を残したい、世の中の多くの皆さんに知っていただきたいと思ったんです」。同年代の仲間たちの姿を伝えたいという純粋な思いも、原動力になった。
ちなみに、JGAが大会の様子をまとめたYoutubeチャンネルがあります。
この大会を振り返って思うこと
石川選手はこれまで、下部ツアーやジュニア大会を主催してきた実績はあります。
しかし、今回その想いを何とか形にしようと実際に動いた。
そして、大会を開催させた。
JGAなどの公式競技ではありません。
しかし、出場した選手、関わった人たちにとっては、忘れられない経験になると思います。
経緯をまとめた記事がこちらです。
印象的な部分を引用します。
横浜カントリークラブの協力は石川の想像以上だった。「横浜カントリークラブさんには『ぜひ東コースの17番と18番を使って、日本オープンと同じ流れでやってください。一般のお客さんが出る前に、そこを通り過ぎてもらえればOKです』というところまで協力していただいた。涙が出るくらい嬉しい気持ちでしたね」。
このコースは、東コースの18ホールと、西コースの18ホールの計36ホールある。石川も出場した2年前の「日本オープン」では、西コースの16ホール、東コースの2ホールが使われていて、10番ホールは東の17番、11番ホールは東の18番、12番ホールは西の1番というように、変則的なコースレイアウトとなっていたのだ。
試合当日、西コースは貸し切りだったが、東コースは一般客が回っていた。スタート時間をうまく調整することで、男子の部は7,207ヤード・パー71というツアー並みの飛距離で開催することができたのだ(女子の部は6,601ヤード・パー71)。「あとはいかに安全にこの大会を運営するかだけでした」
一般営業もしている中ですから、これは相当な協力だったと思います。
そして、私も嬉しかったし、石川選手も嬉しかったであろうこの部分。
競技を終えたジュニアの中には何かを感じたのか、「今から練習場でボールを打ってもいいですか?」という選手もいたくらい。これこそが石川の狙いなのかもしれない。
確実にこの大会は、ジュニアの心に響いたと思います。
コロナ禍で影響を受けた人は、ゴルファーやスポーツ選手には限りません。
私も含め、ほぼすべての人が何らかの影響を受けています。
そんな中、こういった清涼剤のような話を聞くと、心が温まります。
コメント
座和さんこんにちは。
素晴らしいの一言ですね!頭が下がります。
本当に素晴らしいと思います。
石川遼というスターだからこそ出来る部分もあるのですが。
それでも、ちゃんと考えて行動するのが素晴らしいと思います。