中井学さんは、2020年12月31日をもって、UUUMを退所しました。
そして、中井学さんは、自身のYouTube、「中井学ゴルフチャンネル」を開設しました。
その最初のコンテンツが、UUUM退所の真相となっています。
この動画をめぐって、色々な意見がネット上を飛び交っています。
私なりに検証と考察をしてみました。
中井学ゴルフチャンネルでのUUUM退所の真相
中井学さんが開設した自身のYouTubeチャンネルでの最初の動画が上がりました。
※現在は削除されています。
そして、この動画に対して、UUUMが「事実に反する」としてリリースを出しました。
UUUMは、「当事者間で解決すべき」と声明を出しています。
UUUMからのリリース 1月6日付
中井学さんの動画がアップされたのは1月5日。
これに対してUUUMの反応は早かったです。
1月6日付で、以下のリリースを出しています。
全文は、リリースを読んでいただければと思います。
UUUMはこのリリースの中で、以下のコメントを出しています。
2021年1月5日以降、当社運営チャンネル「UUUM GOLF」に出演していた人物により、「UUUM GOLF」との関係について、事実に反した内容が発信されております。
当社は本リリースにおいて、改めて事実に反する内容であることをお知らせいたします。
なお、当社は発信されたご本人にも連絡を取るとともに、法的措置も含め検討してまいります。
このリリースで、まず、私は個人的に違和感を持ちました。
それは、中井学さんを示すであろう内容ながら、素っ気なく「出演していた人物」としたこと。
そして、いきなり、「法的措置を含め検討していく」としたことです。
今回、私は、いち視聴者として、中井学さんの動画を見ました。
もちろん、学さんの言い分ですから、その時点で100%が真実とは限りません。
それを差し引いても、学さんがUUUMGOLFに多大な貢献をしたことは事実です。
それに対して、「出演していた人物」として、「法的措置」はいきなり?と思いました。
これも自分の感覚からすれば、こういったリリースは出さない。
「事実に反する」とするならば、それをリリースするのは良いでしょう。
しかし、それを踏まえた上で、「経緯を含めた事実確認に努める」で良かったのではないか?
法的措置を持ち出すのであれば、どの部分が、どのように法的に問題があるのかを示す必要があります。
これは、企業の法務や広報に携わった経験もある、私の見解です。
UUUMのリリース 1月12日付
私は上で書いたような疑問を持っていた中、UUUMから第2弾のリリースが出されました。
追加の説明ということで、ここでは、中井学さんの名前が出てきます。
そこでUUUMの「立場と認識」が発表されています。
これと学さんの動画を踏まえて、私なりに検証と考察をしてみます。
相違点の検証と考察
まず結論ですが、契約上の事実関係には、大きく乖離は無いのではと思います。
1.UUUMと中井さんの関係は、単年度の業務委託契約。
2.金額は固定。(中井さんの動画で見る限りは年間で200万円から300万円と推測)
3.中井さんのスポンサーに関する契約金の一部をUUUMに支払うことは、規定されていない。
では、どういった点で違いが出てくるのでしょう?
中井さん個人のスポンサー契約金の扱いについて
これについては、大きく異なるようで実は、双方に違いはありません。
中井氏は、当社との当初契約の際、中井氏が以前から契約されていたスポンサーとの契約金の一部を当社から不当に要求されたかのような発言をされていますが、契約上も契約前の各スポンサーとの契約金に関することは規定しておりません。
どういったことかと言えば、確かにUUUMの言う通り、「規定」はされていなかったでしょう。
中井さんも、それを主張はしていません。契約を結ぶ段階で、「UUUMから個人で契約しているスポンサーの契約金の一部を要求されたという話があった」と言っているだけです。
それに対して、中井さんは自身のスポンサーを守るために、その条件はのめない。
結果、UUUMから提示されたのが、広告収入は100%、UUUMが取るという条件です。
ですから、契約前にこういったやりとりがされたかという点に、中井さんは不信感を持っている。
UUUMは、経緯の話は別。契約は契約。規定は規定なんだからという立場の違いです。
これについて、どうとらえるかはそれぞれでしょう。
契約を結ぶ時点で交渉すべきだったという考えもあるでしょう。
一方で、中井さんのゴルフに対する想いを重んじるという考えもある。
中井さんの動画の最初は、「ゴルフに対する想い」から始まっています。
特に若い人を中心にゴルフを広めたいという考えで、UUUMと契約をするに至った。
それは、当初の段階では、先行投資をしたUUUMも同じ想いだったはずです。
だったら、立ち上げ当初、まずは我慢しましょうという中井さんの考えに、私は共感します。
動画制作に関わる投資への考え方
これも、実は大きく差があるとは感じられません。
UUUMはゴルフチャンネルを開設するにあたって、先行投資をした。
中井さんの言葉では、UUUMは5年は赤字でもやるといったことだったようです。
確かに投資はかかるし、その点も考慮して、中井さんは契約をしたと思います。
UUUMが赤字でありながら、ゴルフを広められるのであれば、自分が多額を貰う契約は結べないということですね。
この辺りが、良くも悪くも中井さんの性格なんだと思います。
その純粋さがレッスンに表われているからファンも多いという面があります。
その後、UUUMGOLFは、約2年で投資を回収し黒字化したのを中井さんは知ることになります。
これについては、双方とも、喜ばしいことだと思っているはずです。
ただし、この辺りから、両者の食い違いが出てきます。
中井さんへの実績と価値
中井さんは頑張ったと自負していますし、視聴者から見ても優良なコンテンツを提供してくれた。
しかも嬉しいことに5年はかかるだろうと見込まれた初期投資が2年で回収できた。
ですから、契約の更新内容についても、話が出来るんじゃないかと感じた訳ですね。
事実、登録者数や視聴回数の増加に対し、中井さんの貢献は大きかったと思います。
それで、当然ながら、中井さんは、疑問をUUUM社員に投げかけました。
自分の実績は?価値は?という部分です。
延べ、6500万回の再生数は、対価換算は別に、どう見ても大きな数字です。
これは推測ですが、中井さんは契約云々の前に、まず感謝の言葉が欲しかったのだと思います。
動画の中で、社員から、「まぁ、一番出ている人ですから当たり前でしょ」と言われたとのこと。
こう言われたら、自分でもさすがに、「それは無い」と思います。
せめて、「中井さんの動画で再生数も伸びました、感謝しています」くらいはあるでしょう。
このあたりになると、言った言わない、思った、思わないの部分になってしまいます。
ただし、ここが重要でして、最後に書く、まとめで触れます。
中井さんのUUUM以外の仕事について
これは今回、私もそうなのか初めて知ったのですが、UUUM所属だと仕事がどんどん減る。
これは、事実だと思います。中井さんが直接体験されていることですから。
予想以上に、UUUMを敵対視しているメディアがあったというのが、悲しいことですが現実。
こういった現実に遭遇すれば、中井さんも虚心坦懐にUUUMに相談しますよね。
それに対する答えが、「まぁ、UUUMもいろいろ憎まれますからね~、あはは」だった。
この反応を受けたら、不信感しかないでしょう。
中井さんがUUUMの社員であれば、待遇や福利厚生の面で処遇される。また、多額の契約金を貰っているのであれば、一定程度は有名税という面で理解できます。
そうではなく、固定額の業務委託契約なので、クリエイターとしての疑問や投げかけに対して、まず受け止めるのが、UUUM社員の職務であるはずです。
それに対して、有効な手立てがあるかないかは別にして、まずは受け止める。
もし自分がUUUMの担当社員で相談を受けたなら、
「そんな状況なのですね、私も残念に思いますし、会社でも話してみます。」と対応します。
そうしなければ、こういった状況が、今後も起こりえると容易に想像できるからです。
同様の現象は、フランチャイズやネットビジネスでも、日々起きていることなのですから。
企業の取引先に対する法的な規制は、厳しくなっています。
優位的な立場を利用して、契約を締結することには、神経を使う世の中になっているからです。
話させてくれない空気感
これもざっくりとした話ですけど、クリエイターとしては、かなり重要な部分です。
上に書いた、リスクに対する対応といった部分の底辺に流れているものだからです。
クリエイターは、良いコンテンツを作るのが主目的です。
もちろん、個人事業主ですから、契約ありきじゃないのかというのも一理あります。
しかし、現実は、さまざまな場面で問題も出ますし、それを受け止めるのが企業。
それも含めて、ビジネス上のリスクヘッジということになります。
契約が全てという人がいるかもしれませんが、そうではありません。
契約とコンテンツ作り、これを同時並行の高いレベルでできる人が、世の中どれくらいいるのか?
割合としては、相当に少ないと感じます。
そして、この空気感については、実はUUUMを第三者的な視点から見ても良くない。
風通しについては、一般的に組織文化で必ず語られる項目ですが、今回も同様と感じます。
専属マネジメント契約の解釈
ここは、双方で乖離があると思います。
契約の内容詳細について、当事者以外知ることはできませんが、双方の主張はこうです。
中井学さん:専属のマネージャーがついていない。
UUUM:適宜当社従業員において行っている。
中井さんは専属マネジメント契約なので、マネージャーが付き、YouTubeの動画以外の案件もあると思っていたことだと思います。
これに対してUUUMは不当な扱いをしていないとしていますが、では逆に、正当な扱いをしていたのかどうかは判断が分かれると思います。
どういった細かい部分まで規定されているのかは、定かではないですが、少なくとも専属マネジメント契約を謳うならば、一定の案件を取ってくる、マネージャーをつけるというのが、基本だと思います。
それは中井学というブランドがそれに値するからで、素人との契約とは価値が異なるからです。
乖離していく想い
これは、UUUMGOLFが発展していく中での方向性の違いであると思います。
中井さんの軸は一貫しています。
「ゴルフを広めたい、若い人にも知ってもらいたい」です。
一方でUUUMは企業で、ましてや上場したので、利益は追及していきたい。
ここは双方お互いの立場で理解しながらも、各論で差がついてしまったということだと思います。
あえて言うならば、ゴルフを広めたいという出発点は同じ。
発展していく過程で、両者の方向性に差が出てきてしまったということだと思います。
まとめとして
今回、学さんが動画を公開したことで、私は、学さんのゴルフに対する想いを再確認できました。
そして、学さんは、UUUMが契約違反をしたとかを主張しているわけではありません。
ましてや、UUUMのコンテンツを見ないでくれとか、登録を外してくれとも言っていません。
事実、私もUUUMの登録を外したりはしていません。
そうですよね、ゴルフを広めたいという想いが根本にあるのですから、どのチャンネルだとしてもレッスン動画を見て、身近に感じたり、上達してもらえれば、基本はOKなのだと思います。
ここで再度UUUMのリリースに戻りますが、こうあります。
チャンネル運営ビジネスのリスクを負担しない立場にあった中井氏が、契約期間満了後、突如として、チャンネル登録者数または動画再生回数に応じた対価を受け取るのが当然であるかのごとく発言、さらには、一方的に当社が不当な取扱いを押し付けたかのような発信をされることは、極めて心外です。
これは、学さん、言ってないですよね。
不信感があったことは言っていますが、不当だ、契約違反だとは言ってないですから。
ましてや、「対価を受け取るのが当然のことであるかのごとく発言」は無い。
それと、折々でUUUM社員に相談や投げかけをしているので、突如でもない。
それ以前の段階、つまり契約前の話し合いの段階で不信感が募ったという主張なのです。
「当然であるかのごとく発言した」と受け止めたのは、それこそUUUMじゃないですかね?
まさか、動画で挙げられるとは思わなかったってところだと思います。
今回の動画に関しては、中井さんが思っていることを語っただけ。
そして、それはUUUMを貶める目的ではないと自分は思います。
今回の動画をどうとらえるかは、視聴した人の判断によるからです。
さて、UUUMが言うところの、法的措置は、何をどうするのかも見えてこないです。
動画を挙げるのが悪いのか、講演で話すのはどうなのか、世間話だったら良いのか、個人的に思うだけだったら良いのか、等々。
少なくとも、現時点で、UUUMが法的な措置を取る根拠を私は見出せません。
視聴回数や登録者が減ったとしても、本件とどのような関連性があるのかも見えませんしね。
1月5日以降で、これをきっかけに株価が暴落したという話でもありません。
さて、法的根拠が唯一あるとすると、契約条項に有効な守秘義務があった場合だけですかね。
また、守秘条項があっても、有効であるかどうかは司法判断の分かれる場合もありますから。
ということで、当事者と言うか、中井さんはこれで今回の話は終わりでしょう。
UUUMが信用を損ねたと思っているだけですから、対応するしないは、学さん次第だと思います。
学さんはこれ以上、この問題に対する発信はしないと言っています。
ですから、UUUMもこれ以上追及していかない方が、結果的に良いとは思います。
何しろ、学さんのレッスンについては、開設後の登録者数を見ても評価がわかります。
今回の件に関しては、UUUMが学さんの能力、価値を甘く見ていたこと。
安上がりでコンテンツを作る、演者の1人としてしか見ていなかったことだと感想を持ちます。
それも、最大の問題は、ここまで書いてきた、不信感が生まれたきっかけ。
もう一歩踏み込んで言えば、不信感を生んだ初動対応。
ですから、これは学さんの問題と言うより、UUUMのリスクマネジメントの問題だと私は感じるのです。契約を結んでいる他のクリエイターにだって、今後起こり得ますから。
今回の件を契約の話ととらえるか、ゴルフに対する想いの差と取るかで立場は違ってきます。
ちなみに、企業から離れる場合、不満があっても訴訟沙汰にならなければ、円満退社になります。
ざっくり言うと二者択一なので、UUUMは、このまま勝手に中井さんが独立するんだろう、文句があっても、業界内で文句を言うくらいじゃないの?と高をくくっていたという感を持ちます。
過去、不満がありながらも辞めていったクリエイターも、表立って大きな問題は無かったし、同じだろうという感覚です。
まさか、動画で発信されるとは!というところでしょう。
繰り返しになりますが、UUUMが何を根拠に法的な措置を取るのかが、現時点では見えないです。
具体的に被った損害って、実際のところ何を指すのでしょうか?
事実と異なる契約違反を暴露したわけでも無いし、ただ、自分の想いを語っただけなのですから。
ですから、学さんからすると、いま、話し合うことは何も無いと思います。
UUUMもリリースで書いていますよね。
当社としては、望んで法的紛争へ進めたいと考えてはおりません。
ただ、これ以上、誤解を助長する投稿、発信が繰り返された場合には、「UUUM GOLF」ならびに当社の信用を守っていくために、毅然とした対応を取る必要があると考えております。
逆に言えば、これ以上投稿や発信が無ければ、法的紛争に進まないと理解します。
今回の件が、事実と信じるべき内容なのか、事実でないのかを判断するのは、視聴者です。
中井学さんからのメッセージ 1月13日現在
UUUMのリリースを受け、学さんからメッセージが出ましたね。
※現在は削除されています。
私が書いた通り、UUUMは契約ベースでの話を基にしている。
一方で、学さんは気持ちの部分を基にしていますよね。
今回の動画でも、あらためて、言葉として欲しかったということが、再度語られています。
そして、学さんは逃げも隠れもしないこと。
電話やLINEではなく、YouTubeライブをやりましょうという提案です。
これも、学さんの本意ではないでしょうけど、話をするなら、密室でないところでという意図だと思います。
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