女子ゴルフ、下部のステップアップツアーで、初の4日間大会が開催されます。
今回のSky レディースABC杯は、ロレックスランキングフラッグシップイベント対象になり、出場選手の世界ランキングポイントが高くなり、付与人数が拡大されます。
大会概要
大会名称:Sky レディースABC杯
開催コース:ABCゴルフ倶楽部 (6,590 Yards/Par 72)
開催期間:6月29日~7月2日
賞金総額:4,000万円
優勝賞金:720万円
出場人数:120人(予定)
決勝進出順位:2R終了時 60位タイまで (予定)
大会URL:こちらです。
放送予定
いつものスカイAです。4日間になるとたっぷりですね。
CS放送「スカイA」、ゴルフ専門サイト「スカイAゴルフLIVE」※生中継
6月29日(火)8:00~11:00、12:30~16:30 (予定)
6月30日(水)8:00~11:00、12:30~16:30 (予定)
7月1日(木)8:00~11:00、12:00~16:00 (予定)
7月2日(金)8:00~11:00、12:00~16:00 (予定)
ペアリングと見どころ
初日のペアリングが発表になっています。こちら。
注目どころの、アウトスタート後半組。
14組 09:58 倉田珠里亜、フォンスーミン、森井あやめ、佐藤靖子
15組 10:09 リハナ、小野祐夢、青山加織、仲宗根澄香
ホステスプロの仲宗根澄香さんは、この大会に出場します。
アース・モンダミンカップからの転戦、出場選手も多い。14組や15組ですね。
特に、最終組ですが、ペアリングの同伴競技者がなかなかです。
青山加織さん、小野祐夢さんは、アース・モンダミンカップからの直行組。
また、リハナさんは、晴れて、先週の最終プロテスト合格からの参戦です。
最終プロテストと言えば、13組には、合格者の小倉彩愛さんが出場します。
元々出場予定選手に入っていたので、アマチュア資格だったとしても出場だったと思います。
先週の金曜日にプロテスト合格、土曜日に入会式を済ませたばかりです。
プロゴルファー、小倉彩愛として、どんな活躍を見せてくれるでしょうか?
さて、この大会の賞金総額は4,000万円、優勝賞金は720万円です。
ステップアップツアーとしては、史上最高金額となります。
賞金レースを争っている、リハナ、小野祐夢の両選手も気合が入るでしょう。
今季、上位2名に入れば、来季のレギュラーツアー前半戦の出場権が得られます。
初日 リハナが首位タイ発進
長い、長いと選手の前評があった、この大会。
岡本綾子さんが、ティーを後ろにして、コースの全長を伸ばしましたね。
・・・ラフは刈ってあるので、全長を伸ばしたのも理由です。
アースモンダミンカップや日本女子オープンの予選会、そしてプロテスト。
それぞれに参戦していた選手が、ABCゴルフ倶楽部に集結しました。
雨が心配されスタート時間が早まりましたが、雨は通り雨程度でした。
初日の上位陣。全体がこちら。
ステップにしては意外と言うか、まずまず上位陣の顔ぶれが、初日順当です。
何と言うか、リハナさん強しですね。
金曜日まで最終プロテストを受験していて合格したばかり。
最終プロテストだけは別物という話は何?というくらい、安定感しかないプレーぶりです。
但し、4日間は長い。総合力が試される試合です。
2日目 リハナ単独首位に
初日から首位に立ったリハナさんが、2日目、単独首位に立ちました。
19歳と若いとは言え、プロテスト会場から直行しての参戦ですから、疲れはあります。
それでも、安定感は、頭1つ抜けています。
特に後半は、ボギーをたたく気配も無く、チャンスでバーディーを獲る。
終わってみれば、2位に3打差の首位です。
2日目終わりの上位陣。全体の結果がこちら。
2日目に良いプレーを見せたのが、服部真夕さんで、左打ちアプローチのチップインバーディーもあり、4バーディー、ノーボギーで2位に浮上。
大江香織さんがコーチについたからか、ショット全般も安定してきたように見えます。
3日目以降、どんなプレーを見せてくれるか、もしかすると、ターニングポイントの試合となるかもしれません。
また、この試合がプロデビュー戦の、小倉彩愛さんも2日間イーブンで順位は7位と良いです。
若干、不本意だったのが、ホステスプロの仲宗根澄香さん。
2日目はかみ合わなかったですね、スコアを落としましたが、挽回に期待です。
さて、個人的に、頑張りどころだと思うのが、澁澤莉絵留さん。
出入りのあるゴルフで落としてしまいましたが、まだ粘れるイーブンパーの7位。
そろそろステップでは、優勝争いをしたいところです。
さて、全体的にスコアは伸びず、予選カットは+7になりました。
グリーンが硬くて速い、恐らくコンパンクション23、スティンプで12フィートくらいです。
と言うことは、ピンポジションも含めて、レギュラーツアーと同等のセッティング。
レギュラーツアーの選手であれば、首位は-10前後、カットラインは+2前後だったと見ます。
そういった意味では、ステップ全般だと、選手層がまだ少し薄い。
それだけに、リハナさんの秀逸が目立つ2日目までの結果です。
3日目 服部真夕首位浮上、1打差でリハナ
3日目は、ちょっと波乱の展開でした。
盤石に近いと思われた、リハナさんが、前半、4つのボギーで後退。
変わって、この日、素晴らしいプレーを見せた、服部真夕さんが首位浮上です。
前半部分は放送がありません、
それだけに謎と言えば謎なのですが、それだけ後半は、リハナさんも巻き返して1打差です。
3日目終わりの上位陣。全体がこちら。
恐るべきは、3日目のアンダーパーが、わずかに4人しかいません。
これは、前日の雨で、若干、グリーンが柔らかくなったものの、ピンポジが難しかった。
レギュラーツアーの選手であれば、それなりに攻略できたでしょう。
あと1ヤード、簡単な方に振ってやれば、全体で、3打くらいスコアが変わったかもしれません。
ただし、このセッティングは、未来を見据える上では正解。
そして、岡本綾子さん、最終日は伸びるセッティングと言っています。
3日目までは、基本、奥めのピンポジが多かった。
と言うことは、最終日は手前めのピンポジションが多いと予想します。
そして、勝負のかかる、18番のピンポジション。
これは、例年、最終日に切るカップを2日目に切りました。
すると、最終日は左奥、バンカー近くの面でしょうか?
さぁ、最終日。
スコアからすると、服部さんとリハナさんが優勝争いの軸に間違いはありません。
しかし、天候もありますし、4位タイまでの選手にもチャンスはあると思います。
特に、ホステスプロの仲宗根澄香さんには注目です。
最終日のペアリングはこちら。優勝を争う注目組は2つ。
12組 09:50 佐久間綾女、表純子、仲宗根澄香
13組 10:00 西木裕紀子、リハナ、服部真夕
期待のリハナさん。前半が勝負の鍵だと思います。後半は強いですから。
リハナ(2位:-5)
「あすは絶対にノーボギーでプレーしたい。きょうは、前半からチャンスなし。ボギーが多かった。特にショートパットがいまひとつです。また、ショットもラフから打つと、ランがでるかなぁ-と計算したけど、それほどでもなかった」
息詰まる優勝争いの最終日
岡本綾子さんの言う通り、最終日のピンポジションは4日間で最も簡単。
各選手とも、スコアを伸ばし合う展開となりました。
そして、優勝争いは、マッチレース。バックナインまでもつれる息詰まる戦いでした。
優勝は服部真夕
1打差で最終日を迎えた、首位、服部真夕。続くリハナ。
リハナさん前半は、1バーディーにとどまり、服部さんが差を広げます。
しかし、勝負は、バックナイン。特に13番から、目まぐるしい展開となりました。
後半に強い、リハナさんは13番から3連続バーディーで-8。
15番をボギーとした、服部さんと、ここで並びます。
そして、勝負は、残り3ホール。ここで明暗が出ました。
16番、17番とリハナさんがパーセーブしきれず、ボギー。
一方で17番、服部さんは気迫のバーディーで3打差。
実質、ここで勝負がつきました。
服部さんは、ショットに悩み、10年守ったシードから陥落。
2019年からは、ステップを主戦場としています。
昨年からは、大江香織さんがコーチに付き、スイングの改造中。
今でも、フルショットではなく、コンパクトなスイングのライン出し。
また、アプローチは右手で打てる状態ではなく、この試合も左でアプローチです。
そんな中、このセッティングの4日間大会で勝った意義は非常に大きい。
今大会のプレーであれば、レギュラーツアーでも、十分にやっていけるレベルだと思います。
最終成績と注目選手の結果
最終日は伸ばし合いで、スコアが動きました。
最終の上位陣。全体がこちら。
自分が注目していた選手たちが、JLPGAの記事でちょうど取り上げられました。
勝てなくても地力を見せたリハナ
最終的には2位。16番と17番のボギーは痛かったですが、仕方ないところ。
バックナインで、予想通り追い上げ、追いついた力を評価したいと思います。
まだ、19歳。次戦は、ニッポンハムレディスに出場できます。
ホステスプロの意地 仲宗根澄香
レギュラーツアーの出場権があったにも関わらず、この大会に参戦した仲宗根澄香さん。
優勝には届かなかったですが、特に最終日は気迫のプレーで3位フィニッシュ。
プレー振りを見ても、既にレギュラーツアーの選手としての貫禄が出てきています。
もう少しいけたか?澁澤莉絵留
最終日に伸ばして、4位タイ。
ただ、スイングの完成度を見る限り、もう少し上でもおかしくない力です。
フィジカルが強い彼女ですが、もう少しマネジメント力が欲しい。
コースが何を望んでいるのか、その攻略ルートを見つける力をつけたいです。
デビュー戦でTOP10の小倉彩愛
最終日もノーボギーでナイスプレーの8位タイフィニッシュ。
可能性を感じさせてくれるプレーでした。
ステップアップツアーの現在地
今回のフラッグシップイベント、高額賞金大会で、ランキングが変動しました。
今大会終了時の賞金ランキング。
リハナさんが、賞金を上乗せ。2位でも、今回は¥3,520,000。通常の優勝くらいです。
特筆は、優勝した服部さんの急上昇で、3位に浮上です。
ステップでは、年間2位までになることに、大きな意味があります。
それは、来季レギュラーツアーの前半戦出場権。
ここで、服部さんが、大きく争いに加わってきました。
ステップアップツアーも、しばらく試合が空きます。
次戦は、8月25日からの、山陰ご縁むす美レディースです。
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