女子ゴルフ プロテスト合格で目指すスタッツ

活況を呈し、続々と有望選手がプロ入りする女子ゴルフ。プロテスト合格が難関となっているのですが、ここは第一関門。目的はツアーで活躍することなのですが、昨今ではプロ入り直後からツアーで活躍する選手も目立ちます。目指すべきスタッツを考えてみます。

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活躍している女子プロゴルファーのスタッツ

現状、活躍しているプロゴルファーをスタッツの面から見てみます。
第25戦のニトリレディス終了時の成績を振り返ってみましょう。

山下美夢有のスタッツ

現状、メルセデスランキング、賞金ランキングとも1位。
トッププロとして確立している山下美夢有さんの主なスタッツです。

上位に来ているスタッツは以下のものが挙げられます。
まずは、肝心のスコアがどうなっているかと言うと、

予選ラウンド平均ストローク 70.5139 3位
決勝ラウンド平均ストローク 69.9231 1位
1stラウンド平均ストローク 70.2542 5位
2ndラウンド平均ストローク 70.6979 4位
3rdラウンド平均ストローク 70.0667 3位
4thラウンド平均ストローク 69.8000 3位
Finalラウンド平均ストローク 70.0000 2位

当たり前ですが、文句のつけようがありません。
それでは、このストロークを形成している要素を見てみます。

パーオン率 73.6752 2位
平均パット数(パーオンホール) 1.7826 12位
パーセーブ率 90.2564 2位
平均バーディー数 3.5077 8位
フェアウェイキープ率 75.2747 10位
トータルドライビング 63 9位
ボールストライキング 11 3位
リカバリー率 71.7532 1位
パーブレーク率 19.6581 8位

どの主要スタッツも上位でありますが、強いて言えば、ドライビングディスタンスが53位。 それでも、236.54ヤードなので、まずまず飛んではいます。
それよりも、フェアウェイキープ率は10位なので、トータルドライビングは9位。
飛距離はそこそこでも、曲がらないので優位に立てる、そして、アイアンが安定しているので、パーオン率も高い。
ボールストライキングも3位なので、ショットメーカーと言えます。

スコアに結びつく主要なスタッツとは?

山下選手の例で見てみましたが、スコアに結びつくスタッツはあります。
選手のタイプにより、飛距離重視、アイアンの精度やパッティングが得意などはあります。
しかし、総じて言えることは、パーセーブの高さとパーブレイクの必要性。
つまり、簡単に言えば、ボギーを少なく、バーディーを獲る重要性です。
それを自分のスタイル、長所と合わせてスコアを作っていくことになります。

1位と50位の主要スタッツ

それでは、各部門1位の選手と50位の選手の主要スタッツを比べて見ます。
50位のスタッツは、必ずしも総合のパフォーマンスとは結び付きません。
しかし、ツアーで活躍するということは、不得意部門でも50位以内を目指すことも指標になります。
ですから、トップランナーとシード権レベルの実数を知ることは大切なのです。

平均ストローク

何は無くとも、まずは平均ストロークが成績に直結します。

1位:70.1658 50位:72.3418

上位50選手が20試合(70ラウンド)前後をプレーして、この数字です。
つまり、調子が良くても悪くても総じてアンダーパーでラウンドしなければ、ツアーで活躍はできません。
加えて、1位の数字と50位の数字は2ストロークほどです。
非常に濃密な中で、戦いが行われていることが分かります。

パーセーブ率

常にバーディーチャンスを作ることは難しいですが、トッププロは総じてパーをセーブし、それ以上のスコアを出さなければツアーでは戦えません。
※パーかそれより良いスコアを獲得する率。【(総パーセーブホール数÷総ホール数)×100】

1位:90.4558 50位:83.4921

やはり、上位で活躍するためには、83%以上で、パーより良いスコアで上がることが必要です。
つまり、1ラウンド18ホールなので、15ホール以上でパーかそれより良いスコアが必要となる数字です。

パーオン率

パー以上のスコアを作る土台となる1つの指標がパーオン率です。
これも女子プロゴルフツアーを見ていると、ある程度、活躍と相関関係があります。

1位:75.4986 50位:65.3175

これは1ラウンドあたりの実数に換算すると、最低でも12ホール、願わくば15ホールはパーオンしたい数字となります。

平均バーディー数

こちらも、成績とある程度の相関関係があります。

1位:3.7600 50位:2.8226

1ラウンドあたりにすると、3個前後は平均してバーディーを獲りたい数字です。

平均パット数(パーオンホール)

パーオンしても、パッティングが決まらなければバーディーとはなりません。
女子ゴルフの場合、こちらも成績と相関関係があります。

1位:1.7467 50位:1.8331

ここも差は小さいようで実は大きい。
0.1の差ですが、18ホールを積み上げるとストローク差はかなり違います。
実数として、14ホールでパーオンしたときは、1.4ストロークの差になります。

リカバリー率

パーオンしないホールでパーかそれより良いスコアを獲得する率です。

1位:71.7532 50位:61.6393

ツアーのトップで戦う選手は、簡単にボギーを叩かないです。

意外とスコアに結びつかないスタッツとは?

ここまでスコアメイク、ストロークに結びつくスタッツを見てきました。
そして、意外にも、あまり相関関係の無いスタッツがあります。
それは、ドライビングディスタンスとフェアウェイキープ率。
これにはある程度のからくりがあります。

つまり、現在ツアーで活躍しているプロ、総じて飛ぶし、曲がらないからですね。
山下美夢有さんで言えば、53位でも、236.54ヤード飛んでいます。
フェアウェイキープと合わせたトータルドライビングが9位。
そこから高いパーオン率とパーセーブ率でスコアを作っていることが分かります。

プロテスト合格を目指す選手たちへ

今回あらためてスタッツの面から見てみましたが、非常に濃密な中での争いです。
1ラウンドあたりでみれば、スコアはトップと50位で2打の差です。
それでも、3日間になれば、6、4日間になれば8の差になるのがツアーです。
もちろん、コースやセッティングによってスコアは変わります。

一概にこれらスタッツが全ての条件に当てはまるとは言いません。
しかし、これからプロになり、活躍を目指す選手の指標にはなり得ます。

まずは、どんなラウンドでもアンダーパーを目指すこと。
※もちろん、プロテストやミニツアーでもです。

そのためには、最低でも230ヤードは飛ばして、70%くらいはフェアウェイキープする。
そして、12から14ホールでパーオンして、1ラウンドあたり3個以上はバーディーを獲る。
パーオンできないホールでも、リカバリーして、60%はパーをセーブする。
そのレベルにならないと、賞金を稼ぐトップレベルのプロにはならないと言えます。

この記事を書いているのは、ゴルフ5レディス開催中です。
開催コースのゴルフ5カントリー オークビレッヂは千葉県でも難関とされるコース。
他のコースで70台でラウンドするシングルプレイヤーでも、普通に90を叩くようなコースです。
そこでも、今回の試合はバーディー合戦の伸ばし合いとなっています。
つまり現状のJPLGAツアーは、「上手い」を通り越して、「凄い」のレベルなのです。

リングへ込めた誓い 勝みなみが大会コース新で首位|JLPGA|日本女子プロゴルフ協会
一般社団法人日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)の公式サイトです。

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