木下彩のペブルビーチ攻略法

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今年の全米女子オープンは、女子で初めてペブルビーチゴルフリンクスでの開催。
これはさすがメジャー中のメジャーということで、多くの選手が苦戦しました。

そんな中、ダークホースと言っても過言ではないと思うのですが、日本予選会から通過した木下彩さんが13位フィニッシュをしました。

今季、国内日本ツアーでも決して好調とは言えない木下彩さんですが、なぜ、今回、好成績を残せたのかを掘り下げます。

木下彩がペブルビーチで実践したこと

出場前、試合中、試合後のコメントもらしいと言えばらしいのですが、「木下節全開」で、実のところどうなのかは測りかねる部分もあったのですが、読むに値すべき記事がありました。

「グリーンで止める気なんてなかった」 なぜ木下彩は世界ランカーたちが予選落ちしたメジャーで13位に入れたのか
コ・ジンヨン(韓国)、アンナ・ノルドクビスト(スウェーデン)、ダニエル・カン、レクシー・トンプソン(ともに米国)、ジョージア・ホール(イングランド)といったメジャー優勝経験者たちが予選落ちを喫したペブルビーチで行われた「全米女子オープン」。...

試合をご覧になった方はご承知の通り、ペブルビーチのグリーンは小さく、そして硬かったのです。

少しグリーンを転がった少し先には、とんでもないラフ。

何だか、パンチパーマを3か月放置みたいな、あまり見ることの無いような状態でした。

そのため、多くの選手が苦労した訳ですが、木下さんは逆算型マネジメントを採用。

自分の球筋が低いことを知っているので、グリーンに直接乗せては、止まることはないという割り切り。

ですから、徹底して手前から転がし上げる、または、グリーンに乗らなくてもアプローチでパーを拾っていくと決めたマネジメントです。

硬くて小さいグリーンと言えば、通常は思いっきり飛ばし、短い番手でグリーンに止めることを誰しもが考えます。しかし、上位陣の顔ぶれを見ても、実は飛ばし屋が少なかったのが、今回の全米女子オープン。

せいぜい、ベイリー・ターディー選手が目に付くくらいで、事実、彼女のパーオン率は71%で1位でした。

逆に言えば、奥に少し外れたくらいのラフが、最も難しかったことがわかります。

ですから、今回、木下さんがとった、「手前から転がし作戦」は、ある程度成功を収めたと思います。

もちろん、前提としてフェアウェイキープが必須なのですが、この試合の木下さんは、非常に安定したドライバーショットを放っていました。

元々、飛距離の出る強めのドローヒッターですので、相当にコントロールしていたかと思います。

古江彩佳も採用するマネジメント術

実はこの作戦を非常に上手く、試合に取り入れているのが古江彩佳さんです。

飛距離はツアー全体の平均以下なのですが、グリーンを狙うショットの精度とイマジネーションが抜群です。

春にあったドライブオン選手権も、相当に、グリーン、フェアウェイとも硬かったです。

古江さんは、アイアンで攻める際にも、30ヤードくらい手前から3クッションで寄せていくなんてワザを普通に使っていました。

これこそが、現在、年間のポイントランキング2位という抜群の成績を残している一因だと思います。

事実、古江彩佳さんもこの全米女子オープン、マネジメントを徹底し、最終的には6位タイに入りました。

全米は難しいけれど

言わずもがなですが、全米女子オープンはUSGA主催であり、セッティングの難易度はいつの時代もトップクラスです。

飛距離、正確性、メンタルどれもが要求されるのですが、決して飛距離に頼ることなく勝ち切ったコープス選手もそうですが、事前には予想困難なペブルビーチ攻略法でもありました。

そんな中、こうした飛距離一本足戦法でない選手が優勝、そして上位に名を連ねたのは、非常に興味深い試合でもありました。

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