渋野日向子さんのスイングについては、折に触れて書いてきました。
2019年5月から順を追って、書き加えています。
最新の2021年版記事は、下にありますので、目次から飛ぶこともできます。
渋野日向子 スイング解説 2019年5月
このところ上り調子、渋野日向子さんのスイング解説。
なんと、辻にぃの、「スイング見聞」にまで取り上げられました。
・・・何か、いきなり「出世街道」みたいな気がする。
ALBAから、大活躍のシンデレラガール 渋野日向子は切り返しからが満点!【辻にぃ見聞】
スイング解説の前に、満面笑顔の写真が良いですね。しぶ子らしい。
パナソニックオープンレディースでちらっと見ましたが、「まんま」です。めっちゃ明るい。
・・・シンデレラはちょっとどうか?何か幸運に巡り合ったわけでもないのでね。
さて、辻村明志コーチ、しぶ子さんのスイング解説の前に感想があります。
私と同感な部分は、空回りを恐れない攻撃力、アグレッシブなパッティング、初日最下位でもあきらめないメンタルと攻めによる流れのつかみかた。
確かに、「1日で15打縮める」ってのは、並大抵のことではないです。逆はあるけれど。
こういったスタッツって無いのでしょうけど、記録としては、当分破られないと思う。
だって、調子が良い日に64を出しても、前の日に79を打っておかなきゃならないので。
さて、スイング解説です。
最初の特徴が、「振り切り」。振り抜きでなく、もっと「躍動感」がある。
どういったことかと言えば、フィニッシュの後、「おつり」が来るんですね。
通常女子プロの場合、フィニッシュは止まります。
ところがしぶ子さんは、反動で体の前までクラブが戻ってくる。
・・・ミケルソンとか、ガルシアが例に挙げられています。
確かにこのスイングは少ない。時々成田美寿々さんとかはやりますけど。
これも下半身の強さがあってのアドレス、インパクトで手が体の近くを通ること。
つまり、分厚いインパクトになるのです。
・・・ソフトボール出身でもあり、運動神経も長けていたと理由もあります。
また、爆発力も垣間見せてくれています。
パナソニックオープンレディースでも、最終日に一時は首位。
どちらかと言えば難易度の低い14番でダボを打って後退とかになるんですけど、これも常に攻撃的なプレースタイルからきているかと思います。
とりあえず、リランキングのクリアは当確なので、これからのプレーが楽しみです。
・・・ここ最近、毎週、渋野日向子さんのことを書いている気がする。(^▽^;)
渋野日向子 実際のスイングを見て 2019年6月
渋野日向子さんのスイングやパッティングについて、ニチレイではご本人をしっかり見ることができたので、以前とは違い、所感として書いておこうと思います。
まず、何より印象的なのは、テレビで見るより迫力ある構え、アドレスです。
肩幅の広い彼女が脇を締め、どっしりとワイドスタンスで構える。
もう、「ザ・安定感」としか言いようのない構えです。
スイングに入っていくのですが、あれだけワイドスタンスながら、しっかりと肩まで入る。
あれは、体の強さ。筋力と柔軟性の両方が兼ね備わったテークバックです。
そしてダウンスイングからインパクト。
安定した下半身を土台にしながら、手が体の近くを通り、厚いインパクトです。
それが重い球を生んでいきます。
最後にフォロー。
ここが特徴的なのですが、フィニッシュのあと、背中までいったシャフトが戻る。
あれは力感なのかと思っていたのですが、現地で見たら違う印象を持ちました。
それは、ソフトボールのティーバッティング。
ティーバッティングは基礎練習ですが、彼女は嫌というほどやったと思います。
まさにそのリズム感、タイミングの取り方でした。連続素振りの名残か?
最後にパッティング。
これも彼女の大きな武器となっているのですが、特徴はアドレスです。
あれだけ軽いもの(ボール)を鉄(パター)で打つのですよ。
あんなに下半身に力を入れてアドレス出来るのは、どうしてでしょう?
実はこれにも同じようなタイミングがありました。
彼女はソフトボールのピッチャー。ウインドミル投法でバンバン投げるのです。
ソフトボールのピッチングをご存知の方は分かりますよね。
投球姿勢の前に、プレート上でグッと姿勢を低くし、重心を下に止めます。
まさにあれです。ですからパッティングでも、下半身安定の「重い球」が出るのです。
ボールに、じゅんかいてんっ!って念を送っているみたいです。
今まで何となくですが、ソフトボール出身はゴルフに向いていると定説的に思っていましたが、渋野さんのスイングを見て、あぁそのエッセンスなんだなと実感しました。
ソフトボールのピッチングでは、投げる手が太ももに当たります。
ですから、あのハンドダウンと手の通り道がしっくりくるのだと思います。
そんなことを思っていたら、途中から渋野さんが、上野由岐子さんに見えていました。
渋野日向子スイング解説 2019年7月
このところ、メディアでも渋野日向子さんが取り上げられる率が急上昇しています。
やはり、勝ちっぷりも良いし、キャラクターも良いので、そうなります。
しかし、彼女のスイングに昨年から注目していて、今季開幕前にも、気になるスイングをする選手として書いてきた彼女が、スイングの面から取り上げられるのは嬉しいことです。
しかし、この記事は、ちょいと驚きました。GDOから、
ダスティン・ジョンソンと類似? 渋野日向子のスイングに注目がこちら。
しぶこさんのスイングを注目してきた私ですが、さすがにダスティンと比べたことはなかった。
でも、インパクト時の写真、確かに似てはいると思います。
しぶこさんは、DJのようにトップレベルの飛ばし屋という訳ではありません。
・・・今のドライビングディスタンス順位は、ツアー15位。
しぶこさん本人によると、意識はしていなかったものの、似ていると言われたことはあったようです。変則的なのかと思い、動画を確認したようです。
彼女のコメント部分を引用します。
「レベルは全然違うけど、似ているなと思いましたよ(笑)。でも、あれだけの選手が自分と似ているスイングなら、自分(のスイング)が何か言われても、このままで大丈夫だと思った。だから今のスイングが出来上がりました」
しぶこさん、まだまだ発展途上のスイングです。
あの、ハンドダウンからの振り切りが良いんだよなぁ。
さて、もう1点、詳しい記事をご紹介。
以前からブログでもスイング解説を書きましたが、また、違った視点です。
みんなのゴルフダイジェストから、プレッシャーがかかってもへっちゃら! ズバっと振り抜く渋野日向子のスウィングの秘密がこちら。
この記事では、彼女の左手首の使い方について焦点をあてています。
左手首が手のひら側に折れる“掌屈(しょうくつ)ですね。
トップの位置が、いわゆるレイドオフになっている。
これはアマチュアでも身に着けると、飛んで曲がらないボールを打ち出すことができます。
・・・自分のものにするまでが難しいのですが。
特徴は、トップの位置で、あらかじめインパクトを意識して、ダウンスイングに向かう。
一般的なアマチュアだとこうはいかない。
手首の角度を保とうとする意識が強ければ、スライスやすっぽ抜けになりますし、逆に手を返そうとする意識が強いと、引っ掛けやチーピンが出る。
彼女のスイングが再現性に優れるのは、この手首の角度を保ちながら、一気に体の回転で打っていけるところです。
以前ここでも書いたのですが、ダスティン・ジョンソンに通じるものもありますし、この記事ではブルックス・ケプカにも通じるとあります。
どちらも、世界を代表するメジャープレイヤーなので、そりゃ、凄いわけです。
渋野日向子スイング解説 2019年8月
渋野日向子さんの活躍を社会現象と見るか、ゴルファーとして見るかで見方は結構違います。
ここは、女子プロゴルフサイトなので、基本、ゴルファー目線でいきます。
全英女子オープン、基本、私はゴルフネットワークの放送で見ました。28時間・・・(*´Д`*)・・・一方で、テレビ朝日もしっかりと録画はしてあります。
何だか、アメリカでも、視聴数がハンパなかったようです。
イギリスとは時差があるので、アメリカではゴールデンタイムとは違う日中の放送。
にも拘わらず、167万人が見た。これは2014年、ミッシェル・ウィーの全米オープン以来とのことなので、しぶこさんが貢献したことに間違いはないと思います。
さて、それで、しぶこさんのスイングでなぜ曲がらないのか?
その解説とやりとりが、田中雄介&菅野仁美さんのパートでありました。
菅野さん曰く、「球に回転がかかっていないから」という説明です。
これ、ゴルファーなら行間を読んで分かるのですが、少々、言葉不足の表現です。
球には必ず回転がかかります。ボールに回転をかけなきゃ、飛ばないで、ガクッと落ちます。
要するに野球で言うところのナックルボールです。
つまり、適正なバックスピンがかかり、揚力を生むので、球が飛ぶのです。
菅野さんが言いたかったであろうことは、「無駄な回転が少ない」ってことと理解します。
飛ぶ、真っすぐ行かすためには、適正なスピン量が必要です。
これは多すぎても少なすぎても良くないので、プロのドライバーショットの場合だと、ほぼ、2,000回転強といったところだと思います。
それから曲がりに関係するのが、サイドスピン量です。
プロには持ち球があります。ドローとかフェードですね。
ドローであれば、反時計回り、フェードであれば時計回りの回転です。
これが強すぎると、フックやスライスということになります。
しぶこさんのボールは、このサイドスピン量が少ない。だから曲がっていなかったのです。
全英女子オープンでは、フェアウェイをヒットする確率が非常に高かった。
そして、「曲がった」という球は少なかったです。
左の木に当たった球はいくつかありましたが、曲げたというより、引っ張った感じです。
その球を生み出すのが、彼女のスイングですね。
国内ツアーでは豪快に感じるスイング。
ただ、世界のメジャープレイヤーの中では、少し違った印象に見えました。
まず、国内ツアーでは、平均より上の身長があるしぶこさんですが、世界的には小柄。
コルダ姉妹やノードクイスト、レキシーなんかが、でかすぎるってこともあります。
そんなしぶこさんですが、スイングは躊躇なく振っている。
そもそもドライバーが得意で、調子が良かったのもあります。非常にリズムが良い。
よどみない躍動感という表現があてはまると思います。
またヘッドの入射角も良いので、高くて曲がらない弾道となります。
今回あらためて感じたのですが、男性的な力強さと、女性的な柔らかさが融合した良いスイングだと思います。アドレスだけは個性的ですが、その他はお手本となるスイングです。
そんなことを思っていたら、専門家の記事がALBAから出ましたね。
ご存知、このブログにも良く登場してもらっている、辻村明志コーチ。
今回、上田桃子さんに帯同し、現地入りで、コースやしぶこさんのプレーを間近で見ました。
心技体が結実した42年ぶりの偉業 現地でコースを見たからこそ「より驚異的」【辻にぃ見聞】がこちら。
辻村明志コーチは、それこそ、心技体、3つの面から勝因を分析しています。
一言で、「異次元の戦い」って、やはり、衝撃的だったのだろうと思います。
辻村明志コーチ、ウォーバーンは2回目。前回も上田桃子選手に帯同しています。
今回は3年前に比べても、コースが難しくなっている。
加えて難しいインコースで4日間、ノーボギーでバーディー18個と量産ですから驚きます。
また、笑顔、挨拶、フェアプレー精神、どれも彼女がとった行動が観衆を惹きつけた。
記事の後半部分はスイング、パッティングの技術についても触れられています。
少し専門的な話も含まれますので、ここでは割愛。リンク先の記事で見てください。
いずれにしても、技術とメンタル、行動、それらが相まっての優勝だと思います。
今まで、門下生を除いては、松田鈴英さんオシだなぁと思っていた辻村明志コーチですが、今回ばかりは、しぶこさんのプレーに脱帽の記事です。
渋野日向子 スイング大改造 2021年の初戦
2021年、女子ゴルフを楽しみにしていた方は、自分も含めて多いと思います。
次々と現れる、才能ある選手。それは、ミレニアム世代であり、新世紀世代でもあります。
それでも、注目と言う点では見逃せないのが渋野日向子さんですね。
そして、そのスイングを見て、あまりの違いに唖然とした方も多いと思います。
こんなに変わった! 渋野日向子のニュースウィングをプロが解説がこちら。
以前も中村修さんは、しぶこさんのスイングについて記事を書いています。
何より、誰でも気が付くのはトップの位置。
思い切るにもほどがあるだろうと思うほど、低くなりました。
当然、スイングプレーンはフラットになるので、入射角は浅くなります。
この改造に取り組んだ理由は2点ありますね。
1つは、ここと言う場面で出てきていた、左へのミス。
惜しくも優勝ならなかった、2020年、全米女子オープンでもありました。
今回のスイングでは、それが、出にくくなります。
もう1つの理由は、関連しますが、世界を見据えた改造だと言うことです。
2021年以降の目標として、しぶこさんは、5大メジャー制覇をあげました。
そうなると、スイングは今のままで良いのか?自問自答したと思います。
今回の改造に至ったインタビュー記事をリンクしておきます。
目澤秀憲ツアープロコーチとの対談。
目澤氏は、河本結、有村智恵、そして2021年からは松山英樹選手をのコーチをしています。
コメント
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座和さんこんばんは。
しぶこさんやっぱり体が強い‼下井プロも絶賛しています。
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>まつしま。さん
体強いですよね~。
馬力もあるし、持久力もある。
基礎体力、運動神経が良いと思いますね。
ご両親のDNAと教えの部分も大きいでしょうね。