2022年、最後のメジャーとなるAIG全英女子オープン。12人の日本人選手が出場していますが、初日から嬉しいニュースは渋野日向子さんが単独首位スタート。テレビ観戦を通じて見た、キーホールとスコアメイクのポイントです。
テレビ放送など事前情報記事はこちら。
2022 AIG全英女子オープン初日
気になる日本勢の結果は以下の通り、全体がこちら。
風は当然のごとく強く、常に平均7mから8mは吹いていた感じです。
順位 | 通算 | 選手名 | Today |
1 | -6 | 渋野日向子 | -6 |
10T | -2 | 山下美夢有 | -2 |
26T | E | 畑岡奈紗 | E |
44T | +1 | 堀琴音 | +1 |
44T | +1 | 高橋彩華 | +1 |
44T | +1 | 西郷真央 | +1 |
56T | +2 | 橋本美月 | +2 |
74T | +3 | 勝みなみ | +3 |
86T | +4 | 笹生優花 | +4 |
86T | +4 | 古江彩佳 | +4 |
118T | +6 | 西村優菜 | +6 |
140T | +9 | 藤田さいき | +9 |
渋野日向子 単独首位スタート
まずは、渋野日向子さんが、このところの不調を吹き飛ばす、単独首位スタートです。
まだまだ初日とは言え、6月のショップライトLPGAクラシック以来の良いスコアです。
※6月の全米女子プロは、予選を通過したものの、決勝ラウンド前に棄権。
その前の上位争いとなると、4月のロッテ選手権以来です。
成績が何ヶ月か振るわないと、「やいのやいの」と声が聞こえます。
そんな中ですが、初日は抜群のプレーを見せてくれました。
山下美夢有も好スタート
全米女子オープンは出場資格がありながら辞退した山下さんは、初メジャー参戦です。
自己採点が90点ですが、まずまず妥当なところだと思います。
初のメジャーがリンクスの名門、ミュアフィールドですから、アンダーパーは上々です。
日本勢の巻き返しにも期待
初日のスコアは見劣りするかもしれませんが、他の日本勢も、まだまだあきらめるには早い。
と言うのも、世界のトップランカーでさえ、下位に沈んだ初日です。
※世界ランキング1位のコジンヨンが+5で103位の初日です。
基本は、丁寧にプレーをして、パーセーブを基本とすること。
左右の曲がりはもちろんですが、風の中、縦距離を合わせるのが難しいです。
また、左右に曲げてしまうと、ポッドバンカーの餌食となり、確実にピンチです。
フェアウエイは硬く、フォローだと、100ヤード近くランが出るのは諸刃の剣でもあります。
2022 AIG全英女子オープン2日目
渋野日向子さんの単独首位発進には驚きましたが、注目の2日目。
まずは、予選カットがあり、60位まで、日本人選手は4人が決勝に進みます。
日本勢の結果。全体がこちら。首位はチョンインジさんの-8です。
順位 | 通算 | 選手名 | Today | R1 | R2 |
5T | -5 | 山下美夢有 | -3 | 69 | 68 |
7T | -4 | 渋野日向子 | +2 | 65 | 73 |
17T | -2 | 堀琴音 | -3 | 72 | 68 |
17T | -2 | 畑岡奈紗 | -2 | 71 | 69 |
66T | +4 | 西村優菜 | -2 | 77 | 69 |
66T | +4 | 古江彩佳 | E | 75 | 71 |
83T | +5 | 西郷真央 | +4 | 72 | 75 |
93T | +6 | 笹生優花 | +2 | 75 | 73 |
93T | +6 | 高橋彩華 | +5 | 72 | 76 |
103T | +7 | 橋本美月 | +5 | 73 | 76 |
124T | +10 | 勝みなみ | +7 | 74 | 78 |
142T | +19 | 藤田さいき | +10 | 80 | 81 |
まず、率直な感想ですが、半分は予選を通って欲しかった。
特に西村さんと古江さんは1打差でしたし、西郷さんも可能性はありました。
しかし、それもゴルフですので、仕方ないところかもしれません。
山下美夢有 本人もびっくりの上位
2日目は、何と言っても山下美夢有さんの健闘が光りました。
―初めての海外メジャーで上位争い
嬉しいです。まさかこんなに上位で戦えるとは思っていませんでした。まずは予選通過を目標にプレーしていて、それをクリアできたので、あと残り2日間は楽しみながら上位で戦えたら良いと思っています。
―ボギーは2つだった
ボギーは打つだろうなという考えでした。どれだけ粘って、チャンスが来た時に獲れるかと切り替えてました。
―決勝ラウンドに向けて
風次第だと思うので、しっかり風と戦って、少しでも上位で戦えたら良いと思います。緊張はあまりしていないです。
渋野日向子 耐えたゴルフで決勝進出
初日に比べて、特にショットが左右にぶれました。
それでも、凌いでまずは予選通過は良かったと思います。
2022 AIG全英女子オープン3日目のペアリングとスタート時間
さて、決勝ラウンドに入ります。ペアリングとスタート時間がこちら。
日本勢部分をピックアップします。
14:10(現地時間)22:10(日本時間)
堀琴音、レオナ・マグワイア14:20(現地時間)22:20(日本時間)
畑岡奈紗、ギャビー・ロペス15:05(現地時間)23:05(日本時間)
ステファニー・キリアコウ、渋野日向子15:25(現地時間)23:25(日本時間)
ハンナ・グリーン、山下美夢有
2022 AIG全英女子オープン3日目の結果
大会は3日目、スコアが動くムービングサタデーです。
上位の2選手に、何とも派手な動きがあり、3日目を終わっての上位です。
全体がこちら。
3日目のスコアを見てわかる通りですが、上位2人のホールバイホール。
17番までは、完璧と言うか、神がかったようなホールバイホールです。
対して、4日間大会で4月以来の予選通過を果たした渋野日向子さん。
こちらも、6バーディー、1ボギーの66は大変立派なスコアです。
この2人が突出して伸ばした3日目でした。
また、コースの難易度としては、14番、15番、18番が突出して難しい。
ここを凌ぐのが必要で、14番は半数がボギーを叩く中、ブハイ、渋野日向子の2選手のみがバーディーでした。
期待してしまう2019年再来の渋野日向子
思えば、世界中のゴルフファンが認識した、スマイリングシンデレラ。
当然、今回も、大会公式でも、そう伝えられています。
Here comes the Smiling Cinderella 🙂
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— AIG Women’s Open (@AIGWomensOpen) August 6, 2022
2019年の興奮を思い出すなと言う方が無理な注文です。
-きのうスコアを落とした中で、どう切り替えた?
きのう落としたことに対してマイナスなイメージがなくて、すごく切り替えてできたし、きのうも良かったところもありますし、そんなに何かを変えたっていうのはない。
-あしたに向けて
風と友達になれたら。最後1日はすごく楽しみたいけど、今までやってきたことを発揮できるようにしたい。
2019年当時、誰にも説明できなかったような旋風は無いかもしれません。
しかし、風は確実に、リアルにもしぶこさんにも吹いています。
2020年のロイヤルトゥルーンでは、全く歯が立たなかったリンクスの風です。
事実、3日目もアゲインストだった、115ヤードのパー3は、6番アイアンで打ちました。
3日目も健闘の山下美夢有
常に強風が吹く中、山下さんらしいプレーで上位に踏みとどまりました。
「リンクスは攻め方が(日本と)全然違っているので、それが楽しい。自分で考えてイメージして、打って、毎ホール楽しい感じで回れています」と、どう風に対応するかに頭を使うことがおもしろい。風が強まるほど集中力も高まっていった。
風の質は違いますが、アース・モンダミンカップも凄い強風だったのです。
今、思えば、良い予行演習だったと思います。
最終日も、体力、集中力とも高く望んで欲しいです。
2022 AIG全英女子オープン最終日のペアリングとスタート時間
さて、今大会も最終日です。ペアリングはこちら。
日本人選手関連をピックアップします。
13:00(現地時間)21:00(日本時間)
堀琴音、エミリー・ペデルセン13:55(現地時間)21:55(日本時間)
畑岡奈紗、レオナ・マグワイア15:20(現地時間)23:20(日本時間)
山下美夢有、ミンジー・リー15:50(現地時間)23:50(日本時間)
渋野日向子、アシュリー・ブハイ
そうです、この最終組のペアリングは、あの2019年と同じです。
当時は、渋野日向子さんが単独首位でのスタートでした。
今回は立場が逆で、差も大きいですが、私からのエールは同じです。
2019年3日目終了時に書いた記事。
結果がどうあれ、攻めて良しでしょう。そう思いません?
2022 AIG全英女子オープンの最終結果
2022年の全英女子オープンが終わりました。最終の上位陣。全体がこちら。
渋野日向子さん、終わって見れば、首位と1打差の3位。
優勝は、-10で並んだ2人が4ホールに渡るプレーオフで、ブハイ選手が初優勝です。
最終日らしい波乱に満ちた展開でしたが、とりあえず、選手のみなさんお疲れさまでした。
悔しさと嬉しさの渋野日向子
最終的に優勝までは届かなかった渋野日向子さんの胸中は、
―1打差でしたね
やり切ったかなとは思うんですけど、すごく悔しいです。
―ミュアフィールドで戦えた
自信を持てるショットが多々あったし、悔しい内容もあったが、この難しい素敵なコースでこういう結果を出せて、悔しさもありながらうれしさもあります。
試合展開の中では、こうなります。ホールバイホール。
まずは、前半からショットは攻めていったこと。
スコア的には、「結果として」14番のダブルボギーが痛いのですが、これは、あり得るトラブル。
フェアウェイバンカーに入れてしまったので、仕方ない面もあります。
最終的に1打差でしたが、これは、ブハイ選手が同様に15番でトリプルボギーを打ったからでもあります。
明らかに16番からギアチェンジをして伸ばしに行ったが届かなかったです。
それよりも、前半で珍しくパッティングのショートからの3パットが目立ったのが悔しいところです。
さりとて、ここ数か月の内容を見ると、ミュアフィールドで頑張ってくれました。
まだまだこれからもメジャー挑戦の機会はあります。
ファンをハラハラ、ドキドキさせてくれるプレーに期待したいと思います。
日本勢の最終順位
渋野日向子さん以外、決勝に残った3選手の最終順位です。
畑岡奈紗さんは、最終日に伸ばして、7位にまで上げました。
山下美夢有さんは、13位。
堀琴音さんは、15位でした。
選手の皆さん、お疲れさまでした。
史上初、200年以上の歴史を持つ、ミュアフィールドで初めての女子大会。
それぞれに、全力を出してくれたと思います。
コメント
シブコさんと畑岡さんはともかくとして、山下さんの13位と堀さんの15位は凄くないですか?
来年の出場権(15位Tまで?)獲得ですよね。
凄いとは言えないかもしれませんが、コジンヨンさえ予選落ちする試合で、TOP20に入ったことは、事実なので、成果はあったと思います。ただし、来年の出場権は、全英の場合、TOP10までだったと思います。
テレビ朝日のアナウンサーは来年の出場権は10位までと言ってましたが間違いで15Tだと思いますよ。
そうなんですね。全米女子オープンとかは15位だったと記憶もしていました。
USGAとR&Aでは基準が違うのだと思いましたが、来年の出場権が獲得できれば良かったですね。