女子ゴルフツアー コースセッティングに思うこと

2020年の女子ゴルフJLPGAツアーは、三菱電機レディスで10戦が終了しました。
この10戦を振り返ると、最も難易度が高かったのが、三菱電機レディスだと思います。
硬くて速く、傾斜のあるグリーン。芝目の立ったラフ。2ケタアンダーは2選手に留まりました。

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半年前から準備されたセッティング

もちろん、ツアーの大きなセッティング変更は1年以上前から変わるものもあります。
・・・バンカーを新設するとか、木を伐採するとかですね。
今回、半年前から目標設定された1つが、グリーンコンディション。
トーナメントディレクターは戸張捷さんが務めたのですが、目標設定が高かった。
コンパンクションが25、スティンプが12フィート。
スティンプの12フィートは、年間を通してみると、いくつかあり得ます。
しかし、コンパンクションの25は、相当に硬く、選手にとっては厳しいセッティングです。

武蔵丘GCの特徴

武蔵丘GCは私も10年ほど前にプレーをしたことがあります。
ティーショットの風景などは、あまりプレッシャーを感じません。
ただし、2打目のほとんどが、左足下がりのライになること、
グリーンがほぼ砲台なので、傍から見る以上に難易度が高いのです。
それでも通常営業ではコンパンクションは20以下が多く、速さも9フィート前後です。

今回のセッティングの結果

武蔵丘GCの特徴とも相まって、コンパンクション25は相当に硬かったです。
加えて、砲台グリーンの周囲の芝は全部刈り込まれていた。
となると、グリーンへの着弾点からして、相当な精度が要求されるわけです。
もちろん、短い番手でスピンを効かせることができれば有利。
逆算すれば、ティーショットのフェアウェイキープもカギとなります。
結果として、2ケタアンダーは、優勝した西村優菜さんと、2位の勝みなみさんの2人。
他の選手は、ひとケタアンンダーにとどまったのですが、頷ける結果です。

2人ともナイスプレー!

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JLPGAツアーセッティングの試金石

今回のグリーンセッティングは半年前から準備されたということです。
逆算すると、目標が設定されたのは4月ということになります。
女子ツアーは、開幕戦から中止が続いていた時期で、再開のめども立たなかった時期です。
世の中は、コロナ禍による緊急事態宣言で、外出もままならなかった。
そんな中で、このセッティングを着々と準備を重ねていたことには敬意を表します。

今後のツアーセッティングに臨むこと

今回のセッティングはタフでしたが、レベルの高いプレーを選手に要求した。
しかし、世界基準で考えると、これが標準とも言えます。
最近はバーディー合戦となる試合も多く、セッティングもそうなっていることも多い。
もちろん、バーディー合戦の試合はあっても良いと思います。
ある意味、「突き抜ける爆発力」というのも必要だからです。

一方で、メジャーをはじめとする、ここぞという試合は厳しくしてほしい。
そういったセッティングのメリハリが、選手のレベルアップ、世界基準につながると思います。

しかし、今回、2ケタアンダーを出した2選手は本当に素晴らしいプレーだと思います。

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