女子ゴルフ 日米選手の飛距離比較

女子ゴルフ、日米での飛距離、ドライビングディスタンスの比較です。TOTOジャパンクラシックでの計測と、ツアー全体における数値を見てみました。飛距離の絶対値はUSLPGA選手が勝りますが、必ずしもその数値がスコアメイクと連動はしていない点が日米とも見てとれます。

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2022TOTOジャパンクラシックでのドライビングディスタンス

2022TOTOジャパンクラシックは、日米の主力選手が、同じ会場で戦う舞台。
日米のプレイヤーでのドライバー飛距離を同じ条件で比較するには良い機会でした。
この大会は天候も穏やかでこの種の計測比較をするには、まずまずの好条件だったと言えます。
では、その結果を見てみましょう。

RANKPLAYER4H16HAverage
1笹生 優花280.00261.50270.75
2マリア・ファッシ276.50263.75270.13
3リン・グラント272.50261.50267.00
4ポーリーヌ・ルサン279.75247.50263.63
5渡邉 彩香268.25257.75263.00
6パティ・タバタナキト271.75253.75262.75
7ナンナ・マジソン273.75251.00262.38
8勝 みなみ267.50253.75260.63
9エンジェル・イン267.00254.00260.50
10アリヤ・ジュタヌガーン273.00244.50258.75
11チェ ヘジン267.00248.25257.63
12ヤーリミ・ノー265.75248.25257.00
13アルバン・ヴァレンズエラ262.00251.50256.75
14畑岡 奈紗263.50249.75256.63
15C.シガンダ263.00249.50256.25
16佐藤 心結264.25247.50255.88
17ダニエラ・ダルケア265.00246.50255.75
18パジャレー・アナナルカルン263.75247.25255.50
19岩井 千怜258.50252.50255.50
20マチルダ・キャストレン263.75245.50254.63
21ミンジー・リー263.75245.50254.63
22アタヤ・ティティクル266.75242.25254.50
23アリソン・リー266.25242.75254.50
24リリア・ヴ259.50246.25252.88
25ステファニー・メドウ262.75241.25252.00
26野澤 真央256.75244.75250.75
27藤田 さいき259.75241.00250.38
28エスター・ヘンセライト259.50240.50250.00
29ケリー・タン262.50237.25249.88
30シュ ウェイリン260.50238.75249.63
31稲見 萌寧260.25238.50249.38
32セキ ユウティン258.75238.25248.50
33佐久間 朱莉258.75238.00248.38
34モリヤ・ジュタヌガーン260.25236.50248.38
35上田 桃子257.00239.50248.25
36イ ミニョン262.25234.25248.25
37ソフィア・シューベルト259.00236.25247.63
38イ ジョンウン6258.50236.25247.38
39吉田 優利258.50235.00246.75
40ジェニー・シン255.00237.75246.38
41植竹 希望258.00234.50246.25
42アン・ナリン263.00229.00246.00
43ステファニー・キリアコウ259.00233.00246.00
44西郷 真央254.00237.75245.88
45小祝 さくら251.75239.25245.50
46ペ ソンウ253.25237.75245.50
47全 美貞258.00232.50245.25
48渋野 日向子252.00236.75244.38
49ジェマ・ドライバーグ249.25238.25243.75
50エマ・タリー254.50232.00243.25
51三ヶ島 かな255.75228.50242.13
52古江 彩佳254.50229.25241.88
53森田 遥246.75236.75241.75
54ポーナノン・ファトラム251.00232.50241.75
55永井 花奈253.50229.25241.38
56ウィチャネ・メーチャイ252.50229.50241.00
57山下 美夢有254.00227.75240.88
58菅沼 菜々247.75234.00240.88
59アンナ・ノードクイスト250.00230.75240.38
60鈴木 愛257.00223.50240.25
61後藤 未有248.00231.00239.50
62木村 彩子248.75229.75239.25
63サイ ペイイン248.00230.25239.13
64黄 アルム245.50230.50238.00
65ささき しょうこ247.00228.25237.63
66菊地 絵理香250.75224.25237.50
67申 ジエ247.50226.75237.13
68福田 真未247.25225.00236.13
69ミナ・ハリガエ246.00225.75235.88
70マリナ・アレックス238.75231.00234.88
71西村 優菜237.25231.25234.25
72リンジー・ウィーバー・ライト243.00222.00232.50
73高橋 彩華233.25228.25230.75
74堀 琴音230.25225.50227.88
75チェラ・チョイ228.75222.75225.75
76大里 桃子233.50208.25220.88
77青木 瀬令奈223.00211.50217.25

おおよその傾向としては、この大会では、日米選手ともツアー平均に近い数値が出ています。
もう少し詳しく見てみましょう。

アメリカ女子USLPGAドライビングディスタンス上位

この大会までの、USLPGAにおける上位選手を見てみます。
ツアーでの上位10選手とTOTOでの飛距離10傑に入った選手です。
※リン・グラント選手はツアー参戦数が少ないためランキング対象外。

RANKNAMECOUNTRYAVERAGE
1 Maria FassiMexico279.15
2 Bianca PagdangananPhilippines277.59
3 Brooke MatthewsUnited States275.28
4 Yuka SasoJapan274.80
5 A Lim KimRepublic of Korea274.71
6 Emily Kristine PedersenDenmark274.50
7 Madelene SagstromSweden272.79
8 Lexi ThompsonUnited States272.50
9 Nanna Koerstz MadsenDenmark272.49
10 Pauline RoussinFrance272.23
13 Patty TavatanakitThailand271.03
24 Angel YinUnited States267.34
65 Ariya JutanugarnThailand258.65

アリヤ・ジュタヌガーン選手のツアーにおけるランキングが低いのが目をひきますが、これは彼女がツアーでの計測ホールでドライバーを使っていない可能性を示唆しています。

いずれにしても、TOTOでのドライビングディスタンスとは、一定の相関関係があります。

日本人選手のドライビングディスタンス

それでは、現時点の国内女子ツアーの上位を見てみます。

順位氏名平均飛距離計測数
1穴井 詩256.94167
2葭葉 ルミ255.00148
3原 英莉花253.41150
4テレサ・ルー252.06134
5勝 みなみ251.93161
6岩井 明愛250.34108
7山路 晶249.86120
8藤田 さいき248.61150
9佐藤 心結248.28169
10渡邉 彩香247.55144

上位10選手のうち、TOTOに出場できたのは、勝みなみ、藤田さいき、佐藤心結、渡邉彩香の4選手でした。

特に勝みなみ、渡邉彩香の両選手は、TOTOでも飛距離上位10人に入りましたので、その飛ばしっぷりが世界基準であることを証明しています。

別角度からも見てみます。
TOTOでの上位10選手と、ツアー全体での数値と順位です。
※それぞれが所属するツアーでのスタッツで記載。

RANKPLAYERTOTOTOURTOUR RANK
1笹生 優花270.75274.804
2マリア・ファッシ270.13279.151
3リン・グラント267.00267.30
4ポーリーヌ・ルサン263.63272.2310
5渡邉 彩香263.00247.5510
6パティ・タバタナキト262.75271.0313
7ナンナ・マジソン262.38272.499
8勝 みなみ260.63251.935
9エンジェル・イン260.50267.3424
10アリヤ・ジュタヌガーン258.75258.6565

もう1つ、別の角度から、TOTOでのディスタンスとツアーでのディスタンス。
USLPGAを主戦場とする日本人4選手の数値です。

TOUR RANKNAMEAVERAGETOTOTOTO RANK
4笹生優花274.80270.751
34畑岡奈紗264.93256.6314
78渋野日向子257.79244.3848
130古江彩佳249.29241.8852

飛ばし屋、笹生優花さんは、ツアーでの実績と同様、TOTOでも飛距離を活かし、ドライビングディスタンス賞を獲得。
その他3選手も、ツアーの順位、数値に相応の数値です。
1大会のみのデータですが、3選手の数値を見てみると、アメリカツアー全体における数値が、約10ヤード多いことがわかります。
これは、気候やコースのコンディションによる部分も大きいかと推測されます。

日米での飛距離差とスコアメイク

このようなデータから、日米ツアーでは、飛距離の差はコンディションで10ヤードほど、アメリカツアーの方が同じ選手でも出やすい。

それを勘案すると、アメリカツアーにおける選手の飛距離アドバンテージは、平均的な国内選手に比べて、約10ヤードから20ヤード。

ですから、世界で戦おうと考えた場合、国内ツアーにおいて、飛距離250ヤードが1つの目安になると言えます。

そして、これは日米ツアー双方に言えますが、飛距離がスコアメイクにつながる、絶対的なアドバンテージとも言えません。

もちろん、ティーショットで飛距離が稼げれば、2打目以降は短い番手で狙うことができます。ただし、例えば20ヤード違って、持つ番手が2つ違っても、それは精度でカバーできる面があります。

実際、古江彩佳さんは、ドライビングディスタンスは130位ですが、予選突破率は高く、そのショット、パッティングの精度を活かし優勝もしています。

折しも2023年シーズンからは、勝みなみ、西村優菜の両選手が米ツアーに挑戦します。
いずれにしても、スコアメイクは総合力なので、勝さんはその飛距離を、西村さんはその精度を武器に戦える可能性が高いと言えます。

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