女子ゴルフ、2022年シーズンの出場資格を懸けたQT、クォリファイングトーナメントが11月30日から4日間、静岡県の葛城ゴルフ倶楽部宇刈コースで開催。シード権、主催者推薦に次ぐ出場資格で、ツアープロにとっては運命の戦いです。
ファイナルQTで目指す順位
今回のQT順位に拠り、出場優先権が決定します。出場優先順位は以下の通りです。
2:ステップアップツアー賞金ランキング上位2選手
3:主催者推薦
4:QT順位
2022シーズンのシード選手は、賞金ランキングまたはメルセデスランキング上位50名だったので、合計52選手になりました。
これに加え、第1回リランキングまでは、前半戦出場権のある、淺井咲希、河本結、ささきしょうこ、林菜乃子、鶴岡果恋、リハナ、小野祐夢の各選手は、大会に出場できます。
標準的な大会で言えば、出場人数は108名。
上記で出場が確定している、59人に主催者推薦選手(16名目安)が加わります。
そのため、上位33位くらいが、フル出場できる目安となります。
※シード選手の欠場などにより、出場可能なQTランキングは繰り下がっていきます。
これより下位の順位だった場合、ステップアップツアーへの出場資格権利となります。
2021年JLPGA QTの概要
クォリファイングトーナメント(QT)は、翌年度のJLPGAツアーおよびJLPGAステップ・アップ・ツアーの出場資格を決定するためのトーナメントです。JLPGAツアーにおける第1回目のリランキングまでは、クォリファイングトーナメントの順位により出場資格が決定します。
2021年ファイナルQT出場資格
Final STAGE
①2020-21年のJLPGAツアーのシード選手で、翌年度のシード権を獲得できなかった者
②2021年JLPGAツアー「大王製紙エリエールレディスオープン」競技終了時点のJLPGA賞金ランキング56位から70位の者(臨時登録者、TP単年登録者は含まない。)
③2020-21年トーナメント特別保障制度適用者で、翌年度のシード権を獲得できなかった者
④2020-21年ステップ・アップ・ツアー各競技の優勝者(臨時登録者、TP単年登録者は含まない。)
⑤2020-21年ステップ・アップ・ツアー賞金ランキング3位から10位の者(臨時登録者、TP単年登録者は含まない。)
⑥2020年度JLPGA最終プロテスト(延期日程)第1位の者
⑦2021年度JLPGA最終プロテスト第1位の者
⑧ファーストステージからの進出者
⑨上記以外でJLPGAが承認した者
※②⑤は、いかなる場合においても繰り下げは行わない。
※②④⑤の臨時登録者、TP単年登録者で、2020年および2021年度の最終プロテストに合格した者は含むものとする。
2021年ファイナルQT出場選手とペアリング
ファイナルステージの出場選手は、96名。ファーストステージの通過選手が60名です。
逆に言えば、36選手がファイナルステージからの出場となります。
初日のペアリングがこちら。以下が出場選手とカテゴリーです。
2021年シード権喪失選手カテゴリー
福田真未、吉本ひかる、ペヒギョン、新垣比菜、葭葉ルミ、永井花奈、脇元華、黄アルム、篠原まりあ、松田鈴英、成田美寿々、大城さつき、エイミー・コガ、S.ランクン
以上14名
賞金ランキング56位から70位カテゴリー
宮田成華、蛭田みな美、石川明日香、山城奈々、セキユウティン、安田祐香
以上6名
ステップ・アップ・ツアー優勝者
沖せいら、石川怜奈、城間絵梨、竹山佳林、佐藤靖子、川満陽香理、岸部桃子、フォンスーミン、服部真夕、鈴木麻綾、岩井千怜、岩井明愛、後藤未有、山本景子、佐久間朱莉
以上15名
※2020-21年ステップ・アップ・ツアー賞金ランキング3位から10位の者は上記と重複。
2020年度JLPGA最終プロテスト(延期日程)第1位
佐久間朱莉(ステップアップツアー優勝者と重複)
2021年度JLPGA最終プロテスト第1位
尾関彩美悠
ファーストステージA地区通過選手
高久みなみ、山本薫里、工藤優海、酒井千絵、工藤遥加、井上りこ、石井理緒、岩橋里衣、佐々木慶子、照山亜寿美、金宮みかど、阿部未悠、安田彩乃、下川めぐみ、村田理沙、佐久間綾女、常文恵、青山加織、内田ことこ、橋添穂
ファーストステージB地区通過選手
フェービーヤオ、原江里菜、劉依一、小林由枝、横峯さくら、川岸史果、木戸愛、上野菜々子、福山恵梨、浜崎未来、藤本麻子、佐藤心結、高木萌衣、星野杏奈、O.サタヤ、川﨑春花、宅島美香、新真菜弥、藤田かれん、松森彩夏
ファーストステージC地区通過選手
天本遥香、木下彩、田中瑞希、坂下莉翔子、永嶋花音、東浩子、小滝水音、小倉彩愛、桑木志帆、西木裕紀子、廣田真優、大出瑞月、金田久美子、新武瑠衣、豊永志帆、吉本ここね、吉川桃、藤田 光里、竹内美雪、一ノ瀬 優希
ファイナルQT初日の結果
QT初日の上位陣、全体がこちら。
シード喪失のため、ファイナルQTにまわったエイミーが首位発進です。
しかし、試合並みの接戦です。
首位が-6なのですが、-1が30位タイになって、ここまでで45人います。
初日の結果を見る限り、実績組と新人組が拮抗しているように見えます。
この内容であれば、上位に入っていくには、バーディーを獲っていくことが求められると思います。
Round1が終了し、エイミー・コガが6アンダーで単独トップ🏌️♀️
1 (-6)エイミーコガ
2T(-5)髙久みなみ フェービー・ヤオ 石井理緒
5T(-4)福田真未ほか本日の成績はこちら👇https://t.co/fvdUdC6hJS#JLPGA#gettysport<Ken Ishii/Getty Images> pic.twitter.com/atm1fm2EG9
— JLPGA_official (@JLPGA_official) November 30, 2021
ファイナルQT2日目の結果
悪天候の予報があった2日目。上位陣のスコアと顔ぶれが変わりました。
全体のスコアがこちらです。
初日に上位だった、高久みなみ、フェービーヤオ、横峯さくらといった選手が崩して後退。
全体的に実績組が我慢のゴルフで、順位を上げてきた印象です。
新人では、永嶋花音、小倉彩愛の両選手が11位タイと最上位で頑張っています。
ファイナルQT3日目の結果
3日目の注目は、下位にいた実力者が伸ばしてきたことでしょうか?
上位陣は以下の通りですが、こちらの全体を見てください。
例えばルーキーの桑木志帆さんが、65を出して、一気に順位を17位に上げています。
その桑木さん、驚きのセッティングに出ましたね。
「前2日間、パッティングの調子が悪い。きょうは、48度を抜いて、パター2本バッグへ入れました」
エースパターはオデッセイ。サブが今、JLPGAツアーで話題のトラスである。ちなみに、大活躍したのは、エースだった。「きのうまで、ちょっと打ち切れなかったけど、きょうはしっかりストロークできた。あまりに調子がいいから、サブのトラスは使っていません。でも、お守りとしてすごく心強かったです」と言葉が弾む。そして、「最終日も、パターを2本で行きます」と宣言した。
ルーキーで言えば、永嶋花音さんが3日間安定のプレーで9位タイが最上位。
その他、上位陣には実績組が目立ちますが、何せ、明日は最終日で、どのプロも勝負をかけてきます。
首位は、-7ですが、QTで必要なのは、何しろ30位以内をめどに上位に入ること。
3日目を終わって、イーブンパーが23位タイ、+1が30位タイです。
QTは順位付けなので、明日の終了時には、タイは無く、厳密に順位がついてきます。
ファイナルQT最終日の結果
ファイナルQTも最終日となり、全ての結果が出そろいました。
上位陣。ファイナル最終日の成績はこちら。最終日は上位陣が伸ばす展開となりました。
前日まで首位のベテラン、下川めぐみさんがトップ通過です。
ファイナルの最終日が終わりましたので、ランキングが確定しました。
ファイナルQT最終ランキング
確定した、ファイナルQTの最終上位です。30位程度であれば、前半戦の出場可能です。
ファイナルステージ、全てのランキングはこちらから。
Round4が終了し、下川めぐみがトップでフィニッシュ!ルーキーでは永嶋花音が5位にランクイン🏌️♀️
1(-9)下川めぐみ
2(-8)石川明日香
3(-6)川岸史果
4(-6)大出瑞月
5(-5)永嶋花音最終成績はこちら👇https://t.co/TGZwLf5lGy#JLPGA#gettysport<Ken Ishii/Getty Images> pic.twitter.com/upKJJBLn6Q
— JLPGA_official (@JLPGA_official) December 3, 2021
明暗が分かれた実績組
まずは、シードではなかったですが、横峯さくらさんが21位突破です。
横峯さくら(21位:0)
「タフな4日間が終わってひと安心。毎日安定したプレーができないのが課題です。最初にバーディーが取れて、きょうはパッティングに助けられた1日でした。トータルイーブンパー。今のよくない状態では、まずまずです。気持ちを切らすことなく最後までプレーできました」
一方で、上位通過ならなかった実績組もいます。シード権を失った出場選手のQT順位。
8位:福田真未、6位:黄アルム、16位:大城さつき、19位:新垣比菜、25位:葭葉ルミ、38位:吉本ひかる、41位:永井花奈、43位:エイミー・コガ、54位:成田美寿々、57位:篠原まりあ、63位:S.ランクン、79位:脇元華、74位:松田鈴英、88位:ペヒギョン
福田真未、黄アルム、大城さつき、新垣比菜、葭葉ルミ、ここまでは、前半戦出場権確定です。
38位:吉本ひかる、41位:永井花奈、43位:エイミー・コガ、このあたりが試合によってです。
54位:成田美寿々、57位:篠原まりあ、63位:S.ランクン、になると、アースモンダミンカップなど、出場ランキングが降りてくる試合には参戦が可能となると思います。
70位以下となると、ランキング的にはレギュラーツアーの出場は厳しいところです。
松田鈴英(74位:+9)
「(この4日間は)本当につらかったけど、しかたありません。ステップ・アップ・ツアーで、イチからがんばります」
健闘した新人選手
30位以内では、以下の選手が通過しています。
5位:永嶋花音、11位:佐藤心結、12位:小倉彩愛、13位:桑木志帆、14位:佐久間朱莉、17位:後藤未有、23位:阿部未悠、26位:内田ことこ、30位:上野菜々子
30位までには届きませんでしたが、32位の天本遥香さんも、ほぼフル参戦できると思います。
個人的な注目選手
個人的に応援し、注目した選手のうち、下記選手が上位通過でレギュラーツアーに参戦します。
9位:木下彩、20位:安田祐香、29位:高木萌衣
安田祐香さんについては、多くの女子ゴルフファンが期待するところだと思います。
ファイナルQTランキングによって出場できる試合
冒頭に書いた通りですが、30位以内であれば、第1回リランキングまでの、ほぼ全戦に出場できます。
また、上位選手やシード選手の出場によってになりますが、30位台の選手は、まずまず出場できます。
40位台以下になると、徐々に出場試合が限られ、60位台になると、数えるほどになります。
ランキング的に言えば、50位台以下は、ステップアップツアー中心の出場順位となります。
ファイナルに出場した選手は、96位までのランキングがついていますので、少なくともステップアップツアーには出場できます。
推薦によって出場できる権利
これは、まさしく「推薦」ですので、大会主催者によります。
かなり事前に推薦を受けられる場合もありますし、主催者推薦選考会、いわゆるマンデートーナメントを勝ち抜いて出場できることもあります。
しかし、推薦出場は年間で8試合までと決まっています。
そのため、ツアー前半戦で推薦出場し、成績を残せば、リランキングで上位進出も可能性があります。
近年の例で言えば、原英莉花さんや稲見萌寧さんのQT順位は100位以下でした。
彼女たちは、推薦出場の機会で成績を残し、リランキングをクリアし、シードまでたどり着きました。
推薦は未確定なので、何とも言えませんが、可能性は残されているとも言えます。
尚、ファーストステージで敗退した選手にもQTランキングがあります。
コメント
個人的には平井さん、山内さん、竹田さんがファーストステージで落ちちゃったのが残念ですが、全体的には順当なメンバーが揃いましたね。
でも、来シーズンのレギュラートーナメントに出られるのはこの中の半分弱の選手ですかぁ。
厳しいですねぇ。
確かに3人は残念でしたが、ステップから再出発ですかね。
新人選手もそれなりにファイナルまで行っていますから楽しみです。
やってる選手は大変以外の何者でもないと思いますけど。