【試算と結果】2023シード権に必要なメルセデスポイント

2022シーズンから、女子ゴルフのシード権はメルセデスポイントに一本化されました。従来の賞金シードとは違う、また、昨シーズンは20-21の統合シーズンであったこともあって、シード権獲得ラインが見えづらくなっています。試算を行ないましたので、参考指標の1つとしていただければと思います。

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2023年シード権には何ポイント必要か?

まず、気になる結果の数値ですが、ざっくりと試算の結果、495.61ポイントとなりました。
あくまでも私独自の試算であって、正解値ではありません。
前提となったのは、2021年、単年度のメルセデスポイント。
昨シーズンは、20-21統合シーズンで、52試合が行われました。
その中から、2020年に実施された、14試合分のポイントを減算します。
そこから導き出されたのが、2021年単年のメルセデスポイントです。
試算の基準として、この単年度のメルセデスポイントをベースにしました。
独自集計ですが、単純にポイントのみだと、2021年単年の50位は457.19ポイントでした。

2023年シード必要ポイント試算の前提条件

2021年と2022年を単純比較すると、試合におけるメルセデスポイントの配分が違います。
基本は、3日間大会、4日間大会、国内メジャー、海外メジャーの4パターンです。
各々の優勝ポイントは、200、300、400、800となっています。
当然、順位が繰り下がることで、付与されるポイント数は少なくなります。
2021年は国内38試合で、年間合計、64718.75ポイントでした。
2022年は4日間大会が増えたこともあり、年間合計で、66081.25ポイントとなります。
※上記は70位にまでポイントが付与された前提数値です。

要は、この総ポイント数の取り合いということになります。
また、試算を単純化するため、海外での獲得ポイントは考慮せず、プラスアルファとしています。
厳密に言えば、最終戦はシード権に関係しませんが、試算では計上しています。

ポイント占有率を基本とした試算

今回の試算では、「ポイント占有」の考え方を基本にしました。
つまり、年間合計66081.25ポイントの何パーセントを獲得するかという考えです。
2021年シーズンでの試算では、上位50人で、ポイント合計の占有率は79%となりました。
加えて言えば、50位選手のポイント占有率は0.71%だったのですが、ここばかりはデータが単年度しかありません。
そのため、シード権獲得に必要な占有ポイントを0.75%と仮に基準値として設定しました。
つまり、合計66081.25ポイントの0.75%が495.61ポイントになる訳です。

2022シーズン シード権争いの現在地

それでは、具体的に第25戦、ニトリレディス終了時のデータで見ていきましょう。

順位氏名ポイントGAPポイント国内みなし占有率海外
1山下 美夢有1,932.811,437.201,800.812.73%132.00
2西郷 真央1,860.201,364.591,554.002.35%306.20
3稲見 萌寧1,819.001,323.391,819.002.75%0.00
4西村 優菜1,526.331,030.721,418.332.15%108.00
5勝 みなみ1,207.60711.991,207.601.83%0.00
6小祝 さくら1,207.07711.461,133.071.71%74.00
7青木 瀬令奈1,121.66626.051,121.661.70%0.00
8堀 琴音1,103.92608.31991.921.50%112.00
9吉田 優利1,063.87568.261,063.871.61%0.00
10高橋 彩華915.70420.09915.701.39%0.00
11藤田 さいき884.01388.40884.011.34%0.00
12菅沼 菜々836.69341.08836.691.27%0.00
13植竹 希望807.15311.54807.151.22%0.00
14上田 桃子796.02300.41796.021.20%0.00
15黄 アルム719.15223.54719.151.09%0.00
16菊地 絵理香695.94200.33695.941.05%0.00
17岩井 千怜690.95195.34690.951.05%0.00
18森田 遥615.52119.91615.520.93%0.00
19ペ ソンウ606.80111.19606.800.92%0.00
20渋野 日向子595.0099.390.000.00%595.00
21木村 彩子587.9492.33587.940.89%0.00
22渡邉 彩香557.3061.69557.300.84%0.00
23イ ミニョン549.5853.97549.580.83%0.00
24全 美貞533.1937.58533.190.81%0.00
25大里 桃子504.098.48504.090.76%0.00
26サイ ペイイン496.160.55496.160.75%0.00
27野澤 真央487.72-7.89487.720.74%0.00
28申 ジエ484.34-11.27484.340.73%0.00
29金澤 志奈450.68-44.93450.680.68%0.00
30三ヶ島 かな435.77-59.84435.770.66%0.00
31佐藤 心結420.85-74.76420.850.64%0.00
32ささき しょうこ417.04-78.57417.040.63%0.00
33鈴木 愛413.79-81.82413.790.63%0.00
34福田 真未412.28-83.33412.280.62%0.00
35後藤 未有409.65-85.96409.650.62%0.00
36佐久間 朱莉408.39-87.22408.390.62%0.00
37永井 花奈386.15-109.46386.150.58%0.00
38笠 りつ子379.43-116.18379.430.57%0.00
39岸部 桃子371.51-124.10371.510.56%0.00
40穴井 詩354.00-141.61354.000.54%0.00
41阿部 未悠338.24-157.37338.240.51%0.00
42葭葉 ルミ334.19-161.42334.190.51%0.00
43桑木 志帆332.81-162.80332.810.50%0.00
44小倉 彩愛327.03-168.58327.030.49%0.00
45テレサ・ルー324.06-171.55324.060.49%0.00
46原 英莉花323.82-171.79323.820.49%0.00
47岡山 絵里314.29-181.32314.290.48%0.00
48石川 明日香299.80-195.81299.800.45%0.00
49永峰 咲希292.73-202.88292.730.44%0.00
50有村 智恵288.62-206.99288.620.44%0.00

上記の表の説明ですが、まず、ポイント数は実数です。
オリジナルの数値が、「みなし占有率」と「GAPポイント」です。

書いてきた通りに、年間総ポイントの0.75%を獲得すれば、シード圏内としています。
この考えに基づくと、26位のサイペイインさんまでは、既にこの数値を上回っています。
ですから、試算基準値、495.61に対してGAPポイントがプラスとなり、26位までは2023年のシード確定圏内。
逆に言えば、27位以下の選手は、マイナスとなっていて、GAPポイントがあります。
つまりこれが、大王製紙エリエールレディスまでに、今後獲得したいポイント目安と見ることができます。

ニトリレディス終了時で、シード権に関わる残り試合数は12です。
12試合で、どのようにGAPポイントを稼いでいくかが、シード権獲得の目安となります。
もちろん、優勝すれば、国内メジャーで400、4日間大会で300、3日間大会で200ポイントです。
目安としてですが、10位と考えた場合、国内メジャーでは82ポイント、4日間大会では61.5ポイント、3日間大会では41ポイントの獲得となります。

参考記事

2022 女子ゴルフ メルセデスランキングとポイント制
2022年のシーズンから女子ゴルフの指標が、賞金獲得額からポイント制を基本としたメルセデスランキングに完全移行されます。20-21シーズンは併用の移行期間だったのですが、ポイント制で何が変わるのか、試合毎のポイント配分テーブル、配分方法を解説しています。
メルセデス・ランキングの詳細|JLPGA|日本女子プロゴルフ協会
一般社団法人日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)の公式サイトです。

試算のまとめと想い

今回2023年シード権獲得に必要と思われるポイントの試算をしました。
そして、分かりやすくするために、実際のポイントやランキングも出しました。
しかし、これは、あくまで、「1つの試算」です。
試算基準ポイントとした、495.61が上下することも十分にあり得ます。
例えば、昨年と同様レベルであれば、470ポイント程度となるので、ブレもあり得ます。

当然、今後の試合で誰が勝つか、上位に来るかでもポイントは変わります。
極端な例で言えば、現状の上位選手が軒並み優勝や上位を独占すれば、下位選手のポイントは下がります。
逆もまた然りで、今回の表の圏外からでも、優勝者が出ると一気にランキングは変わります。
順位というのは相対的なものなので、そのような宿命でもあります。

こうした状況を鑑みた上で、素晴らしい戦いを今後の女子ツアーに望むべく、1つの指標として試算をした次第です。

2023シード権確定のメルセデスポイント

第46週、第37戦のエリエールレディスの結果をもって、シード権が確定しました。
最終日、最後までの戦いとなりましたが最終結果です。

順位氏名ポイント優勝回数獲得賞金試合数
1山下 美夢有3,041.28pt4¥205,020,96732
2西郷 真央2,254.83pt5¥129,579,60724
3稲見 萌寧2,172.19pt2¥138,582,08737
4西村 優菜1,972.45pt2¥142,978,59529
5勝 みなみ1,867.00pt2¥118,776,67533
6吉田 優利1,859.14pt0¥108,264,95936
7小祝 さくら1,762.76pt2¥107,654,10336
8菅沼 菜々1,426.59pt0¥85,682,64932
9堀 琴音1,341.42pt1¥72,114,29233
10藤田 さいき1,312.61pt1¥77,598,58631
11青木 瀬令奈1,216.86pt1¥70,335,49937
12上田 桃子1,201.04pt1¥79,957,94327
13高橋 彩華1,101.16pt1¥69,510,59634
14川﨑 春花1,041.56pt2¥91,458,00020
15菊地 絵理香1,022.95pt1¥64,182,26333
16申 ジエ977.76pt0¥61,760,67223
17岩井 千怜935.65pt2¥53,794,55527
18森田 遥934.58pt0¥60,255,55931
19植竹 希望857.82pt1¥55,223,23133
20ペ ソンウ847.34pt0¥44,098,03930
21黄 アルム841.44pt0¥53,264,36229
22永井 花奈822.13pt0¥73,717,82434
23鈴木 愛808.31pt0¥45,168,31130
24三ヶ島 かな777.93pt0¥41,770,43533
25イ ミニョン761.39pt1¥46,059,25429
26木村 彩子760.17pt1¥76,910,17832
27佐藤 心結731.71pt0¥49,871,50737
28野澤 真央720.36pt0¥39,473,80336
29佐久間 朱莉689.59pt0¥36,488,77837
30大里 桃子689.09pt0¥38,432,02937
31原 英莉花662.29pt0¥36,207,04632
32渋野 日向子639.39pt0¥2,421,3813
33全 美貞637.59pt0¥35,042,95333
34福田 真未631.24pt0¥32,449,88031
35セキ ユウティン628.91pt1¥45,641,89625
36後藤 未有620.01pt0¥37,441,31136
37渡邉 彩香617.95pt1¥48,546,94032
38ささき しょうこ611.47pt0¥53,715,41635
39岸部 桃子603.44pt0¥33,765,20032
40岩井 明愛576.97pt0¥32,961,50025
41尾関 彩美悠546.54pt1¥37,545,72525
42サイ ペイイン545.31pt1¥34,849,19133
43笠 りつ子540.72pt0¥35,465,97534
44阿部 未悠522.92pt0¥30,515,91635
45川岸 史果520.19pt0¥35,273,70036
46テレサ・ルー508.80pt0¥27,657,78428
47金田 久美子482.83pt1¥32,945,42824
48穴井 詩480.70pt0¥26,887,03336
49金澤 志奈472.24pt0¥23,536,21132
50小倉 彩愛458.32pt0¥29,526,99936

特に金澤志奈さん、小倉彩愛さんは、エリエールレディスを予選落ち。
決勝の2日間は落ち着かない時間だったと思いますが、51位以下選手の追撃は及ばず、シード権が確定しました。

その差は、わずか3.11ポイント差。例えば4日間大会で言えば、予選落ちだった試合を最下位近辺で通過しても獲得できるポイントです。

試算と結果の分析

夏の時点で試算を行ないましたが、概ね、近い数値になったかと思います。

試算の時点で、安全圏が495.61ポイント、昨年並みのペースだと470ポイント、昨年同様の下振れペースだと457.19ポイントとなっていました。結果として、下振れポイントのラインで決着がついたということになります。

今季は最終戦近くで、既にランキングの上位選手が、多くのポイントを積み重ね、大逆転劇は起こりませんでしたが、例えば、リハナさんは64位から一気に54位までジャンプアップし、QT受験組から前半戦シード順位まで上げました。

来季もメルセデスランキングを基にした戦いは続きます。
2023年のスケジュールと大会毎のポイントは12月に発表される予定ですが、今回の試算が1つの試金石になったと思います。

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メルセデス・ランキング|JLPGA|日本女子プロゴルフ協会
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