渋野日向子、ペソンウの両選手が首位に並んでスタートした、樋口久子三菱電機レディスの最終日。実力者同士の戦いは濃密でめまぐるしく順位も入れ替わりました。最終18番ホールでのドラマ。そしてプレーオフは歴史に残るようなスーパーイーグルを奪取した渋野日向子さん戦いの記録です。
大会の見どころはこちらで事前に書いていました。
高速グリーンの難しいセッティング
この試合のグリーンは、今季1番の仕上がりと言って良い素晴らしいコンディションでした。
(天候:曇り時々雨 気温:13.5℃ 風速:1.0m/s)
《グリーン=スティンプ:12 1/2フィート コンパクション:23mm》
ほぼ、メジャー大会並みの仕上がり。このため、伸ばし合いということにはなりません。
渋野日向子さんが、1番、2番の連続バーディーで先行しましたが、中盤は互角の勝負だったと思います。
勝負のゆくえはプレーオフへ
フロントナインを終えて、ペソンウさんの1打差リードでバックナインです。
15番でボギーとしたしぶこさんは、16番でバウンスバックのバーディー。
しかし、17番でペソンウさんは、バーディーとし、2打差で最終の18番へ向かいます。
18番パー5、優勝争いをしている選手であれば、ボギーは期待できない。
となると、しぶこさんにとっては、イーグル奪取が必須。
ドライバーを振り切って、7番ウッドで2オンに成功させましたが、イーグルはならず。
しかし、グリーン手前エッジまで2打で運んだペソンウさんが、3パットで、まさかのボギー。
決着はプレーオフへと持ち込まれました。
渋野日向子さんのホールバイホール。
対するペソンウさんのホールバイホール。
決して派手なスコアカードでは無いですが、濃密な内容でした。
そして、迎えたプレーオフの第2打で、スーパーショットが生まれます。
3番ウッドで放った1打は、飛距離、弾道ともに文句なし。
それがグリーン左サイド、ガードバンカー横の受けた斜面に着弾。
キックした球は絶妙に勢いと方向性が出て、3mのイーグルチャンスにつきました。
これを入れた渋野日向子さん。技も一流、運も一流、まさにプロという1打でした。
「紙一重の結果。打球が少し左ならバンカーだったし、ピン左のあのポジションへオンさせるショットは、一生打てないかもしれない」。アドレナリン全開の正念場になると、スーパープレーを披露する。しかも、イーグルで決めた-圧巻の内容が自身の目指す-おもしろいゴルフ。
「ギャラリーの皆さんが、ハラハラドキドキする。そういう状況で優勝。おもしろい勝ち方ができて、本当にうれしい。きょうは、足を運んでくだった皆さま、テレビの前で応援してくださった皆さまの前で、今年の2勝目をあげることができました。ありがとうございます」と話した。
#樋口久子三菱電機レディス🏆#FinalRound#渋野日向子 が #ペソンウ とのプレーオフを制し、今シーズン2度目の優勝✨🏆✨
🏆(-9)#渋野日向子
2 (-9)#ペソンウ
3T(-6)#菅沼菜々 #古江彩佳最終成績はこちら👇https://t.co/49mM8Jv3KG#JLPGA#gettysport<Atsushi Tomura/Getty Images> pic.twitter.com/coZXI9O6Di
— JLPGA_official (@JLPGA_official) October 31, 2021
渋野日向子優勝を取り上げたメディア記事
2019年、シンデレラのように世界の舞台を駆け上がった渋野日向子さん。
さらに高みを目指したスイング改造には、批判の声も少なからずありました。
しかし、スタンレーで勝ち、この試合でも勝ち切った。
応援していたファンには、たまらない内容だったと思います。
アメリカツアーから帰国したときに語っていた目標が、世界一面白いゴルファー。
そうです。上手い、強いだけでなく、それ以上のものを与えてくれるのが渋野日向子なのです。
当然のことながら応援するファンも多いことを物語る数字。
今大会は生放送やインターネット中継はありませんでした。
多くの人は、結果を知ってから、地上波の録画放送を見たことになります。
視聴率12%超えは、ゴルフ中継では、非常に高い数値です。
渋野日向子のトレーニングと使用ギア
渋野日向子さんのスイング改造を可能にしたのは、そのトレーニングでもあります。
ワイドスタンスからのスイングはトップの位置が低い。
当然、再現性には有利ですが、飛距離面では有利とは言えません。
それを可能にしたのが、トレーニングです。
陸上競技経験者だったご両親のDNAを受け継ぎ、努力を重ねた賜物です。
渋野日向子さんのクラブセッティングに関しては、アメリカツアー転戦を経験し、ウェッジ4本体制という変則的なもので戦っています。
これに関しては、ジュニア時代の過去から、最新の情報まで、別記事で書いています。
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