女子ゴルフ 獲得賞金とメルセデスランキング比較

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2022年から国内女子ゴルフの評価指標は、メルセデスポイントによるメルセデスランキングに一本化されました。それでは、昨シーズンまでの獲得賞金によるランキングとの違いはあるのでしょうか?ニトリレディス終了時で両者を比較して見ます。

尚、ニトリレディス終了時でのメルセデスランキングとシード権獲得に必要なポイント試算については、以下の記事で書いています。

【試算と結果】2023シード権に必要なメルセデスポイント
2022シーズンから、女子ゴルフのシード権はメルセデスポイントに一本化されました。従来の賞金シードとは違う、また、昨シーズンは20-21の統合シーズンであったこともあって、2023年のシード権獲得ラインが見えづらくなっています。試算を行ないましたので、参考指標の1つとしていただければと思います。

女子ゴルフ 2022中盤での賞金ランキング

それでは、昨年までの主な指標だった賞金ランキングを見てみます。
※第25戦のニトリレディス終了時です。※海外での獲得賞金除く。

順位 氏名 獲得賞金 試合数 優勝 占有率 賞金占有
累計
1 山下 美夢有 ¥124,818,666 20 2 4.44% 4.44%
2 稲見 萌寧 ¥114,623,833 25 2 4.08% 8.52%
3 西村 優菜 ¥102,689,769 18 2 3.65% 12.18%
4 西郷 真央 ¥100,798,000 13 5 3.59% 15.76%
5 勝 みなみ ¥69,926,333 23 1 2.49% 18.25%
6 木村 彩子 ¥67,126,125 21 1 2.39% 20.64%
7 小祝 さくら ¥65,729,875 24 1 2.34% 22.98%
8 青木 瀬令奈 ¥63,578,785 25 1 2.26% 25.24%
9 高橋 彩華 ¥57,545,451 23 1 2.05% 27.29%
10 堀 琴音 ¥57,151,743 22 1 2.03% 29.32%
11 吉田 優利 ¥55,463,951 24 0 1.97% 31.30%
12 藤田 さいき ¥51,350,000 21 0 1.83% 33.12%
13 上田 桃子 ¥50,768,500 17 1 1.81% 34.93%
14 植竹 希望 ¥50,591,624 22 1 1.80% 36.73%
15 菊地 絵理香 ¥45,841,285 22 1 1.63% 38.36%
16 黄 アルム ¥45,636,750 20 0 1.62% 39.99%
17 渡邉 彩香 ¥43,229,666 21 1 1.54% 41.53%
18 菅沼 菜々 ¥41,947,458 20 0 1.49% 43.02%
19 岩井 千怜 ¥40,831,666 15 2 1.45% 44.47%
20 ささき しょうこ ¥37,725,000 24 0 1.34% 45.81%
21 森田 遥 ¥36,888,356 22 0 1.31% 47.13%
22 イ ミニョン ¥32,721,700 19 1 1.16% 48.29%
23 サイ ペイイン ¥31,094,000 24 1 1.11% 49.40%
24 ペ ソンウ ¥30,725,428 19 0 1.09% 50.49%
25 永井 花奈 ¥28,438,166 23 0 1.01% 51.50%
26 全 美貞 ¥26,998,404 23 0 0.96% 52.46%
27 笠 りつ子 ¥25,858,833 23 0 0.92% 53.38%
28 申 ジエ ¥25,800,428 14 0 0.92% 54.30%
29 野澤 真央 ¥24,747,000 24 0 0.88% 55.18%
30 大里 桃子 ¥24,043,285 25 0 0.86% 56.04%
31 三ヶ島 かな ¥23,926,125 21 0 0.85% 56.89%
32 鈴木 愛 ¥23,624,000 19 0 0.84% 57.73%
33 後藤 未有 ¥22,140,000 25 0 0.79% 58.52%
34 小倉 彩愛 ¥21,802,333 25 0 0.78% 59.29%
35 福田 真未 ¥21,178,166 20 0 0.75% 60.05%
36 金澤 志奈 ¥21,036,511 23 0 0.75% 60.80%
37 佐藤 心結 ¥20,197,618 25 0 0.72% 61.52%
38 葭葉 ルミ ¥19,588,200 25 0 0.70% 62.21%
39 佐久間 朱莉 ¥18,946,500 25 0 0.67% 62.89%
40 阿部 未悠 ¥18,798,583 25 0 0.67% 63.56%
41 穴井 詩 ¥18,787,391 25 0 0.67% 64.22%
42 永峰 咲希 ¥18,655,285 23 0 0.66% 64.89%
43 原 英莉花 ¥18,601,571 22 0 0.66% 65.55%
44 岸部 桃子 ¥18,477,200 22 0 0.66% 66.21%
45 有村 智恵 ¥18,342,833 19 0 0.65% 66.86%
46 テレサ・ルー ¥18,277,142 18 0 0.65% 67.51%
47 桑木 志帆 ¥18,017,250 25 0 0.64% 68.15%
48 石川 明日香 ¥17,000,750 23 0 0.61% 68.76%
49 川岸 史果 ¥16,929,000 25 0 0.60% 69.36%
50 岡山 絵里 ¥16,711,118 24 0 0.59% 69.95%

2022獲得賞金ランキングから見えてくるもの

第25戦終了時ですが、抑えておきたいポイントがいくつかあります。

上位50選手で全体の約70%を獲得

ランキングと言えば、どうしても順位が気になります。
一方で、マクロ的にまず見たい側面は、全体における個々の獲得率です。
上記の表では、「占有率」と表記しています。

第1位の山下美夢有さんは、既に、¥12,481,8666を獲得。
以下、獲得賞金を見ると、上位4選手が既に1億円を超えています。
また、10位の堀琴音さんまでで、全体の約3割を占めていることが分かります。
ニトリレディス終了時のツアー全体の賞金総額は、¥2,810,000,000円です。
そして、上位50選手で賞金総額の約70%を占めていることが分かります。

また、ここでは表にしませんが、1千万円以上の獲得は73選手です。
ツアー転戦には、非常に費用がかかります。
エントリーフィー、プレーフィー、キャディーフィー、宿泊費、交通費などですね。
それら経費は獲得賞金如何にかかわらず発生します。
予選落ちをした場合、収入はゼロですから、まるまるの赤字になります。
そう考えると、見る分には活況ですが、非常に激しい競争なのが良く分かります。

女子ゴルフ 2022中盤でのメルセデスランキング

それでは、2022年の指標である、メルセデスランキングを見てみましょう。
※上位50位までで、第25戦のニトリレディス終了時です。
※海外の獲得ポイントは表示していませんが、総ポイントから国内ポイントを引いたものです。

順位 氏名 ポイント 国内 試合数 占有率 ポイント
占有累計
1 山下 美夢有 1,932.81 1,800.81 20 4.13% 4.13%
2 西郷 真央 1,860.20 1,554.00 13 3.56% 7.69%
3 稲見 萌寧 1,819.00 1,819.00 25 4.17% 11.87%
4 西村 優菜 1,526.33 1,418.33 18 3.25% 15.12%
5 勝 みなみ 1,207.60 1,207.60 23 2.77% 17.89%
6 小祝 さくら 1,207.07 1,133.07 24 2.60% 20.49%
7 青木 瀬令奈 1,121.66 1,121.66 25 2.57% 23.06%
8 堀 琴音 1,103.92 991.92 22 2.28% 25.34%
9 吉田 優利 1,063.87 1,063.87 24 2.44% 27.78%
10 高橋 彩華 915.70 915.70 23 2.10% 29.88%
11 藤田 さいき 884.01 884.01 21 2.03% 31.90%
12 菅沼 菜々 836.69 836.69 20 1.92% 33.82%
13 植竹 希望 807.15 807.15 22 1.85% 35.67%
14 上田 桃子 796.02 796.02 17 1.83% 37.50%
15 黄 アルム 719.15 719.15 20 1.65% 39.15%
16 菊地 絵理香 695.94 695.94 22 1.60% 40.75%
17 岩井 千怜 690.95 690.95 15 1.58% 42.33%
18 森田 遥 615.52 615.52 22 1.41% 43.74%
19 ペ ソンウ 606.80 606.80 19 1.39% 45.13%
20 渋野 日向子 595.00 0.00 1 0.00% 45.13%
21 木村 彩子 587.94 587.94 21 1.35% 46.48%
22 渡邉 彩香 557.30 557.30 21 1.28% 47.76%
23 イ ミニョン 549.58 549.58 19 1.26% 49.02%
24 全 美貞 533.19 533.19 23 1.22% 50.24%
25 大里 桃子 504.09 504.09 25 1.16% 51.40%
26 サイ ペイイン 496.16 496.16 24 1.14% 52.54%
27 野澤 真央 487.72 487.72 24 1.12% 53.66%
28 申 ジエ 484.34 484.34 14 1.11% 54.77%
29 金澤 志奈 450.68 450.68 23 1.03% 55.80%
30 三ヶ島 かな 435.77 435.77 21 1.00% 56.80%
31 佐藤 心結 420.85 420.85 25 0.97% 57.77%
32 ささき しょうこ 417.04 417.04 24 0.96% 58.72%
33 鈴木 愛 413.79 413.79 19 0.95% 59.67%
34 福田 真未 412.28 412.28 20 0.95% 60.62%
35 後藤 未有 409.65 409.65 25 0.94% 61.56%
36 佐久間 朱莉 408.39 408.39 25 0.94% 62.49%
37 永井 花奈 386.15 386.15 23 0.89% 63.38%
38 笠 りつ子 379.43 379.43 23 0.87% 64.25%
39 岸部 桃子 371.51 371.51 22 0.85% 65.10%
40 穴井 詩 354.00 354.00 25 0.81% 65.91%
41 阿部 未悠 338.24 338.24 25 0.78% 66.69%
42 葭葉 ルミ 334.19 334.19 25 0.77% 67.46%
43 桑木 志帆 332.81 332.81 25 0.76% 68.22%
44 小倉 彩愛 327.03 327.03 25 0.75% 68.97%
45 テレサ・ルー 324.06 324.06 18 0.74% 69.71%
46 原 英莉花 323.82 323.82 22 0.74% 70.45%
47 岡山 絵里 314.29 314.29 24 0.72% 71.18%
48 石川 明日香 299.80 299.80 23 0.69% 71.86%
49 永峰 咲希 292.73 292.73 23 0.67% 72.53%
50 有村 智恵 288.62 288.62 19 0.66% 73.20%

こちらも獲得賞金と同様に、上位順に並べ、占有率を見ています。
尚、占有率に関しては、第25戦のニトリレディス終了時までのみなし数値です。
こちらも、獲得賞金と同様に、上位50選手で70%になっています。
そういった意味では、獲得賞金とメルセデスランキングは、総じて近いとも言えます。

賞金ランキングとメルセデスランキングの違い

それでは、相違点について、少し詳しく見ていきましょう。

大会賞金額による偏りが公平化

これは具体例を挙げると分かりやすいと思います。
国内で最も賞金総額が高い大会は、アース・モンダミンカップです。
ここで勝った木村彩子さんは、優勝賞金、¥54,000,000を獲得しました。
そのため、賞金ランキングとしては、暫定ですが、6位となっています。

一方で、ルーキーながら初優勝と2週連続優勝を飾った岩井千怜さん。
ですが、優勝賞金は各々、¥14,400,000と¥10,800,000。
2勝分を合計しても、¥25,200,000なので、木村彩子さんの1勝分の半額にも満たない額です。
そのため、賞金ランキングでは、19位となっています。

アース・モンダミンカップで勝つのが、低額賞金大会の優勝2勝分の半分に満たないかと言われると、それは違う気がします。

メルセデスランキングで見ると、岩井千怜さんが17位、木村彩子さんが21位です。
つまり、2勝分の評価としては、感覚的にも正しいと感じます。

海外メジャー参戦に追い風

これは導入当初から言われてきた面でもありますが、数値にも出ています。
西郷真央さんの数字を見てみましょう。

西郷さんは序盤で圧倒的な強さを発揮し、5勝を挙げました。
しかし、ニトリレディス終了時点での国内参戦数は13にとどまっています。
約半数しか出ていないことになりますが、メルセデスランキングは2位です。
これは、国内のポイント、1,554.00に海外の306.20が加わったため。
300ポイントと言うと、国内4日間大会1勝分のポイントに匹敵します。
西郷さんは6月の全米女子オープンから8月の全英女子オープンまで4大会のメジャーに出場。
エビアン選手権では3位という上位成績も残し、ポイントも経験も得たと思います。

2022後半戦と2023に向けて

2022年シーズンも後半戦に入りました。
今季から導入されている、メルセデスポイント及びランキングへの一本化は良い方向に機能していると思えます。
そして、この数値が関わってくるのは、まずは後半にある、特定の試合です。
ランキングにより、TOTOジャパンクラシックと、最終戦リコーカップの出場選手が決まります。

そして、2023年度のシード権は、大王製紙エリエールレディス終了時に決まります。
私の独自試算によると、シード権獲得目安は、500ポイントです。
それぞれの選手の活躍に期待したいと思います。

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