2022 JLPGA 新人賞への道 前半戦

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2022年シーズンもルーキーイヤーから活躍する女子プロゴルファーが複数名います。思い起こせば、昨年、2020-21シーズンは、古江彩佳さんが新人賞と最優秀選手賞を同時受賞しました。2022年シーズン、ルーキーの活躍を追いかけ、新人賞への足跡を記録していきます。

2022 新人賞対象選手

昨年プロ入りした新人が対象となるのですが、2020年はコロナ禍でプロテストが延期。
そのため、2021年には、2020年度と2021年度のプロテストが行われました。
2020年度プロテスト合格者が93期生、2021年度プロテスト合格者が94期生になります。
ここでは、93期生と94期生から、最も活躍した選手の足跡を追っていきます。

2020年度プロテスト合格者は、以下の22選手です。※五十音順。

阿部未悠、岩井明愛、岩井千怜、植手桃子、上野菜々子、内田ことこ、奥山友梨、小倉彩愛、工藤優海、桑木志帆、後藤未有、佐久間朱莉、篠崎愛、橋添穂、浜崎未来、東風花、平井亜実、フォンスーミン、松本珠利、薮田梨花、山田彩歩、リハナ。

2021年度プロテスト合格者は、以下の21選手です。※五十音順。

新真菜弥、天本ハルカ、泉田琴菜、大林奈央、尾関彩美悠、川﨑春花、桑山紗月、小林夢果、櫻井心那、佐藤心結、須江唯加、髙久みなみ、竹田麗央、丹萌乃、永嶋花音、成澤祐美、仁井優花、藤田かれん、星野杏奈、宮澤美咲、村上瑞希。

2022シーズン 新人選手のQT成績

93期生、94期生問わず、2022シーズンへの出場権利を競ったのが、2021年末に行われたQTです。
新人でそれなりの人数がQTを上位で通過するようになったのは、本当にここ数年のことです。
潮目と言えば、黄金世代が一気に世に出た、2019年がきっかけとも言えます。
そんな潮流の中、2022年シーズンもQTを上位で通過するルーキーが複数出ました。

女子ゴルフ JLPGA 2021年度ファイナルQTの結果
女子ゴルフ、2022年シーズンの出場資格を懸けたQT、クォリファイングトーナメントが11月30日から4日間、静岡県の葛城ゴルフ倶楽部宇刈コースで開催。シード権、主催者推薦に次ぐ出場資格で、ツアープロにとっては運命の戦いです。そして12月3日、最終結果が出ました。

93期生、94期生で上位通過をし、2022シーズンをレギュラーツアー主戦場となったルーキーは、以下の通りです。

5位:永嶋花音、11位:佐藤心結、12位:小倉彩愛、13位:桑木志帆、14位:佐久間朱莉、17位:後藤未有、23位:阿部未悠、26位:内田ことこ、30位:上野菜々子、32位:天本ハルカ

その数は何と二けた、10名となりました。
また、ここに加えて、93期生の合格には、リハナさんがいます。
リハナさんは単年登録からプロテスト合格組ですが、2020-21シーズンは単年登録者としてステップアップツアーを戦い、賞金ランキング1位を獲得。
2022年のレギュラーツアー前半戦の出場権を獲得しています。
つまり、開幕時点で、11人のルーキープレイヤーがレギュラーツアーに登場となりました。

2022シーズン新人選手 前半戦振り返り

そして、開幕した2022シーズン。
QTで上位通過したルーキーのほとんどが、結果を出しています。
7月に第1回のリランキングがありましたが、永嶋花音さんを除き、後半戦の出場権を自力で確保しました。
加えて言えば、主催者推薦や主催者推薦選考会のチャンスでポイントを稼ぎ、後半戦の出場権を獲得した選手も出てきました。
1つの目安として、第1回リランキングにおける、ルーキーたちのリランキング順位、メルセデスポイントとメルセデスランキングを記載しておきます。※上位13選手。

リランキング順位 氏名 獲得ポイント 試合数 QT MR
4 佐久間 朱莉 354.82pt 19 14 26
6 後藤 未有 322.96pt 19 17 29
7 桑木 志帆 288.88pt 19 13 32
10 佐藤 心結 277.71pt 19 11 38
11 阿部 未悠 276.69pt 19 23 39
16 小倉 彩愛 231.42pt 19 12 51
19 天本 ハルカ 208.72pt 19 32 54
22 内田 ことこ 191.70pt 19 26 57
27 上野 菜々子 168.60pt 19 30 65
28 尾関 彩美悠 161.81pt 9 58 66
30 岩井 明愛 156.83pt 8 70 69
31 リ ハナ 152.81pt 19 71
33 岩井 千怜 136.95pt 9 90 73

ご覧になってわかる通り、QTを上位通過した選手に加え、尾関彩美悠、岩井明愛、岩井千怜の3選手が少ない出場機会で結果を出し、後半戦はレギュラーツアーを主戦場に戦います。
つまり、実質、13名による、「新人賞への道2022後半戦」が始まります。
もちろん、例えば推薦出場や予選会を突破してからのいきなり優勝など、サプライズもあるかもしれません。
その可能性も含めて、非常に楽しみな後半戦とも言えます。

2022シーズン前半戦 トップ5選手

シーズン前半戦を終わり、5選手がメルセデスランキング50位以内、いわゆるシード権獲得の圏内に入っています。

リランキング順位 氏名 獲得ポイント 試合数 QT MR
4 佐久間 朱莉 354.82pt 19 14 26
6 後藤 未有 322.96pt 19 17 29
7 桑木 志帆 288.88pt 19 13 32
10 佐藤 心結 277.71pt 19 11 38
11 阿部 未悠 276.69pt 19 23 39

もちろん、後半戦の活躍次第でもあり、ここでシード権云々は早計です。
しかし、前半戦を一区切りとして、上位5選手のハイライトと特徴を記載しておきます。

佐久間朱莉 リランキング4位 メルセデスランキング26位

2020年度のプロテストトップ合格でもあり、非常に注目度の高い選手でもあります。
ジャンボ尾崎氏のもとで、技術向上をはかっていることでも知られます。
前半戦は19試合に出場し、13試合で予選を通過。
最高順位は、ヤマハレディースオープン葛城の9位タイ。
スタッツとして秀逸なのは、以下のランキングです。

パーオン率 72.0238:5位
パーセーブ率 85.7143:21位
ドライビングディスタンス 243.07:22位
フェアウェイキープ率 70.5357:28位
トータルドライビング 50:4位
ボールストライキング 9:2位

明らかにショットメーカーとして戦っているのが分かりますね。

後藤未有 リランキング6位 メルセデスランキング29位

後藤さんは、昨年のステップアップツアーでもコンスタントな成績を残していました。
沖学園出身で、2000年度生まれの、いわゆるミレニアム世代です。
プロテストは2回目で合格なのですが、JGAナショナルチームメンバーとして、安田祐香、古江彩佳、西村優菜、吉田優利といったメンバーと共に戦ってきた仲です。
ですから、「同級生の活躍に比べるとまだまだ」と感じていると思います。
テンフィンガーグリップの使い手でもあります。

前半戦は19試合に出場し、10試合で予選を通過。
最高順位は、フジサンケイレディスの3位タイ。
成績の波もあるのですが、TOP10入りは既に4回です。
スタッツとして秀逸なのは、以下のランキングです。

フェアウェイキープ率 72.1289:19位
トータルドライビング 73:19位
平均パット数(1ラウンド当たり)29.1961:22位

佐久間さんほど突出したスタッツではありませんが、特別に要改善も少ない。
手持ちの技術を活かしながら、チャンスの試合で上位に食い込んでいた前半戦です。

桑木志帆 リランキング7位 メルセデスランキング32位

桑木さんは、そのプレーに比べて、メディアの注目が少ない選手だと思います。
まずは、昨年の新人戦、加賀電子カップに勝っています。
そして、何しろ、ショットメイキングと言う点では、新人の枠を超えて、プロの中でも秀逸です。

前半戦は19試合に出場し、14試合で予選を通過。
最高順位は、リゾートトラストレディスの4位。
スタッツとして秀逸なのは、以下のランキングです。

パーオン率 67.8161:24位
ドライビングディスタンス 246.55:10位
フェアウェイキープ率 71.0591:26位
トータルドライビング 36:2位
ボールストライキング 26:10位
平均バーディー数 3.1724:17位
バーディー数 184:12位

スタッツが示す通り、とにかくバーンと飛ばして、果敢にピンを攻めていく。
安全にセンターからなんてあまり考えていないので、見ていて気持ちの良いくらいです。
もちろん、引き換えにパーセーブ率が悪かったり、パッティングの技術向上に課題はあります。
それでも、あの攻めのゴルフは、ギャラリーとして付くと、非常に面白いと思います。

佐藤心結 リランキング10位 メルセデスランキング38位

大器の呼び声高くプロ入りした佐藤心結さんも、5月末から急浮上です。
大器の片りんを見せたのは、ご存知、2021年のスタンレーレディス。
細身に見える高校生のアマチュアが、渋野日向子さんとプレーオフで堂々と戦ったのですから、印象に残ります。
あのときはプロテスト二次の直前だったのですが、その後、無事にプロテスト合格からのQT上位通過です。
一見すると細く見える体は、バネの塊。
やってきた陸上競技の種目は、何と見かけによらない砲丸投げです。
あの豪快なスイングには納得させられますね。
辻梨恵さんらを指導する、三觜喜一コーチがジュニア時代から育成した、最後の弟子にもなります。

前半戦は19試合に出場し、11試合で予選を通過。
中身は苦労して、スタジオアリスからブリヂストンレディスまで7試合連続予選落ちです。
最高順位は、ニチレイレディスで優勝争いの末5位。インパクトに残る活躍です。
スタッツとして秀逸なのは、以下のランキングです。

ドライビングディスタンス 246.54:11位
トータルドライビング 71:16位
ボールストライキング 29:12位
パーオン率 69.4949:13位
平均パット数(パーオンホール)1.8064:25位
バーディー数 172:17位

佐藤さんのゴルフも分かりやすい。
飛ばして、ベタピンに寄せてバーディーを獲っていきます。
その分、リカバリー率などの課題はありますが、ひきかえに爆発力があるのが魅力です。

阿部未悠 リランキング11位 メルセデスランキング39位

阿部さんも取り上げられる頻度が少ないプレイヤーの一人だと思います。
2000年度生まれのミレニアム世代ですが、何せ同学年は周りが強すぎた。
2回目のプロテストで合格し、辻村明志コーチのもとで練習をする選手です。

前半戦は19試合に出場し、10試合で予選を通過。
波があるのですが、最高順位は、リゾートトラストレディスの5位タイ。
これを含め、3度のTOP10入りをしています。
スタッツとして秀逸なのは、以下のランキングです。

フェアウェイキープ率 72.4090:16位
トータルドライビング 67:14位
ボールストライキング 47:22位
パーオン率 66.7756:33位

いわゆる、丁寧にショットをつなげてスコアメイクをする選手です。
他の新人と比べると、バーディー奪取よりもパーセーブの優秀さが目立ちます。

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