ゴルフで上手い、下手というのには2つの意味があると思います。
1つは、スイングがきれいでショットが良いということ。
もう1つはスコアの良し悪しです。
良いスコアを出せる人とそうではない人で、実は、考え方に大きな違いがあります。
それは、100切り、シングル、プロテスト、ツアー優勝、全てのレベルで当てはまると思います。
スコアを作る基礎力とは?
初心者を除けば、ある程度のスイングはできていると思います。
スコアレベルで言えば、ざっくり、100切りレベル前後と思っていただければ。
つまり、空振りしないとか、見えないところに飛んでいくレベルを卒業した人です。
しかし、そのスイングレベルでも、実はスコアだと10打くらいは差が出てしまいます。
それは、なぜでしょう?
ゴルフはミスショットの連続で成り立っている
ゴルフでは、本当のナイスショットが出ることは、本当に少ないです。
アマチュアでは当たり前にナイスショットは出ないですし、トッププロでも実は同じ。
ただ、プロのレベルでは、アマチュアに比べ、ミスの幅が極端に少ないだけです。
アマチュアから見たらナイスショット、でも、プロ自身からすると、ミスという場合が多いです。
大切なのは、ゴルフはミスショットの連続でスコアが成り立っていると認識することです。
ミスショットに対する考え方
ミスショットでスコアを作っていくのがゴルフ。
大事なのは、ミスショットをコントロールすることです。
ミスショットのコントロールって?
ミスショットのコントロールって何ぞやという話ですよね。
これは、レベルによって違います。
100切りレベルのOKライン
例えば、100切りレベルの方であれば、ティーショットは次が打てるところにあればOK。
グリーンまで残り100ヤードでも、乗れば最高、周辺10ヤードにあればOK。
パッティングも2パットならば最高、時々3パットでもOKです。
つまり、常に最高を求めなくても大丈夫。
逆に、最高を求めすぎるのは、スコアメイクにとっては、危険と言えます。
全部のホールがボギーでも90。半分がダブルボギーだって99です。
つまり、1つもパーやバーディーが獲れなくても、100は切れる数字です。
どうしても、100が切れないと言う方、どこかで大叩きしていませんか?
ミスが1つであれば、大叩きは無いです。
連続してミスをしてしまうから、ビッグイニングを作ってしまうのです。
それは、スイングやショットと言うよりも、多くは冷静な判断が出来ていないことが原因です。
シングルになるためのOKライン
シングルになるにも、それほど、大きな差って、実は無いのです。
飛距離は、一般男性で言えば、平均230ヤードくらいのそこそこでOK。
最高飛距離が270ヤードで一発出ても、OBがたくさん出るようでは厳しい。
それから、ショートゲームは、そこそこ大事になります。
100ヤード以内であれば、精度は10%以内。
つまり、100ヤードの前後左右で10ヤードだったらOKです。
そうするとパッティングは、物凄く長いのは残らない。
そうなれば、基本は2パット、時々1パットというプレースタイルは出来上がります。
これで、普通のメンタルならば、80前後でラウンドできます。
つまり、シングルハンディキャップのゴルファーになれるのです。
コントロールすべきは2点
同じようなスイングやショットをする人で、何打もスコアが違うことってありますよね。
何が違うかと言えば、「欲」と「後悔」です。
欲とは、スコアいくつを出したいという願望です。
スコアは結果なのですから、直接、コントロール出来ることは、出来ません。
出来るのは、そのための準備と判断、プレーをすることです。
ショットやパッティングに臨む考え方
極端に言えば、頑張っても、頑張らなくても、スコアって変わらない。
つまり、「気合」でスコアは作れないのが、現実です。
ただし、目の前の1打に対する集中力は、大変、重要です。
そして、もう1つやっかいなのが、「後悔」
終わったショットを悔やんでも、全く意味はありません。やり直しはできないですから。
すべきことは、大ミスだった場合の、原因を特定すること。
これだけです。少しのミスはOKなのですから。
しかし、これが実は、大変、難しいのです。
スイングが悪かったと考えがちですが、実はそうではない場合も多い。
例えば、方向(アライメント)やポスチャー(姿勢)。
特に疲れてくると、ここが崩れてくる場合が多いです。
それを、スイングが違うからと考えた場合、症状と薬が合わないということになり、最悪パターンになってしまうのです。
どちらにしても、終わったことに、後悔する気持ちだけを引きずるのが一番良くないです。
もちろん、スコアは全く忘れることが大切です。
冷静な判断
上の考え方にも関連しますが、判断力は、極めて重要です。
例えば、残り150ヤードのラフからグリーンを狙う場合。
まずは、状況を見極めなければなりません。
傾斜、そして、ボールの埋まり具合、風、などなどですね。
次に、目標を決めます。
乗せるのを目標にするのか、外す場所を目標にするのか、ピンポジは?打ち上げ、打ち下ろしは?
そこで初めて、番手の選択になります。
ここでしていけないのは、残り距離からの単純計算で安直な目標設定をすることです。
何となく7番アイアンを持ってピンを狙うのが、一番良くない。
結果として、ベタピンに寄ることもあります。
しかし、それは、「運」です。
状況を判断すれば、6番や8番のアイアンを選択すべきかもしれませんし、極端に言えば、ウェッジで出すとか、ユーティリティーで転がしていくという選択だって十分にあるのです。
ゴルフは単純な足し算、引き算だけで上手くはなりません。
総合的な判断力で、スコアを作るゲームです。
スコアを作れる人と作れない人の差
スコアメイクという言葉があります。
文字通りですが、スコアは作るものです。
上級者ほど、その考えが自然と出来ています。
繰り返しますが、ゴルフはミスショットの連続で成り立っているスポーツです。
トッププロであっても、同じです。
2021年のアースモンダミンカップで、圧倒的な精度でぶっちぎり優勝をした菊地絵理香さん。
彼女でさえ、自分を、「下手」と言いました。
つまり、ナイスショットを続けることは、理想ですけど、現実は出来ないということです。
しかし、彼女のプレーを見ていると、ミスの幅が極端に少なかった。
漫然とゴルフをしている人からすると、全部がナイスに見えたでしょう。
しかし、実際にプレーしているプレイヤーの感覚とは、そういったものなのです。
プロを目指すゴルファーの皆さんへ思うこと
一介のアマチュアが言うのも大変僭越なのですが、思うことを1点。
プロゴルファーを目指す選手とツアーで戦っているトッププロとの差は何か?
もちろん、精度は違いますし、最低限の飛距離は欲しい。しかし、
最終プロテストに挑むレベルで、もはや「下手」はいないのです。
では、どこで差がつくかと言えば、考え方です。
マネジメントを含めた判断力と言っても良いですし、ゴルフIQと言って良いかもしれません。
体格に恵まれない、西村優菜プロが桁外れに優れている点、それはゴルフIQです。
ちゃんと、自分の分析が客観的に出来ているし、対処方法も知っている。
オフスイングでの彼女はいつも笑顔です。
そして、ショットやパッテイングに入るときは、見事に切り替えができる。
そして、出来ることと、出来ないことの切り分けが見事に出来ている。
結果、自分が今すべきことに集中できることが、最大の能力です。
加えて卓越しているのが、1打で一喜一憂しない感情のコントロール。
彼女のプレーこそが、スコアメイクを、最も具現していると思います。
西村優菜さんより飛ぶ、プロ志望のゴルファーは山ほどいるのです。
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