ツアープロになるには?日米女子ゴルフ比較

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華やかなトップツアーで戦う女子プロゴルファー。現在、女性アスリートにとってはスポットも当たり、多額の賞金を稼ぐ可能性もあるという意味では憧れの職業であることは間違いがありませんが、ツアープロとなるには日米で道のりが違います。その違いを整理した記事です。

日本でツアープロとなるには?

日本国内でツアープロとなるには、以下の条件が必要となるので整理します。

1:JLPGAプロテストに合格し、JLPGAの正会員になる。
2:QTで上位に入る。

プロテストは1次、2次、最終プロテストと3段階に分かれています。

一部、実績を持った選手は、プロテストでも2次や最終から受験可能な条件もありますが、多くの場合は、1次から受験することになります。

また、プロテスト後に行われるQTは、シード権を獲得できなかったツアープロも参加する試合で、ここを上位(30位程度)で通過すれば、トップのJLPGAツアーで戦うことができます。

また、JLPGAプロテスト合格者の新規合格者は、QTの順位に関わらず、1年間は下部ステップアップツアーに出場することができます。

アメリカでツアープロになるには?

アメリカLPGAツアーでは、ツアー出場資格としては、プロテストがありません。
逆に言えば、日本で言うQT、アメリカではQスクールと呼ばれるものを突破していく必要があります。

Qスクールは、ファーストステージ、セカンドステージ、ファイナルステージの3段階となっており、ファイナルステージのみは、Qシリーズと言われます。
ファイナルステージにはシード権を獲得できなかったLPGAツアープロ、ロレックスランキング上位75位以内と世界で活躍している選手も出場し、賞金が出るのも特徴です。

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アメリカLPGAツアー Qスクール日程と結果
アメリカLPGAツアーに新規参戦するためには、Qスクール(日本で言うQT)を突破していく必要があります。日本で言うプロテストはありませんが、大変な長丁場。そして上位に入らなければツアー出場は限られる大変な狭き門です。2022年度、その日程と結果を追います。

日米女子ゴルフツアー参入の比較

このように微妙な違いがあるので、少し整理してみます。
いわゆるトップツアーで戦うには、どのような道筋が必要かです。

JLPGAツアーの場合

JLPGAプロテストに合格(1st、2nd、ファイナルを勝ち抜いた約20名)
QTで上位順位を獲得(1st、ファイナルの2ステージ)

つまり、5つの関門を突破していって、トップツアーに出場できるということになります。

アメリカLPGAツアーの場合

こちらは、予選会一本ですので、仕組みとしては3段階と簡明です。

予選会Qスクールを突破(1st、及び2nd)
最終予選会Qシリーズで上位順位を獲得

但し、アメリカの場合は、最終のQシリーズで、45位以内に入らなければ、ツアーメンバーの登録ができません。

ですから、日本で言うところのプロテストはありませんが、このQシリーズ45位以内というのが、ほぼ日本のプロテストに近い感覚となります。また最終予選会Qシリーズには、日本で言うところのファイナルQTの意味もあります。そのシーズンでシード権獲得ならなかった、81位から100位の選手、世界ランキング75位以内の選手もファイナルから出場するので、Qスクールを勝ち上がってきた選手も、既にツアー経験や実績のある選手と同じ土俵で戦い、これに勝ち上がっての45位以内ですので、かなり高難度とも言えます。

また、45位に入ったからと言って、試合への出場が保証されたものではありません。
トップツアーに出場するためには、最終予選会において、20位以内程度の順位での突破が必要です。

それ以下の順位となると、ウェイティングや各試合毎のマンデートーナメントを勝ち抜いて本戦の出場権を得る、または下部のエプソンツアーに出場していくことになります。

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アメリカUSLPGAツアーの出場資格と優先順位
アメリカの女子ゴルフ、USLPGAツアーの出場優先順位は、カテゴリー数も多く複雑です。最も分かりやすいのはシード権ですが、それ以外の出場資格、優先順位について整理してみました。また、日本で言うリランキングも、「リシャッフル」として、年間2回行われます。

日米女子ツアー出場への難易度

日米ツアーの違いは、単純な見た目では、プロテストの有無、クォリファイの回数と言えます。
日本の場合はプロテストが存在し、この合格が新規参入、QT受験には必須となりますが、アメリカの場合は、Qシリーズファイナル45位以内という最後の難関がありますので、アメリカの方が楽というものでもありません。

実質的には、アメリカの最終予選会(Qシリーズ)が日本で言う、プロテストとファイナルQTを兼ねたものと見ることができ、Qスクールのセカンドステージに比べ、一気に難易度が上がります。

そもそも世界ランキング75位以内といった資格が設けられている通り、既にツアープロとして実績がある、世界的なスターとして活躍できる可能性のある選手がUSLPGAツアーでは求められています。そのため、最終予選会と名前は付いていますが、賞金が出る仕組みとなっています。

JLPGAツアー出場への難易度(2022)

JLPGAプロテスト1次:557名受験 212名通過(3日間3ラウンド)
JLPGAプロテスト2次:299名受験 99名通過(4日間4ラウンド)
JLPGA最終プロテスト:100名受験 20名合格(4日間4ラウンド)

QTファースト:273名参加 ファイナルQT:96名(上位30人強はレギュラーツアーへ)

アメリカLPGAツアー出場への難易度(2022)

Qスクール1st:エントリー311名、通過131名(4日間4ラウンド)
Qスクール2nd:エントリー175名、通過50名(4日間4ラウンド)
QシリーズFinal:エントリー100名、通過46名(8日間8ラウンド)

※参考 勝みなみ:5位、西村優菜:24位タイ
※2023年度から、Qシリーズは、6ラウンドになる予定。

日米女子ゴルフツアー参入比較まとめ

日米での比較をしてみましたが、アメリカの場合は、日本に比較すると少数精鋭の戦いです。
考え方の違いもあるかとは思いますが、日本の場合は、最初から一歩ずつ上っていき最後の戦いまでたどり着くことをイメージしていることが多く、アメリカの場合は、最終のゴールに行けるかどうか、可能性から逆算して受験をしている傾向です。
そのため、アメリカの場合は、最終突破の可能性が薄い、厳しいと判断すれば、そもそも受験しないという考え方が見て取れます。

いずれにしても日米のトップツアーで戦う選手全ては、幼い頃から勝ち続けてきたエリート中のエリートであることは間違いありません。
さらにツアーで生き残っていくことは、引退するまで、勝ち続けなければならないことを意味していて、実に過酷な競争でもあります。

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