女子ゴルフ、JLPGAツアーの出場権はシーズン中に2回見直しがされます。特に第1回リランキングは、シーズン中盤戦以降の出場資格を得るために熾烈な争いとなります。その戦いの様子、順位変動を追いかける記事です。更新記事ですので、目次から最新情報へジャンプできます。
2023リランキングとは?
JLPGAにより、下記の通り制度が規定されています。
シーズンの途中(リランキング基準競技終了後)に、シード選手及び当該年度優勝者以外のTP登録者を、メルセデス・ランキング上位順に並び替え(並び替えたリストをリランキングリストという)、リランキング実施競技から、リランキングリストに基づき出場資格を付与する。
●2023年度実施時期
第1回目(予定)
基準競技:週番号第24週「ニチレイレディス」
実施競技:週番号第25週「アース・モンダミンカップ」第2回目(予定)
基準競技:週番号第38週「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンゴルフトーナメント」
実施競技:週番号第40週「スタンレーレディスホンダゴルフトーナメント」
●注意事項
※リランキング実施時、獲得ポイントが同じ場合の優先順位は次の通りとする。・JLPGAツアー規定第15条第1項第5号及び第6号該当者(本号内の優先順位は、前年度のメルセデス・ランキング上位順とする。)
・JLPGAツアー規定第15条第1項第7号該当者(本号内の優先順位は、前年度のステップ賞金ランキング上位順とする。)
・QTランキングリスト上位順
・生涯獲得賞金ランキング上位順
※リランキング後は、現地ウェイティングもリランキングリストの優先順位により行う。
つまり、シーズン途中でシード選手を除く出場資格を、昨年末QTの順位から今季前半戦の成績(メルセデスポイント)を基にランキングを見直すというものです。※昨年末QT順位のリセット
2022年との違いですが、第1回リランキングの時期が週番号第24週「ニチレイレディス」となりました。これは昨シーズンの、週番号第27週「ニッポンハムレディスクラシック」より3試合分前倒しとなったことになります。
これは、昨年末QTや前半戦出場権で出場している選手にとっては、3試合分先に結果を出さなければならない、逆に言えば、序盤の出場機会で結果を出した選手には、中盤戦以降の出場機会が増えるという面があります。
2023年度第1回リランキングの考え方
JLPGAツアーの試合は、各大会によって出場選手は若干異なります。基本的な大会は以下の通りです。※出場人数や枠数は各大会によって、若干異なります。
18名:主催者推薦選手
90名:協会選考選手(JLPGA枠)
20名:主催者推薦選手
100名:協会選考選手(JLPGA枠)
協会選考選手(JLPGA枠)の内、優先は永久シード、複数年シードを含むシード選手であり、それ以下が今回のリランキングによって出場優先となります。
仮にシード選手50名が108名出場の大会に参加と仮定すると、単純計算で、リランキング上位40名が出場の目安となります。
40位以下の選手は、シード選手の欠場などがあった場合に、順次繰り上がりで出場権が生まれます。
残り5戦でのリランキング状況
さて、ブリヂストンレディス開始前のタイミングですと、第1回リランキングまで残り5戦となっています。上位の成績をメルセデスランキングと合わせ、確認していきます。
RR 順位 | MR 順位 | 氏名 | 獲得 ポイント | 試合数 | QT |
1 | 18 | リ ハナ | 282.16pt | 11 | – |
2 | 23 | 櫻井 心那 | 266.55pt | 11 | – |
3 | 28 | 平岡 瑠依 | 206.01pt | 11 | 33 |
4 | 29 | 仁井 優花 | 206.00pt | 11 | 16 |
5 | 31 | 安田 祐香 | 200.58pt | 10 | – |
6 | 34 | 竹田 麗央 | 178.91pt | 11 | 22 |
7 | 35 | 比嘉 真美子 | 175.06pt | 7 | 82 |
8 | 36 | 脇元 華 | 172.40pt | 11 | 11 |
9 | 39 | 桑木 志帆 | 158.70pt | 11 | – |
10 | 41 | 仲宗根 澄香 | 150.25pt | 11 | 9 |
11 | 43 | 鶴瀬 華月 | 134.65pt | 11 | 13 |
12 | 44 | 葭葉 ルミ | 134.28pt | 11 | 6 |
13 | 45 | 荒川 怜郁 | 134.13pt | 10 | 4 |
14 | 47 | 蛭田 みな美 | 125.75pt | 11 | 29 |
15 | 49 | 笹生 優花 | 120.00pt | 1 | – |
16 | 50 | 浜崎 未来 | 119.73pt | 11 | 8 |
17 | 51 | 大出 瑞月 | 114.50pt | 11 | 21 |
18 | 55 | 天本 ハルカ | 103.86pt | 11 | 32 |
19 | 56 | 石井 理緒 | 103.55pt | 11 | 23 |
20 | 57 | 林 菜乃子 | 103.26pt | 9 | 39 |
21 | 59 | フェービー・ヤオ | 98.40pt | 10 | 3 |
22 | 60 | 宮澤 美咲 | 95.07pt | 11 | – |
23 | 63 | 新垣 比菜 | 83.60pt | 11 | 14 |
24 | 64 | 新海 美優 | 81.35pt | 8 | 25 |
25 | 66 | イ ナリ | 78.50pt | 8 | 37 |
26 | 67 | 安田 彩乃 | 76.79pt | 11 | 31 |
27 | 69 | 照山 亜寿美 | 68.90pt | 11 | 34 |
28 | 70 | 木戸 愛 | 66.30pt | 6 | 131 |
29 | 71 | 若林 舞衣子 | 65.43pt | 10 | 1 |
30 | 72 | 泉田 琴菜 | 63.78pt | 11 | 18 |
ここまでのトップは、昨年のメルセデスランキングで54位となり、第1回リランキングまでの出場権を手にしていたリハナさん。
記憶に新しいところでは、メジャー、ワールドレディスサロンパスカップで最終日最終組を経験し、自己最高の3位タイ。翌週のRKB×三井松島レディスでも7位タイに入り、大変好調な序盤です。
また、2位には、櫻井心那さんが入っています。
櫻井心那さんは、昨シーズンのステップアップツアー5勝、賞金ランキング1位の資格で、第1回リランキングまでの出場権で参戦しています。
昨年からそのポテンシャルは注目されていたところですが、直近出場5試合でTOP10が4度と、非常に好調な成績です。レギュラーツアーのセッティングにも慣れ、本来の力を出せている印象があります。
序盤、大きくランキングを伸ばしているのが、実績のある、比嘉真美子、木戸愛の両選手です。
昨シーズンは不調で、QTの順位も高くはなかったのですが、ここまで推薦出場などを上手く使い上位につけています。木戸さんはQTの順位が低かったので、出場機会は限られ、パナソニックオープンでの4位タイというポイントが効いています。一方でまだ安全圏ではないため、推薦などの出場を得て成績を残していくことが求められます。
また、2022年度プロテスト合格のルーキーに目を向けると、3位:平岡瑠依、11位:鶴瀬華月、13位:荒川怜郁の3選手がTOP30に入っています。
リランキングまでは残り5戦あり、順位は変動するのですが、例年のポイント獲得状況からして、現時点で120ポイントまでは既に当確ラインと言って良さそうです。
メルセデスポイントは、TOP5、TOP10といった上位に入ると一気に増加します。そのため、現在は圏外の選手でも、一気に入ってくることは可能です。
残り4戦でのリランキング状況
さて、ブリヂストンレディスは山下美夢有さんが圧勝をしました。
一方で、リランキング対象選手にとっては、優勝と何打差というより、順位(メルセデスポイント)が重要になります。ブリヂストンレディス終了後のランキング上位は以下の通りです。
RR 順位 | MR 順位 | 氏名 | 獲得 ポイント | 試合数 | QT |
1 | 20 | 櫻井 心那 | 289.05pt | 12 | – |
2 | 21 | リ ハナ | 287.58pt | 12 | – |
3 | 25 | 桑木 志帆 | 268.70pt | 12 | – |
4 | 28 | 竹田 麗央 | 242.66pt | 12 | 22 |
5 | 30 | 仁井 優花 | 220.00pt | 12 | 16 |
6 | 33 | 平岡 瑠依 | 211.43pt | 12 | 33 |
7 | 35 | 安田 祐香 | 209.37pt | 11 | – |
8 | 36 | 蛭田 みな美 | 204.50pt | 12 | 29 |
9 | 39 | 脇元 華 | 177.82pt | 12 | 11 |
10 | 40 | 比嘉 真美子 | 175.06pt | 7 | 82 |
11 | 44 | 仲宗根 澄香 | 150.25pt | 12 | 9 |
12 | 45 | 鶴瀬 華月 | 143.44pt | 12 | 13 |
13 | 46 | 葭葉 ルミ | 137.28pt | 12 | 6 |
14 | 47 | 荒川 怜郁 | 134.13pt | 10 | 4 |
15 | 49 | フェービー・ヤオ | 120.90pt | 11 | 3 |
16 | 50 | 笹生 優花 | 120.00pt | 1 | – |
17 | 51 | 浜崎 未来 | 119.73pt | 12 | 8 |
18 | 53 | 大出 瑞月 | 114.50pt | 12 | 21 |
19 | 55 | イ ナリ | 108.13pt | 9 | 37 |
20 | 58 | 泉田 琴菜 | 104.28pt | 12 | 18 |
21 | 59 | 天本 ハルカ | 103.86pt | 11 | 32 |
22 | 60 | 石井 理緒 | 103.55pt | 12 | 23 |
23 | 61 | 林 菜乃子 | 103.26pt | 10 | 39 |
24 | 62 | 内田 ことこ | 98.14pt | 12 | 27 |
25 | 63 | 新垣 比菜 | 97.60pt | 12 | 14 |
26 | 64 | 宮澤 美咲 | 97.55pt | 12 | – |
27 | 68 | 安田 彩乃 | 85.59pt | 12 | 31 |
28 | 69 | 新海 美優 | 81.35pt | 9 | 25 |
29 | 72 | 照山 亜寿美 | 68.90pt | 12 | 34 |
30 | 73 | 若林 舞衣子 | 68.73pt | 11 | 1 |
上位と言う意味では、ブリヂストンレディスで3位タイと自己ベストを出した桑木志帆さんが上がってきました。
一方で、厳しいニュースが入ってきました。ルーキーの荒川怜郁さんが足の怪我により、しばらくはツアー欠場となりそうです。しかし、これまでの獲得ポイントから第1回リランキングはクリアできると予想されます。1日も早い復帰を祈りたいですね。
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残り3戦でのリランキング状況
リゾートトラストレディスは、山下美夢有さんが2週連続優勝。いや、強いとしか言いようがない盤石の勝利でした。一方でリランキングまで残り3戦となったので、シード選手以外の資格で出場している選手には、そろそろプレッシャーがかかってくる時期です。リゾートトラストレディス終了後のリランキング順位は以下の通りです。
RR 順位 | MR 順位 | 氏名 | 獲得 ポイント | 試合数 | QT |
1 | 19 | 桑木 志帆 | 334.70pt | 13 | – |
2 | 23 | 櫻井 心那 | 291.38pt | 13 | – |
3 | 24 | リ ハナ | 287.58pt | 13 | – |
4 | 25 | 竹田 麗央 | 286.16pt | 13 | 22 |
5 | 31 | 平岡 瑠依 | 245.93pt | 13 | 33 |
6 | 33 | 仁井 優花 | 224.27pt | 13 | 16 |
7 | 35 | 安田 祐香 | 213.12pt | 12 | – |
8 | 37 | 蛭田 みな美 | 212.19pt | 13 | 29 |
9 | 40 | 脇元 華 | 185.50pt | 13 | 11 |
10 | 43 | 比嘉 真美子 | 175.06pt | 7 | 82 |
11 | 45 | 仲宗根 澄香 | 164.00pt | 13 | 9 |
12 | 47 | 葭葉 ルミ | 162.78pt | 13 | 6 |
13 | 48 | 鶴瀬 華月 | 143.44pt | 13 | 13 |
14 | 49 | 荒川 怜郁 | 134.13pt | 10 | 4 |
15 | 50 | イ ナリ | 133.63pt | 10 | 37 |
16 | 51 | 新垣 比菜 | 132.10pt | 13 | 14 |
17 | 53 | 大出 瑞月 | 128.25pt | 13 | 21 |
18 | 55 | フェービー・ヤオ | 120.90pt | 12 | 3 |
19 | 56 | 笹生 優花 | 120.00pt | 1 | – |
20 | 58 | 浜崎 未来 | 119.73pt | 13 | 8 |
21 | 59 | 内田 ことこ | 118.39pt | 13 | 27 |
22 | 61 | 天本 ハルカ | 111.55pt | 12 | 32 |
23 | 62 | 宮澤 美咲 | 111.30pt | 13 | – |
24 | 64 | 泉田 琴菜 | 109.68pt | 13 | 18 |
25 | 66 | 石井 理緒 | 103.55pt | 13 | 23 |
26 | 67 | 林 菜乃子 | 103.26pt | 11 | 39 |
27 | 69 | 安田 彩乃 | 93.27pt | 13 | 31 |
28 | 71 | 新海 美優 | 81.35pt | 10 | 25 |
29 | 72 | 若林 舞衣子 | 74.13pt | 12 | 1 |
30 | 75 | 上野 菜々子 | 70.60pt | 12 | – |
ブリヂストンレディスに続き、この試合も8位と健闘した桑木志帆さんが66ポイントを加算し、暫定でリランキング1位になりました。現時点での334.70ptは非常に大きくて、シード権は470pt前後と予想されますので、悔しくも昨年及ばなかったシード権には大きく前進するポイントです。
さて、この試合でのリランキング対象選手で桑木さんに次ぐ順位は、15位タイの竹田麗央さんと17位タイの新垣比菜さん、柏原明日架さん、平岡瑠依さん、奥山友梨さん。15位タイは43.50pt、17位タイは34.50ptの加算です。柏原明日架、奥山友梨の両選手にとってこのポイントは大きくて、暫定順位を各々33位、36位と上げています。
一方で、ここまで予選落ちが多く、リランキングクリアに黄色信号が出ている選手も数名いますので、まずは予選通過、そして上位進出でクリアを狙いたいところです。
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