いよいよ今週開催となりました。全英女子オープン。
正式名称は、Britishが無くなり、AIG Women’s Openなので、AIG女子オープンです。
ディフェンディングチャンピオンは、ご存知、渋野日向子さん。
スマイリングシンデレラは、瞬く間に世界中へと広がりました。
迎える2020年の大会、我々はもちろんAIGの期待も絶大です。
Monday at Royal Troon brought lots of rain and plenty of smiles from our defending Champion Hinako Shibuno #AIGWO #WorldClass pic.twitter.com/gs2VR1RCWb
— AIG Women’s Open (@AIGWomensOpen) August 17, 2020
もはや、この大会を象徴する選手として紹介されています。
「我々のディフェンディングチャンピオン、渋野日向子」ですから。
ツイートでも、ありますよ。We. Can’t. Wait. もう待ちきれん!です。
大会概要
大会名称:AIG Women’s Open(AIG女子オープン)
開催日:2020年8月20日~23日
開催コース:Royal Troon GC(ロイヤルトゥルーンGC)
賞金総額:450万ドル (優勝賞金:67.5万ドル)
大会公式サイトはこちらです。
出場選手と日本勢の参戦
事前にこちらの記事でも書きましたが、世界ランキング上位の韓国勢は不参加。
また、繰り上がりの出場権がまわってきた、日本人選手にも不参加がありました。
世界中で収束していないコロナ禍で、難しい選択の中だからだと思います。
そんな中、日本勢は7名が出場となります。
渋野日向子の連覇なるか リニューアルの「全英女子」に日本勢7人参戦#渋野日向子 #AIG女子オープンhttps://t.co/VxZTkI3n85
— GDOニュース (@GDO_news) August 17, 2020
初日のペアリング
既に初日のペアリングが発表となっています。
<日本勢の予選ラウンド組み合わせ&スタート時間>
初日/2日目(カッコは日本時間)
07:14(15:14)/11:54(19:54)勝みなみ、ジェニファー・ソン、トンエ・ダフィンルド
08:09(16:09)/12:49(20:49)畑岡奈紗、ネリー・コルダ、ジョージア・ホール
08:31(16:31)/13:11(21:11)上田桃子、メーガン・カン、ジョディ・ユワート・シャドフ
12:38(20:38)/07:58(15:58)稲見萌寧、レキシー・トンプソン、朴仁妃
12:49(20:49)/08:09(16:09)渋野日向子、ブルック・ヘンダーソン、アシュリー・ブハイ
13:00(21:00)/08:20(16:20)河本結、メル・リード、アン・バンダム
15:06(23:06)/10:26(18:20)野村敏京、ミシェル・トムソン、ダナ・フィンケルシュタイン
渋野日向子さんは、去年を思い出す、ブハイ選手と、カナダの強いブルックヘンダーソン。
その他注目としては、畑岡奈紗、ネリー・コルダ、ジョージア・ホール。
それで驚いたのが稲見萌寧さんのペアリングです。
稲見萌寧、レキシー・トンプソン、朴仁妃 これは凄い組となりました。
全ペアリングは、こちらからご覧ください。
公式サイトだと、ペアリングの見せ方からして、格好良いです。
大会の見どころ
一口に全英、前年度優勝、渋野日向子と言っても、今回は・・・。
率直なところ、連覇は非常に難しいとしか言いようがないです。
去年、渋野日向子さんが勝てた要因は4つあると思っています。
1つは、好調で乗り込んだこと。
国内メジャーを含む2勝を挙げていました。
2つめは、1つめにも関連しますが、勢いがあったこと。
ほぼ、上り調子のピークで、この試合を迎えることができました。
3つめは、失うものは何もない挑戦者であったこと。
本人も、「目標は予選通過」だったのです。
例え、全く歯が立たず予選落ちでも、誰も責めはしない立場でした。
4つめは、ウォーバーンという林間コースだったこと。
これは、日本国内のコースでも、対応できる林間コースでした。
さて、こういった4条件と運、そして笑顔で勝ち取ったメジャーのタイトルです。
実は、今回、恐ろしいことに、この4つ、全てがあてはまりません。
まずは、ロイヤルトゥルーンへの対応。これは全選手にとってカギになります。
男子の全英オープンの舞台ともなる、名門リンクスです。
1日の中に四季があると言われる天候。
スタートは半袖、最終ホールはカシミアのセーターなんてことも、普通にあります。
そして、硬いフェアウェイとグリーン。バスタブのようなポッドバンカー。
グリーン手前50ヤードからパターで寄せる技術やイマジネーションも要求される。
こういった条件に対応できる選手が勝ちます。
果たして日本勢はどうか?
あの畑岡奈紗さんでさえ、リンクスは不得意としていました。
先週のスコットランド女子オープンで、やっとその意識が、少し薄らいだ。
いわゆる、技術、体力、メンタル、そのすべてが試される舞台です。
始まる前から、懸念材料ばかり挙げましたが、健闘を祈るとしか言いようがないです。
それでも、「怪物、渋野日向子」は何かをやってくれる期待もあります。
ただし、彼女を後押ししてくれるはずだったギャラリー。
今年は無観客試合なので、それも難しいところです。
放送予定
期待の高さでしょう。贅沢にも3局が中継をします。
・・・日本国内のツアーも、中継局はせめて生中継くらいしてもらいたいものですけど。
テレビ朝日
サイトはこちら。画像クリックでも行けます。
第44回 全英女子オープンゴルフProgram presented by FJネクスト
第1日8月20日(木)深夜0時20分〜深夜1時50分
第2日8月21日(金)深夜0時20分〜深夜1時50分
第3日8月22日(土)深夜0時5分〜深夜3時 ※一部地域を除く
最終日8月23日(日)よる11時〜深夜2時
解説:(第1日・第2日) 村口 史子 プロ
(第3日・最終日) 樋口 久子 日本女子プロゴルフ協会顧問
ゴルフキャスター:戸張 捷
実況:
(第1日・第2日) 進藤 潤耶(テレビ朝日アナウンサー)
(第3日・最終日) 野上 慎平(テレビ朝日アナウンサー)
ゴルフネットワーク
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2020年8月20日(木)午後6:30~午後9:30
衛星生中継 2020AIG全英女子オープンゴルフ選手権 1日目 前半
2020年8月20日(木)午後11:00~午前2:00
衛星生中継 2020AIG全英女子オープンゴルフ選手権 1日目 後半
2020年8月21日(金)午後6:30~午後9:30
衛星生中継 2020AIG全英女子オープンゴルフ選手権 2日目 前半
2020年8月21日(金)午後11:00~午前2:00
衛星生中継 2020AIG全英女子オープンゴルフ選手権 2日目 後半
2020年8月22日(土)午後10:00~午前3:00
衛星生中継 2020AIG全英女子オープンゴルフ選手権 3日目
2020年8月23日(日)午後9:00~午前2:00
衛星生中継 2020AIG全英女子オープンゴルフ選手権 最終日
2020年8月24日(月)午後6:00~午後11:00
2020AIG全英女子オープンゴルフ選手権 最終日
解説(前半):大町昭義(プロゴルファー)
解説(後半):岡本綾子(プロゴルファー)
実況:田中雄介
WOWOW
サイトはこちら。画像クリックでも行けます。
8/20(木)よる11:00第1日<後半>
8/21(金)よる7:00第2日<前半>
8/21(金)よる11:00第2日<後半>
8/22(土)よる10:00第3日<前半>
8/22(土)深夜0:30第3日<後半>
8/23(日)よる9:00最終日<前半>
8/23(日)深夜0:00最終日<後半>
解説:服部道子 実況:野瀬正夫
どれでも、好きなものを見てくれい!です。
大会第1日
ロイヤルトゥルーンがスコットランドを代表するリンクスであることを証明しました。
男子の全英オープンの会場にもなる、このコース、女子では初めての開催。
事前から、難しいことは予想されていましたが、練習日は好天。
それが、初日。典型的なリンクスの荒天の中、プレーは行われました。
上位陣。リーダーボード、英語版がこちら、日本語版がこちらです。
よく、3人だけですが、アンダーパーまで、持ってきたなと言うのが、第一印象。
それだけ、平均で10mの風は難しかったのです。
そして、上位陣を見て、わかる傾向があります。
飛ばし屋が少なく、アイアンやショートゲームを得意とする選手が多いこと。
やはり、カギはティーショットをフェアウェイにおくこと。
そして、グリーンに対しては、多様なワザを使って乗せる、寄せることです。
上に貼り切れなかった、50歳のマシューも、イーブンパーです。
さて、日本勢の健闘ぶりは、
畑岡奈紗、野村敏京の両選手が+3の33位で日本勢最上位。
以下、河本結、上田桃子両選手が4オーバーの51位。
注目の渋野日向子さんは3バーディ、5ボギー1トリプルボギーの76で71位。
勝みなみさんも同じく、5オーバーの71位。稲見萌寧さんがは6オーバー、88位です。
何だか順位だけ見ると下位に見えますが、4位がイーブンパーです。
予選通過という意味では、全員にチャンスがあります。
注目の渋野日向子さんの記事。
いきなり5つ落としてから粘ったので、全然、気持ちは切れていません。
また、私が注目する河本結さん。
こちらも、前向きです。
横殴りの雨でと風で傘の向きがこう。笑
帽子の飛距離30ヤード。笑
今日はアンラッキーだけ。
完璧ショットがOBだったり…
プレーは95点。これが、ゴルフ。
これぞ、全英女子オープン。⛳️ https://t.co/FKT5tKJtZm— Yui Kawamoto/ 河本 結 (@Yk5472) August 20, 2020
2日目の現地の天気予報と言えば、
大会2日目も強風予想 渋野日向子は日本時間午後4時20分スタート/全英女子#渋野日向子 #AIG女子オープン(全英女子)https://t.co/idsFY4mOV9
— GDOニュース (@GDO_news) August 21, 2020
風は強いです。カットラインですが、+10近辺でしょうか?
大会第2日
2日目は、ある意味勝負の日。予選通過がかかっているからです。
必ずしも好調とは言えなかった初日の日本勢の結果は、
期待された渋野日向子さんはじめ、7名中4名が予選落ちとなってしまいました。
最上位は、野村敏京選手の、+2で9位。
上田桃子さんが8オーバーの52位、畑岡奈紗さんが9オーバーの64位で予選通過です。
カットラインが+9だったので、厳しい。それだけのコンディションだったわけです。
さて、しぶこさん、ティーショットは悪くなかった。
何が悪かったと言えば、グリーンを狙うショットですね。
ことごとく風の影響を読み切れず、グリーンをキャッチできない。
リンクス、特にロイヤルトゥルーンへの対応がいかに難しいかを実感したと思います。
また、初挑戦の河本結、稲見萌寧の両選手。
河本結さんのコメント
「自分の良いショットが大きくバウンドしたり、アンラッキーのほうに跳ねたり。アゴの近くに止まってペナルティを払わなくちゃいけなかったり、目玉になったり…。これもゴルフなんだなという感じ。アンラッキーを許容範囲として受け入れる心を持っていないと。そこはしっかり大人にならなきゃいけない、強くやらなきゃいけない」
稲見さんも、人生初の難しさに苦戦しましたね、このコメントに現れています。
「(心が)折れすぎて、逆に真っすぐなった感じ」
上位陣。リーダーボード、英語版がこちら、日本語版がこちらです。
首位の1人だけがアンダーパー。難しさを物語ります。
決勝ラウンドも、一層の混戦となりそうです。
大会第3日
ムービングデーと言われる、第3日。
やっと、というか落ち着いた天候となり、アンダーパーを出す選手も出ました。
しかし、決して簡単になったというわけではなく、普通の難しさになった感じです。
上位陣。リーダーボード、英語版がこちら、日本語版がこちらです。
一見してわかるのは、上位陣にビッグネームが少ない。
というか、トップランカーはミンジー・リー選手だけ。
また、実績という面も含めて言っても、リディア・コ選手くらいです。
さて、3日目のハイライトとして、3選手を挙げたいと思います。
上田桃子選手
幸先よく、バーディー先行から、良い流れを作り、68でのラウンドです。
そうか、あらためてですけど、10度目の全英なんですよね。
この大会に参戦するためには、当然、渡英しなければならない。
感染のリスクもあれば、帰国後の体調管理や参戦日程の問題もある。
そんな中で、出場を決めたのは、決意、覚悟だと思います。
19位から迎える最終日、是非とも来年の出場権を勝ち取る順位まで上げてほしいです。
ソフィア・ポポフ選手
何と、無名に近い選手が3日目を終わって首位です。
彼女の主戦場は、LPGA下部シメトラツアーのドイツ人プレイヤー。
この試合だって、ツアー再開後のマラソンクラシックで9位に入って出場権を得たものです。
ある意味、去年のしぶこさんに近い、望外の健闘と位置で迎える最終日です。
実績は、あきらかにありません。最終日はどうなるか?
直ドラからのイーグル、見事です。
リンジー・ウィーバー選手
画面越しで1人だけ光景が違います。
つまり、彼女だけ帯同キャディがおらず、手押しカートでプレーをしています。
何かのトラブルでキャディが出場できなくなったのかと勝手に思っていました。
しかし、これが予定の行動だと言うのが、驚きです。
ウィーバーが使うのはジュニア時代に使っていたというカート。自宅の倉庫に眠っていたものを引っ張りだし、ツアー再開後の大会で使用している。それをイギリスまで持参して、孤独な戦いに挑んでいるというわけだ。
「基本に戻った感じ。ジュニアのゴルフはこんな感じだった。シメトラツアーはこんな感じだったし、キャディがいても最終的には自分が決断する。ゴルフに変わりない」と、カートを押してのリンクスゴルフを楽しんでいるようにも見える。
彼女のプレーにも注目せざるをえません。
ということで注目は3選手を挙げましたが、イコール優勝争いとも言えません。
実績や経験からするとミンジーが強そうですけど、はたしてどうでしょう?
ロイヤルトゥルーンでの優勝者が決まる最終日を迎えます。
大会最終日
3日目を終わって首位のポポフ選手を筆頭に、無名選手がずらり。
これで優勝予想をするというのは、無理というものです。
そして、最終日が最もコースコンディションが良く、伸ばせる展開でした。
優勝の行方は・・・、
なんと、ポポフ選手が最終日も伸ばして勝ちました。
これは、去年の渋野日向子さんに匹敵、またはそれ以上のサプライスでしょう。
しぶこさんは、全英までに国内2勝を挙げ、世界ランキングも46位まで上げていました。
ポポフ選手は世界ランキング304位。
LPGA下部のシメトラツアーが主戦場ですが、そこでも優勝はないのです。
それが、今回は、マラソンクラシック9位という滑り込み資格での出場。
スコットランド女子オープンは、出場権さえなかったのです。
もちろん、ドイツ人選手としては初メジャータイトル。
おそらくですが、「ポポフフィーバー」が巻き起こっていると思います。
さて、もう1人、これは書いておかなきゃ。
上田桃子さん、最終日は4バーディー、ノーボギーのプレーで単独6位フィニッシュ。
これは、10度目の全英で、過去、最高順位です。
さすがに疲れたのは、本音だと思う一問一答の記事。
それで、実は今回熟慮の上、参戦を決めた上田桃子さん。
これは、私見ですが、最後の全英になるかもしれないと臨んだのではと思いました。
上田さんの年齢からしても、メジャーに出場できる機会は、正直多くはありません。
下の世代の伸び具合がハンパないので、国内で上位にいることさえ、大したものなのです。
思い出すのは、上田さんは去年、そのあたり、ピークの時期を聞かれました。
上田さんは、しばし考えたあと、「現在」と答えたのですね。
それだけ、自分がもっと上手くなる、伸びしろがあると信じてプレーしている。
その努力が、今回、キャリアハイの結果につながったと思います。
奇しくも、国内のチャリティーマッチで残ったBEST4は全員が30代。
まだまだ、完全な世代交代は許さないぞの気構えと実力を見た気がしました。
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