本来であれば、シーズンで最初のメジャーである、ANAインスピレーション。
2020年はコロナ禍により、日程が後ろ倒しとなり、9月開催となりました。
恒例は、優勝者が池に飛び込むのですが、今年はやるのか?
大会概要
大会名称:ANA INSPIRATION(ANAインスピレーション)
開催日:2020年9月10日~13日
開催コース:ミッションヒルズCC(カリフォルニア州)◇6763yd(パー72)
大会公式サイトはこちらです。※日本語です。
出場選手と日本人選手
出場選手としての大きなトピックは、前年覇者、世界ランキング1位が欠場。
コジンヨン選手ですね。理由はもちろんコロナ禍での出場回避です。
一方で、欠場が続いていた、世界ランキング4位パクソンヒョン選手は参戦します。
一方、AIG女子オープン優勝のポポフ選手は出場しません。
と言うか、出場資格がないのですね。メジャー覇者としての出場権は来季から発生します。
日本人選手は、5人が出場します。
畑岡奈紗、渋野日向子、河本結、野村敏京、上原彩子の各選手です。
初日のペアリング
初日のペアリングが発表になりました。日本勢はこちら。
一部転載します。
<日本勢の予選ラウンド組み合わせ&スタート時間>
初日/2日目(カッコは日本時間)
08:36※(11日00:36)/13:36(12日05:36)渋野日向子、ハンナ・グリーン
12:33(11日04:33)/07:33※(11日23:33)河本結、キャロライン・イングリス
12:42(11日04:42)/07:42※(11日23:42)野村敏京、チョン・インジ
12:51(11日04:51)/07:51※(11日23:51)上原彩子、アサハラ・ムニョス
13:18(11日05:18)/08:18※(12日00:18)畑岡奈紗、パク・ソンヒョン
※は10番スタート、ほかは1番スタート
大会の見どころ
何せ今年は世界中で試合が少ない。
最初のメジャーはAIG女子オープンだったのですが、あっと驚く結果でしたね。
レギュラーツアーの資格を持たない、ポポフ選手が優勝。
最終日の上位で、世界ランカーは、ミンジー・リー選手くらいでした。
ですから、優勝予想は難しいところですが、コースは変わらずのミッションヒルズ
さすがに、米ツアーの主力どころが強そうです。
それと、心配されるのが天気。
異様な暑さのようで、連日、40度を超えています。
日本の40度とは、暑さの質が違うでしょうけど、暑いに変わりはないです。
放送予定
今回はWOWOW、1本勝負です。
具体的な放送予定は、こちら。いずれもWOWOWプライム。
メジャーなので、気合が入っていて、まずは、放送の量が多い。
9/10(木)深夜1:00 第1日<前半> 無料放送あり
9/11(金)午前8:00 第1日<後半> 無料放送あり
9/11(金)深夜1:00 第2日<前半> 無料放送あり
9/12(土)午前8:00 第2日<後半>
9/12(土)深夜3:00 第3日
9/13(日)深夜3:00 最終日
そして、WOWOWは基本、現地放送を流すのですが、今回は持ち込みカメラありです。
何を中継するかと言えば、
ワールドフィードで流れない映像を見ることができます。
もちろん、上位で争えば、両方で映るということになります。
WOWOWオンデマンドから情報を取りましたが、無料で見られるかは未確認です。
大会初日
難コースと思うミッションヒルズですが、初日は無風ということもあり、好スコアが出ました。
まずは、何と言っても注目の渋野日向子さん。
初日はー2と、まずまず、良いスタートをきりました。
驚いたのですが、パッティングがクロスハンドに変わっています。
しぶこさん、クロスハンドも初ですけど、アメリカ本土でのプレーも初なのですね。
そんな中、初日は本来のしぶこさんらしいプレーを見せてくれました。
躍動感のあるスイング、そして笑顔。
アメリカ本土初参戦だと思いますが、既にサマになっているのがさすがです。
絵にもなっている。もちろん、ラフに入れたところは、さすがにボギーとなったのですが。
2つのボギーよりも、4つのバーディーを評価したいです。
畑岡さんもー2と同スコアなのですが、こちらは、さすがに実力と貫禄です。
さて、アンダーパーが多いのですが、首位はー6なので、-2は良いところです。
上位陣。全体の結果はこちら。
その他、日本勢は、河本結さんが1アンダー33位と健闘。
野村敏京さんは2オーバー65位、上原彩子は5オーバー94位と少し出遅れています。
大会2日目
上位争いはもちろん、日本人選手の戦いぶりにも注目するこの大会。
まずは、2日目ということで、予選カットがありました。
そして、結果は、
やっぱり上位陣は伸ばしてます。ネリー・コルダ好調です。
さて、日本勢では、3選手が決勝ラウンドに進出しました。
私も、そして多くの皆さんも予想したであろう、3選手です。
畑岡奈紗 トータル1アンダー・36位タイ
渋野日向子 トータル1オーバー・52位タイ
河本結 トータル1オーバー・52位タイ
そうなのですが、この第2ラウンドは三者三様でしたね。
まずは、畑岡奈紗さん。我慢を強いられるプレー。
さすがに、前半ハーフで20パットは厳しい。
われわれアマチュアの感覚からすると、30パット打ったくらいの感覚です。
後半は、巻き返して14パット。ショットは悪くないので、明日以降に期待です。
さて、河本結さん。試行錯誤ですが、予選は通りました。
場面がわかるような部分。
「言葉で表現するのは難しいんですけど、キャディさんとのコミュニケーションだったり、他の選手との英会話だったり、言いたいけど伝わらないもどかしさだったり、プレー中の孤独感だったり、すべてにおいて慣れてきているというか、自分らしくいられるようになってきている。1試合1試合、1つの1つの出来事が、本当に自分を強く成長させてくれている」
いわゆる、自分のスイングとかマネジメントよりも言葉の壁もありますね。
そういった部分は覚悟のLPGAツアー参戦なので、本人が言う通り、進んでほしいです。
さて、悔しかったであろうは、渋野日向子さんですよ。
前半は35と1つ伸ばして、-3まで伸ばしてからの後半戦。しかし、
後半、徐々にグリーンを狙うショットが左右にぶれた。
そうするとアプローチをするわけですが、ここが芝の違いが出るところ。
パッティングでもさすがにしのぎ切れなくて、迎えた残り2ホール。
17番は真っすぐの1mを外してのボギー。私も絶句しました。
そして18番パー5は、レイアップした2打目が飛び過ぎてラフ。
そこからの第3打がラフに絡まって、全く飛ばず池。
結局5オン、2パットのダブルボギーだったのです。
今回、WOWOWの放送では、岡本綾子さんが解説をしています。
岡本さんは、このコースで17回プレーしているのですね。←凄い。
岡本さん曰くは、全てが勉強。
私が見ていても、ああ、初体験だから起こり得るだろうなと思うミスでした。
しかし、それらは実践で経験して上達していくものというのも納得です。
とは言いながらも、予選は通ったのです。全く失うものなど無いのです。
思いっきり、自分のプレーをして、成功も失敗も糧にしてほしいと思います。
大会第3日
昨日は、正直なところ「消化不良だった」日本勢。
3日目は素晴らしいプレーを展開してくれました。
畑岡さんはここへきて、やっとかみ合って67。
そして、しぶこさんも納得のラウンドでしたね。
持ち前のパッティング、ロングパットがあれだけ入る。
飛ばし屋のティーショットもですが、ロングパットが決まるというのも爽快です。
ドライバーは初日から悪くない。ラフにつかまる場面もありましたが振れている。
ラフはティフトン混じりなので、これは、経験を積むしかないところです。
さて、河本結さん、今日はしぶこさんと同組でした。
それが、しぶこさんとは対照的に前半で4つのボギー。
どうなることかと心配したのですが、後半盛り返しました。
この、学習能力と修正能力には、見るべきものがあると思う通算2オーバーの58位です。
最終日 優勝は、イ ミリム
まずは、気になる日本勢の結果から。明暗が分かれる結果となりました。
最終日の畑岡奈紗
日本人最上位となったのは、畑岡奈紗さんです。
ANAインスピレーションでは、通算-9で、自己最高位となる7位タイで終えました。
出だしから好調で、3連続バーディー。
その後も、ほとんどバーディーチャンスとショットは絶好調でした。
惜しむらくは、パッティングを決め切れなかったこと。
それでも、収穫の多いメジャーであったと思います。
畑岡奈紗さんのクラブセッティングはこちらです。
最終日の渋野日向子
続いては、3日目に好スコアを出した渋野日向子さん。
ただし、最終日は試練の1日となりました。
最終日は1バーディ、5ボギー1ダブルボギーの78です。
特にバックナインで6つスコアを落としたこと、これはショックでしょう。
落としたホールは、乗せられず、アプローチやパッティングも決め切れず。
負の連鎖に陥ってしまったようで、さすがに歩く姿も肩を落としていました。
それでも、しぶこさんにとっては、これがアメリカ本土での初試合なのです。
最終日は涙するほど悔しかったでしょうが、まずは予選を突破し4日間プレーできた。
解説の岡本綾子さんが、「ランドセルを背負ってきた」と表現しました。
新入生なのですから、帰りに宿題をもらったと考えるのが良いと思います。
渋野日向子さんのクラブセッティングはこちらです。
最終日の河本結
最後に河本結さん。こちらも悔しい最終日でした。
最終日は、本人も認めるように、体力、技術ともついていけなかった。
スコアは1バーディ・6ボギーの77、トータル7オーバーの69位タイとなりました。
しかし、何はともあれ、4日間メジャーをプレーしたのです。
クレバーな河本さんですから、徐々にでしょうけど、改善してくれると思います。
河本結さんのクラブセッティングはこちらです。
優勝は、イ ミリム
さて、最終日は硬く速いグリーン。いかにもメジャーのセッティング。
序盤は、ネリー・コルダ、ブルック・ヘンダーソンと実力者の首位争い。
このまま、どちらかが優勝かと思ったのですが、サンデーバックナインで変わりました。
通算15アンダーで、ネリー・コルダ、ブルック・ヘンダーソン、イ ミリムが並んでプレーオフ。
1ホール目で決着となり、イ ミリム優勝となりました。
最終日はチップインが3回、しかも18番はイーグルで追いついた、絵にかいたようなものでした。
最終スコアはこちらから。
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