2022 アース・モンダミンカップ

女子ゴルフツアー最高賞金額3億円をめぐるアース・モンダミンカップの戦いが2022年も始まります。放送予定、出場選手、ペアリングを踏まえた見どころについて。昨年は西郷真央さんとのしびれる戦いの末、菊地絵理香さんが優勝しました。今年の栄冠に輝くのは?

菊地絵理香 圧巻の完全優勝 アース・モンダミンカップ2021
初日ベストスコアで首位発進した菊地絵理香さん。最終日まで1度も首位を譲ることなく、アース・モンダミンカップで優勝を飾りました。2017年以来、自身でツアー4勝目、初めての4日間大会での優勝。また、2019年に結婚してから初めての優勝です。

大会を追うごとに記事を更新していきますので、目次からジャンプしていくことも可能です。

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2022アース・モンダミンカップ大会概要

大会名称:アース・モンダミンカップ
開催コース:カメリアヒルズカントリークラブ (6,639 Yards/Par 72)
開催期間:6月23日~6月26日
賞金総額:30,000万円
優勝賞金:5,400万円
出場人数:144人(予定)
決勝進出順位:2R終了時 70位タイまで (予定)
主催:アース製薬株式会社
大会URL:こちらです。

※練習ラウンドを含み、有観客開催。

2022アース・モンダミンカップ放送予定

この大会は、8媒体を使った、多種多様な中継が用意されています。
そのため、別立てで記事にしてあります。

アース・モンダミンカップ2022は8つの中継
大会や中継とも意欲的な取り組みをするアース・モンダミンカップ。2022年は、8つの媒体を使って、放送と中継がされます。その内容と詳細についてです。いわゆる、電波による放送はBS、CSですが、インターネット中継や大会公式アプリなど、多彩なラインナップです。

2022アース・モンダミンカップ出場選手とペアリング

何しろ、144選手が出場しますので、最大規模の大会になります。
主催者推薦選考会を勝ち抜いて本戦出場権を獲得した選手がこちら。

2022 アース・モンダミンカップ主催者推薦選考会 | 女子プロゴルフPlus+
初夏のビッグトーナメント、アース・モンダミンカップ。出場選手も多く、高額賞金も高い。準メジャーと位置付けて良い大会です。5月23日にマンデートーナメント、...

薮田梨花、泉田琴菜、成澤祐美、安田彩乃、川﨑春花、S.ランクン、櫻井有希、鬼頭さくら、新海美優、森井あやめ、小林夢果の11選手がこの権利で出場権を獲得。
主にステップアップツアーを主戦場とし、成績を挙げている選手が目立ちます。
また、このカテゴリーの繰り上がりで、保坂真由、東葵の2選手も出場が決まりました。

4日間に及ぶ戦いで、ペアリングが発表になっています。
初日がこちら、2日目がこちらです。

JLPGAオシの注目組。

個人的に注目したい組はここ。

国内女子では屈指のショットメーカー、稲見萌寧さんに、ルーキーの2人。
上野菜々子さんは、もう一皮むけるとブレイクしそうな感じはあります。
薮田梨花さんは、ステップでもコンスタントに上位。
主催者推薦選考会もトップ通過なので、注目組と言えると思います。

とは言え、144選手48組ですから、これはどこの組とは言えないですかね。
通常であれば、予選ラウンドはGOLFTVなどの中継時間に合わせて注目組が決まります。
しかし、今年は、ゴルフネットワークなどは、6:45から中継があります。
つまり、アウト、インとも、最初の組のティーオフは6:45です。
見る側も早起きが必要ですね。

尚、西郷真央さんは全米女子プロ出場に向けて渡米中のため欠場です。

2022アース・モンダミンカップ見どころ

まずは、高額賞金大会ですので、どの選手もモチベーションは高いです。
加えて、いろいろな特別賞が出る大会でもあります。

特別賞・ホールインワン賞(大会期間中、複数均等割り)
No.4 ¥7,000,000 [提供:㈱グルマンディーズ・朝日電器㈱]
No.9 ¥8,000,000 [提供:㈱バスクリン]
No.13 ¥7,000,000 [提供:白元アース㈱・大幸薬品㈱]
No.15 ¥8,000,000 [提供:ツルハグループ]
・イーグル賞(第3日/最終日、達成者全員)
No.1/8/14/18 ¥1,000,000[提供:㈱ダイゾー]
・ベストスコア賞(第3日/最終日、複数均等割り)
第3日 ¥1,000,000[提供:㈱ YK エステート]
最終日 ¥1,000,000 [提供:㈱ YK エステート]
・ルーキー賞
2019年度以降JLPGA入会の最上位者 ¥1,000,000 [提供:㈱ジャパネットホールディングス]
・ベストキャディ賞
優勝者キャディ ¥1,000,000[提供:住商アグロインターナショナル㈱]

さて、この大会ですが、コースセッティング担当は、山崎千佳代さん。
そして、トーナメントディレクターは茂木宏美さんが務めます。

事前情報によると、ラフは、相当に長いセッティングのようです。
例年、グリーンコンディションは文句なく素晴らしく、転がりが良い。
と言うことは、フェアウェイをキープして、ピンを狙ってくる選手が強いでしょう。

ある程度、ショットメーカーのレベルも上がっています。
そうなると、パッティングを含めた総合力の争いになると見ています。

難易度の高いのが、9番と16番ホールになりそうです。
ここをどう乗り切るかも注目点になると思います。

2022アース・モンダミンカップ大会初日の結果

大会初日、まず天候は風も弱く絶好のお天気となりました。
しかし、ファーストカットの無いセッティングで、ラフは相当に厳しい。
ラフだと、0.5打から1打は、確実にロスはする、難しいセッティングです。
中継では、「準メジャー」という表現もありましたが、それも納得できるところ。

そんな中でも上位陣は、なかなか驚異的なスコアです。全体がこちら

中継で長時間見ることのできた、山下美夢有、稲見萌寧両選手のプレー。
これは、本当に秀逸で、実にショットの球質が高い。
キャリーの縦距離、横方向のブレ、スピン量、弾道の高さなどが全てコントロールされています。
もちろん、フェアウェイキープ率も高いため、素晴らしいスコアです。

高弾道でバーディーショー 山下美夢有が首位|JLPGA|日本女子プロゴルフ協会
一般社団法人日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)の公式サイトです。

しかし、この2人のプレー内容は抜きんでているものでした。
そう簡単に64とか、65なんて出るセッティングでは無いです。

(天候:曇り 気温:24.9℃ 風速:1.7m/s)
《グリーン=スティンプ:11 3/4フィート コンパクション:24mm》

2日目は、強風の予報が出ています。
ラフに入ると、全く違うマネジメントが要求されます。
相当にスコアが動く展開が予想されます。

2022アース・モンダミンカップ大会2日目の結果

何しろ、まずは、コンディションの話をしなければならないでしょう。

平均スコアは今季ワースト 稲見萌寧も、山下美夢有も強風とバトル
◇国内女子◇アース・モンダミンカップ 2日目(24日)◇カメリアヒルズCC(千葉)◇6639yd(パー72) 稲見萌寧の最終9番(パー3)、ティショットは上空で意図したのとは逆、右サイドに流れて池にこぼれた。「右からの風のはずなのに、上がった瞬間、右に落ちて…」。朝から吹き荒れた強風は、最大瞬間風速19.6m/sを記録...

最大瞬間風速19.6m/sで、平均でも3時過ぎには10m近く。
コースには、風でちぎれた枝が入ってくるほどの強風です。
もちろん、スイングやショット、そしてパッティングにも影響が出てました。

最終組がホールアウトしたのは19時過ぎ。
大変なコンディションで、2日目のアンダーパーはわずか3人。そして、

全選手のこの日の平均スコア「76.50」は、今季ワーストの数字。5月「ワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップ」(茨城GC西コース)第2ラウンドの「75.60」を更新した。

2日目を終わっての上位陣。全体がこちら

ホールが進むにつれカットラインのスコアは、+1、+2、+3と変動し、結果は+4。
63位タイまでの79選手が決勝ラウンドに進むことになりました。

それで心配なのがお天気で、土日とも強風予報が出ています。
ただでさえ、尋常ならぬラフの長さです。
優勝争い云々よりも、どんなプレーになるのかも想像できません。

言えるのは、このコンディションであれば、二けたアンダーは出ないでしょう。
準メジャー級と書きましたが、本当に今季最高難度の試合になる可能性もあります。

2022アース・モンダミンカップ大会3日目の結果

大会3日目も、予報通りの強風となりました。
3日目のアンダーパーは、わずか10人。
強風と深いラフ、読みにくいグリーンに各選手とも苦戦です。

上位陣、全体がこちら

首位から出た、ささきしょうこさんが首位をキープ。
強風に逆らわず、フェアウェイキープとショートゲームに重点を置いたプレーでした。

ささきしょうこが首位キープ『120点以上-』|JLPGA|日本女子プロゴルフ協会
一般社団法人日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)の公式サイトです。

(天候:晴れ 気温:29.9℃ 風速:5.6m/s)
《グリーン=スティンプ:11 3/4フィート コンパクション:24.5mm》

2022アース・モンダミンカップ優勝争いのポイント

3日目のプレー、ささきさんとキンクミちゃんのプレーが印象に残ります。
両選手とも共通点は、強振しないことですね。
そして、グリーンが読めていて、タッチが出ている。

逆に言えば、グリーンのタッチが合わない、強振していく選手は、ことごとくスコアを落としました。
強風のラウンドは、プロ、アマ問わず、ここがポイントです。

特に深いラフから強振を繰り返すと、パッティングのタッチが出にくくなります。
また、グリーンでも風の影響は避けられないのですが、そこも子細な感覚です。

加えて感心したのは、難関16番ホールでの、ささきさんの攻め方。
ティーショットは距離を落としてフェアウェイキープ。
セカンドは5Wで、花道から転がしあげて、楽々パーセーブでした。
フェアウエイが狭く、難しいホールですが、お手本のような攻め方でした。

とは言え、最終日も負けず劣らすの強風予報です。
風とラフには逆らわず、どれだけパッティングを決められるか?
風は運の要素もあり、パッティングは日替わりで調子も変わります。

通常であれば、スコア的に、ささきさんとキンクミちゃんの優勝争い。
しかし、天候を考慮すれば、アンダーパーの10選手には可能性があると思います。

2022アース・モンダミンカップ最終日

天候次第で、優勝争いは、選手、スコアとも全く分からないと予想していました。
アンダーパーの10選手にチャンスありと書きましたが、そんな混戦になりました。

木村彩子がツアー初優勝

上位陣がパーセーブで耐えるプレーが繰り広げられ、結果は、

大逆転-木村彩子6打差を跳ね返す|JLPGA|日本女子プロゴルフ協会
一般社団法人日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)の公式サイトです。

木村彩子さん、ツアー初優勝おめでとうございます。

平均風速は、時間帯によって、7mを超えました。
恐らく、瞬間最大風速は10mを超えた地点もあったと思います。
象徴的なのは、難関9番のパー3で距離は190ヤード。
アゲインストとは言え、最終組の3人が手にしたのはドライバーでした。
3番ウッドだと、手前の池につかまるリスクが高い、そんな選択でした。

カメリアヒルズのフェアウェイ、数字上は決して狭くありません。
しかし、硬くなった上、傾斜があるため、実質10ヤードの幅くらいに打たないとフェアウェイキープできない。
少しでも転がってしまうと、8㎝を超える、場所によっては10㎝以上のラフです。

ラフに行くと、もうまともにグリーンが狙えない。
手前花道に置ければ、まだ上等。乗れば最高です。
花道から転がしていく作戦でも、時に50ヤードオーバーという光景もありました。

木村さん、最終日のフェアウェイキープは、12/14。
これが2打目以降の組み立てを、他の選手より難しくしなかったのも優勝の要因だと思います。

(天候:晴れ 気温:30.9℃ 風速:4.1m/s)
《グリーン=スティンプ:12 1/2フィート コンパクション:24.5mm》

アース・モンダミンカップ2022 上位と特別賞受賞者

4日間のうち、3日間が強風と、メジャー級、いや、それを上回るほどタフだったこの試合。
上位陣は、アンダーパーがわずか6人となりました。全体がこちら

特別賞の受賞者は以下の通りです。

ホールインワン賞(大会期間中、複数均等割り)

No.4、No.9、No.13、No.15で高額が設定されていましたが、今回は該当者なし。

イーグル賞(第3日/最終日、達成者全員)

No.1/8/14/18 ¥1,000,000

最終日の8番で泉田琴菜、18番で天本ハルカと2人のルーキーが獲得です。

ルーキーが主役のイーグル賞 泉田、天本が100万円|JLPGA|日本女子プロゴルフ協会
一般社団法人日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)の公式サイトです。

ベストスコア賞(第3日/最終日、複数均等割り)

第3日 ¥1,000,000
69ストローク 金田久美子、黄アルム

最終日 ¥1,000,000
67ストローク 森田遥

ルーキー賞

2019年度以降JLPGA入会の最上位者 ¥1,000,000

これは、今更ながらルーキー賞?と思いましたが、西村優菜さんが該当です。
最終日のプレーはさすがでしたね。

ベストキャディ賞

優勝者キャディ ¥1,000,000

木村彩子さんのキャディー坂口悠菜さんとなりました。
坂口悠菜さんは木村さんと同じ、南秀樹コーチの元で学ぶ、1年先輩です。
プロテスト合格を目指していますね。ナイスキャディーでした。

 

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アース・モンダミンカップ2022のまとめ

まとめと言うより、大会を振り返っての感想を記しておきます。
まずは、大会の準備、運営、これからを目指す方向性も明確で、素晴らしい大会でした。

そして、4日間中、1日もまともな雨が無かったというのは初めて。
逆に4日間中3日間が強風の中でのプレーというのも、相当な難易度でした。

コースセッティング担当の山崎千佳代さんも、これは予想外だったと思います。
例年のように、バーディー合戦とはなりませんでした。
見ている側が苦しくなるほど、必死にパーを積み重ねていく。
それが尊いことだと、あらためて感じさせてくれる内容になったと思います。

優勝は木村彩子さんに輝きました。
しかし、1打への集中を全ての選手が見せてくれました。
選手全員に、心から拍手を送りたいと思います。

 

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