2021年のミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンは2年ぶりの開催。2019年プロテスト合格組は、この大会に初出場となります。初日から単独首位に立った西村優菜さんが、3日間首位を守り切り優勝。-15はトーナメントレコード、そして自身の4勝目は初の完全優勝です。
大会の見どころを書いた事前記事
西村優菜の4勝目は初の完全優勝
これまで西村優菜さんが挙げた3勝は、全て逆転での勝利でした。
ついた通り名が、「逆転の女王」
確かに西村さんは、最終日に向けてスコアを上げていけるタイプのゴルファーです。
それには理由があって、彼女持ち前の、「修正力」があると思います。
予選ラウンドをそれなりの位置で通過してしまえば、それまでの修正点やチェックポイントを決勝ラウンドに活かしてスコアを上げる。
そして、それが最高の結果となったときに、優勝という結果がついてきました。
今回は、自身で初めて初日首位から、一度も首位を譲ることの無い完全優勝でした。
大会初日の振り返り
大会初日は、例年に比べて非常にグリーンが柔らかいコンディションで迎えました。
例年に比べるとグリーンが止まる。
先週優勝から、好調なショットが続いている西村優菜さんは、6バーディー、ノーボギーの66で首位に立ちました。
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通算6アンダーの首位は、2週連続Vを目指す西村優菜。1打差の5アンダー、2位タイへ植竹希望、古江彩佳など4人が並んだ。渋野日向子が通算4アンダー、6位タイと好スタート。また、小祝さくらは1アンダー、25位タイからジャンプアップを狙う。
(天候:曇り時々晴れ 気温:24.8℃ 風速:2.5m/s)
《グリーン=スティンプ:10 3/4フィート コンパクション:22mm》
大会2日目も西村優菜がベストスコア
迎えた大会2日目は、もっと凄いことになりました。
西村優菜さんが、7バーディー、ノーボギーの65。
スコアを-13まで伸ばし、2位とは5打差をつけ、最終日に臨みます。
この日も絶好調をアピールしたのは西村優菜。ノーボギーの65をマークし、通算13アンダーで2週連続優勝へ独走態勢に入った。5打差の2位へ原英莉花が浮上。渋野日向子は通算6アンダー、5位タイから、最終日のチャージを狙う。
(天候:曇り時々雨 気温:18.9℃ 風速:2.7m/s)
《グリーン=スティンプ:11フィート コンパクション:22mm》
あの難しいと言われる利府ゴルフ倶楽部が、西村さんの手にかかると簡単に見える。
それだけ、ショット、パットとも好調で、全く危なげないプレーでした。
放送の解説は樋口久子さんだったのですが、「素晴らしい」と「問題ありません」しか出てこない。
しかし、それは語彙不足ではなく、まさにそうしたプレーだったのです。
大会最終日も最後に地力
そして迎えた最終日。西村さんの力やプレースタイルから死角は少ないと思える5打差。
しかし、近年の女子ゴルフは層が厚い。
打数の差があることは全選手が分かっているので、1番から果敢にバーディーを狙っていきます。
左奥の難しいピンポジションでしたが、攻める選手が多く、バーディーも多く生まれました。
そんな中、西村さんは、前半、我慢のプレーを続けます。
楽に勝たせてはもらえなかった。「きょうは、苦しいラウンド。前半はいつもと感覚が違い、メンタルのコントロールがうまくいかなかった。集中力がいまひとつだった気がします」と振り返る。
前半は2バーディー、2ボギーと伸ばせず。
特に、前日チップインイーグルを決めている8番をボギー。
これはさすがに本人も、「普通ではない」と感じたと思います。
その間、同じく最終組の原英莉花、淺井咲希の両選手とも伸ばしてきたのですから。
しかし、圧巻は後半にやってきます。
難関で、数々のドラマを演出した池が迫る15番のパー3。
ここを手前1mにズドンッとつけバーディー。
この時点で、後半は伸び悩んだ選手が増えた中、優勝への道筋が見えました。
そして、16番は2.5mのパーパットを沈め、これがクラッチパット。
締めくくりは18番。
先週の東海クラシックと同様、残り110ヤードをPWで1mにつけバーディー。
西村優菜強しを印象付けた結末となりました。
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(天候:曇り 気温:20.9℃ 風速:4.0m/s)
《グリーン=スティンプ:11フィート コンパクション:22mm》
大会の最終結果
最終の上位陣。全体がこちら。
#ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン🏆#西村優菜 がトータル15アンダーのトーナメントレコードで2週連続優勝‼️
🏆(15)#西村優菜
2T(-12)#淺井咲希
3T(-9)#古江彩佳
3T(-9)#野澤真央
3T(-9)#原英莉花成績表はこちら👇https://t.co/OF1kjf1Hfi#JLPGA#GettyImages pic.twitter.com/rZjB3rGezm
— JLPGA_official (@JLPGA_official) September 26, 2021
最終結果だけを見ると、西村さんが圧勝に見えるかもしれません。
しかし、決して楽な展開ではなく、最後まで追い上げた淺井咲希さんも、今季1番のプレーでした。
西村優菜、-15は大会記録での優勝
-15という優勝スコアは大会新記録です。
2日目を終わった時点で、-13でしたので、傍目から見ると可能性大に思えました。
しかし、西村さん本人は、そうでなかった最終日ということがわかります。
西村さんは4勝目なのですが、初の有観客試合での優勝です。
今までの優勝とは違い、喜びもひとしおだと思います。
また、放送で紹介されていましたが、何しろ名物である牛タンが大好物のようです。
宮城での試合ということで、すぐに牛タンが思い浮かび、2020年中止になったときは、それも残念だったようです。
今回は、有観客での優勝と牛タンの味、両方が思い出に残る大会になったと思います。
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運命のリシャッフル
さて、この大会には、もう1つの争いがありました。それはリシャッフル。
初めての試みですが、リランキングとは違い、シード選手を含めた出場優先権の見直し。
今季は20-21と統合されたシーズンのため、2019年のシード権で最大52試合が出場できるという形になってしまうのを避けるため、QTのリランキングに加えて、シード選手を含めたリシャッフルが行われました。
結果として、シードでも、次週以降の出場資格を失った選手も出ました。
推薦が受けられれば、次週以降の試合への出場可能性は残ります。
しかし、気持ちは既に11月に行われるQTへ向かっていると思います。
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