コロナ禍の影響で、2020年、7試合目となった日本女子オープン。優勝は原英莉花さん。
小祝さくらさんとの黄金世代によるマッチレースになりましたが、終始リードを保ちました。
持ち前の飛距離に加え、この試合はフェアウエイキープ、アイアンショット、パッティングとも申し分のない優勝でした。
滑り込みセーフのスタート
原英莉花さん、実は優勝はおろか、出場も難しい波乱から始まりました。
それは初日の朝に、突然襲ってきた腹痛。
ティーオフ直前にダッシュして、スタートに間に合わせました。
特に前半は、プレーよりも、腹痛が気になる状態だったようです。
「朝コンビニに寄ったくらいからおかしくなって。(あたるようなものは)食べてないんですけどね。朝一のティショットは記憶がないくらい(笑)」
この日の原さんはインスタート。3連続と4連続バーディー。1ボギー。
スタートから9ホールでパーが1つしかないという激しいスコア。
後半は、2ボギーで抑え、前半の貯金を活かし、トータル-4は3位タイスタートです。
力を溜めた大会2日目
まずは、2日目のスコアから。
この日は、4バーディー、2ボギーの70。
一見すると初日から見劣りがするのですが、全体的に難しかったのです。
それはピンポジションと、グリーンコンディション。
グリーンはコンパンクションが22.5、スティンプで11.5でしたが、体感はそれ以上。
難しい位置に切られたカップを狙わなければ、バーディーは獲れない。
初日とは、ほんの少しの差でしたが、スコアには大きく影響を与えたのです。
首位に躍り出た3日目
3日目のコンディションは、2日目と大きく変わりませんでした。
そんな中での、原英莉花さんのスコア。
このスコアが大きかった。7バーディー、1ボギーの66。
前日まで小祝さんに3打差をつけられていたのですが、逆転をし、逆に4打差をつけました。
2日目までの小祝さんのプレーを見る限り、小祝さんが本命ではと見ていました。
しかし、原さんのプレーは、それを大きく凌駕したのです。
何しろ、持ち前の飛距離があって、しかも曲がらない。
そしてパッティング。ラインが見えたということですが、自信を持って打て、入れた。
しかし、メジャー中のメジャー、ナショナルオープンです。
4打差をつけられた小祝さんも、全くあきらめてない中で、最終日を迎えます。
そして、3日目にリーダーボードを駆け上がったのが、仲宗根澄香さんでした。
圧巻の7バーディー、ノーボギーの65、日本女子オープンの3日目でです。
これは、ステップアップツアーでの経験と、レギュラーへの課題を見据えた練習の成果です。
最終日は圧巻のプレーで優勝
4打差は確かにアドバンテージだったのですが、日本女子オープンです。
そのタフなセッティングですから、セーフティーリードとは言えません。
その中、横綱相撲と言ってよいほどのプレーを見せました。
最終日も、4打伸ばし、通算-16での優勝となりました。
スコアから見ると逃げ切りですが、プレーは攻めていた。
圧倒的な飛距離は、常にフェアウェイをとらえた。
勝負どころでも、アイアンはピンを刺し、パッティングも入れきった。
最終日前に-15までいけば優勝、伸ばせなければ混戦と書きました。
事実、小祝さくらさんが-12まで伸ばしたので、原さんが伸ばせなかったら混戦でした。
私がー15というスコアを書いたのは理由があります。
それは、この4年間で3回勝っている畑岡奈紗さんを仮想していたためです。
畑岡さんが、もしプレーしていたとしたら、-15からー18と思っていました。
この週、畑岡さんは、LPGAツアーに参戦。翌週は全米女子プロだからです。
原英莉花さんの-16というスコアは、世界基準のスコア、そしてプレーだったと言えます。
原英莉花の可能性
待たれていた2勝目を、日本女子オープンというビッグタイトルで獲った。
これは大きいし、期待も高まるというものです。
この5年間を振り返る記事があり、これを読むと、1日にしてならずが良くわかります。
原英莉花さんのジュニア時代は、決してエリート街道ではありませんでした。
黄金世代のトップランナーは、勝みなみ、新垣比菜、そして畑岡奈紗。
プロテスト1回目は合格せず、2回目で合格。
この2回目合格組では、渋野日向子さんが、全英女子オープン優勝という快挙を成し遂げた。
こういった状況の中なので、この日本女子オープン優勝は、大変意義があると思います。
【原英莉花プロ来社!】
昨日、『日本女子オープンゴルフ選手権』で見事優勝を飾った原英莉花プロがミズノ大阪本社に来社されました!原英莉花プロより、コメントです!#ミズノゴルフ #原英莉花 プロ pic.twitter.com/9cu80q3RRL
— Mizuno Golf Japan (@MIZUNO_GOLF) October 5, 2020
原英莉花のクラブセッティング
優勝した、原英莉花さんのクラブセッティング。
<最終日の使用ギア>
ドライバー:ミズノプロ モデル-E ドライバー(8.5度)
シャフト:三菱ケミカル テンセイ CK 50(46.5インチ)
フェアウェイウッド:ミズノ ST200 フェアウェイウッド(3番15度、5番17度)
ユーティリティ:キャロウェイ マーベリック ユーティリティ(4番20度)
アイアン:ミズノ JPX921ホットメタル(5番~PW)
ウェッジ:ミズノ オリジナル(48度、52度、58度)
パター:オデッセイ トゥーロン パター サンディエゴ
ボール:ブリヂストン ツアーB X ボール
最新のクラブセッティングはこちらです。
ローアマは双子姉妹の岩井明愛
全国区のアマチュア大会がコロナ禍で中止となった2020年。
そのため、誰がローアマを獲るのか、これは予想がつきませんでした。
強いて言えば、昨年のローアマ、梶谷翼さんは外せないと思ったくらいです。
そんな中、ローアマは埼玉栄高校に通う、双子の岩井姉妹。お姉さんの明愛さんでした。
この難セッティングの中、アンダーパーでのローアマは価値があります。
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