2019年リコーカップ以来の有観客試合となった、2021年の初戦。
ダイキンオーキッドレディスは、後半、見逃すことができない見事な勝負。
最終72ホールの最終の1打で、小祝さくらさんが優勝を決めました。
ダイキンオーキッドレディスらしい最終日の天候
これまでの3日間は、比較的、天候も良く、伸ばせるコンディションでした。
しかし、最終日は雨。
重くなったラフはもちろん、フェアウェイでもカジュアルウォーターが適用されるほどでした。
そんな中ですから、選手はバーディーラッシュとはいきません。
丁寧にパーセーブをし、チャンスでバーディーを取る戦略と技術が求められました。
後半14番が名勝負の始まり
テレビの録画放送が入ったのは、14番、小祝さんのバーディーパットから。
距離は約10m、明らかに強く打ったパットは、壁ドンところか、ガッコンと飛び跳ねて入りました。
しかし、同じホール、西郷真央さんも8mのバーディーパットを決め、「良し!」
最高の勝負となる幕開けでした。
森田遥 15番の魔物と17番のカムバック
優勝争いをしていた森田遥さん。
ティーショットを左に引っかけるミスが、2度ほどあったという最終日。
最も大きなミスが15番で出てしまいます。
ティーショットは無情にも池。
何とか持ちこたえ、ここはボギーでしのぎます。
そして迎えた17番。ここでバーディーを奪取し、優勝争いにカムバックします。
その勝負は18番、2mにつけたバーディーチャンスに続いていったのです。
最後、そのパットが外れたのは、森田遥さんのパッティングが上手過ぎたからかもしれません。
目をつぶって真っすぐ打つタイプだったら?とも考えてしまいました。
田辺ひかり 主催者推薦からの躍進
田辺ひかりさんは、今大会主催者推薦での出場でした。
それが初日から好スタート。
そして、その快進撃は最終日の最後まで続きました。
去年の日本女子プロゴルフ選手権は2位とキャリアハイの成績を出した。
それでも、スコアとは別に、優勝を勝ち取る気迫は、あまり感じられませんでした。
しかし、この大会の気迫と技術は素晴らしいものがありました。
17番では、あわやショットインイーグルかと思えるベタピンバーディー。
あの技術、集中力、気迫は、優勝者に値するものでした。
ステップアップツアーで、ため息をついてプレーする彼女からは完全に脱皮したと思います。
主催者推薦で得た今回の出場権。
逆に言えば、次戦は出場権さえなかったのです。
今回、3位に入ったことで、琴乃ルールにより、自力で出場権獲得です。
西郷真央 18番の挑戦に悔いなし
この大会を引っ張っていったのは、間違いなく西郷真央さんでしょう。
初日を64と爆発し、3日目まで首位をキープした19歳です。
最終日は悪コンディションを考え、パーセーブを基本とするプレー。
しかし、終盤はスイッチを入れなければと思わせた。
そのプレーを引き出したのが、小祝さくらさんの圧だったかもしれません。
17番のダブルボギーは悔やまれるところでしたが、あきらめなかった。
18番はティーショットから振っていった。
可能であれば、2オンからのイーグル狙い。
雨で湿ったフェアウェイでは難しいところでしたが、可能性に懸けました。
結果としてセカンドを左の林にミスしたのですが、これはあくまで結果。
未来は無限とも思える可能性を感じさせてくれました。
ダイキンオーキッドレディスに見た進化
初戦がこれだけレベル高く、接戦になるのは嬉しい誤算でした。
こんな勝負が、今年あと37戦繰り広げられると思うと夢のようです。
小祝さくらさん、優勝おめでとう!
口にした賞金女王は、十分に狙えるプレーぶりです。
最終結果がこちら。上位陣。
週末に放送され、再放送もある、チーム辻村の番組も見逃せませんよ。
小祝ワールド満載の記者会見
トレーニングで、見るからに一回り体が大きくなったさくちゃんの受け答え。
「あまり痩せたいって思わないです。逆にちょっと痩せたら体力だったり心配な部分もある。トレーニングをしっかりして、筋力を落とさないように維持できるようにしています」ときっぱり。ちなみに小祝の身長は158センチ、現在の体重は「60キロくらい」。体重まで素直に答えていた。
そして、フル出場を続ける理由
「こだわりはそんなになくて…そうですね…休んでも結局あまりやることがないというか…はい。あまりゆっくりしたいとかもないので。いつかは怪我とか、体の面で休みが欲しいときも出てくると思う。そういうことがない限りは、しっかり毎試合出られるように心がけたいです」
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