女子プロゴルファー 山下美夢有 その歩み

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2019年、JLPGAプロテストの受験資格が変更されました。
その1つに受験年齢の引き下げがあります。
今までは、高校卒業後の夏からしか受験できませんでしたが、
2019年は秋から受験が可能となり、現役の高校生もプロテストに挑戦できるようになりました。

とは言え、非常に狭き門。
それでも、3人の高校生がプロテストに合格。
笹生優花、西郷真央、そして山下美夢有の3選手が難関を突破しました。

ゴルフとの出会いとアマチュア時代の戦績

山下美夢有さんは、大阪、寝屋川市で生まれ、5歳からゴルフを始めました。
アマチュア時代の戦績がこちら
頭角を現してきたのは、大阪桐蔭高校に入ってから。
特に全国高等学校ゴルフ選手権、いわゆる緑の甲子園での活躍が目を惹きます。

2018年の同大会では4位となったのですが、クライマックスは2019年。
夏の大会で4人のプレーオフを制し優勝します。こちら
いわゆる、高校チャンピオンとなったのです。

記事にある写真を引用させていただきますが、現在と比べると線が細いです。

いわゆる、普通の女子高校生プレイヤー、身長は150㎝と小柄です。
飛距離よりもボールコントロールに長けた選手という印象でした。

一部で期待された将来性

とは言っても、大型ルーキーである笹生優花、日本女子アマチャンピオンの西郷真央と比べると、知名度も低く、さほど注目は浴びていなかったかもしれません。

私が彼女を見て、これは!と思ったのが、スカイAの番組、田中秀道のビッグステップゴルフです。
活躍が期待される若手女子プロゴルファーの登竜門的な番組。
2019年のシーズン前には、当時、ほぼ無名の渋野日向子さんも出演。
そのポテンシャルを見せてくれました。

2020年のシーズン前には、振り返ると、なかなかのメンバーが出演していました。
このブログでも4選手を取り上げました。
吉田優利、西村優菜、田中瑞希、そして山下美夢有の4選手です。

2020年のBSGで放送 吉田優利と山下美夢有
スカイAでの人気番組、田中秀道のビッグステップゴルフ。2019年に登場した、ルーキー渋野日向子さんは、文字通り大きな飛躍を遂げました。そして、2020年の番組には、期待のルーキーたちが出演。その中から今回は、吉田優利さんと、山下美夢有さんを取り上げます

この時に彼女のプレーを見て、非常に質の高さを感じました。
小柄ながらも安定感のあるショット。
高校チャンピオンはフロッグではないことを証明してくれたと思います。

2020年ツアーで着実に実績を積む

ルーキーとして挑んだのは、2020年。
ファイナルQT13位という、フル参戦が可能な順位です。

開幕から3戦こそ予選落ちだったものの、その後はツアーに順応。
ゴルフ5レディスで初の予選通過を果たすと、実績を積み上げていきます。

特筆は、2020年の日本女子オープンから2021年の初優勝に至るまで、
1度も予選落ちをしていないことです。
2020年は、2度のトップ10入りを果たします。

新人戦加賀電子カップでの健闘

山下美夢有さんが、女子ゴルフファンの間で少し名を知られるようになったのは新人戦、加賀電子カップかもしれません。
初日に首位発進。
2日目は終盤、怒涛のバーディーラッシュを決めたセキユウティンさんに逆転され優勝こそ逃しましたが、山下さんも崩れることなく、スコアを伸ばし、2位フィニッシュでした。こちら

この活躍により、加賀電子と所属契約を結びます。

トレーニングで鍛えた2021年開幕前

2021年、彼女を見たときには、別人?と思うほどでした。
元々、身長150㎝と、西村優菜さんと並び、ツアーでは屈指の小柄です。
しかし、高校時代と比較すると、二回りほど体が大きくなっている。
身長は伸びていないので、下半身と体幹を相当鍛えたことがわかります。

300万円でトラックマンを購入し、100ヤード以内の精度を高めていった。
飛距離で劣る彼女は、ここに活路を見出していったのです。

飛躍の2021年

2021年はさらに飛躍し、明治安田生命レディスでは8位の実績。

頑張った 山下美夢有 吉田優利 宮田成華
最終日に大混戦となった、明治安田生命レディス。プレーオフを戦った2選手をはじめ、最終に近い組ほどスコアを落としました。そんな中、最終日にスコアと順位を上げた3選手を取り上げます。山下美夢有、吉田優利、宮田成華の各選手です。

そして、ヤマハレデースでは、最後の最後まで優勝争いを演じ、単独2位となります。
悔しさより、優勝争いを戦えた喜びが勝った試合だったと思います。
そして、ついに、輝くときを迎えます。

笑顔で健闘・奮闘 山下美夢有、1打差の2位|JLPGA|日本女子プロゴルフ協会
一般社団法人日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)の公式サイトです。

KKT杯バンテリンレディスで圧巻の初優勝

2021年の第7戦となったのがKKT杯バンテリンレディス。
実は過去6戦は、稲見萌寧3勝、小祝さくら2勝、岡山絵理1勝と3人しか勝っていません。
迎えた第7戦も2日目までは、若手実力者、ベテランも上位に顔をそろえる展開。
山下さんは、首位と2打差、4位タイで最終日を迎えます。

そして、最終日のプレーは圧巻でした。
中盤から首位に立つと、最終日のベストスコア、66をマーク。
終わってみれば、2位に5打差をつけての優勝という素晴らしい結果でした。

圧巻のトーナメントレコード 山下美夢有が初Vでうれし泣き
◇国内女子◇KKT杯バンテリンレディスオープン 最終日(18日)◇熊本空港CC(熊本県)◇6501yd(パー72) 平均スコア「72.9」の最終日に、ベストスコアとなる6アンダー「66」。19歳・山下美夢有がトーナメントレコードとなる通算1...

今後への期待

年々レベルアップが加速する女子プロゴルフ。
ティーショットの飛距離では、240ヤード飛ばないと勝負にならないと言われます。
もちろん、それも事実ではありますが、西村優菜、山下美夢有と小柄な選手も勝つことができた。
これは、いわゆる100ヤード以内の精度が高ければ勝負になるという証明でもあります。
山下さんは、まだ19歳。8月に20歳を迎える、今後も活躍が期待できる選手です。

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