2020年はコロナ禍のため、12月に延期開催となった全米女子オープン。
2021年は例年通り、6月3日から行われます。
女子ゴルフでは、世界最高峰と言って良いと思います。
事前情報から、放送予定、日ごとの結果を、順次書き加えていきます。
大会概要
開催日程:6月3日(木)~6月6日(日)
コース:ザ・オリンピッククラブ レイクコース (カリフォルニア州)
賞金総額:5,500,000ドル
The greatest in the game at one of the game's great courses.
These are Monday's best sights and sounds.@TheOlympicClub | #USWomensOpen pic.twitter.com/ve6u7OvIvZ
— U.S. Women's Open (USGA) (@uswomensopen) June 1, 2021
放送予定
テレビ東京が加わるかもしれませんが、現時点の予定です。
ゴルフネットワークの放送予定
1日目 6/4(金)午前7:00~午後0:00 ※最大延長午後1:00まで
2日目 6/5(土)午前7:00~午後0:00 ※最大延長午後1:00まで
3日目 6/5(土)深夜3:00~翌午前11:00 ※最大延長午後0:00まで
最終日 6/6(日)深夜2:00~翌午前8:00 ※最大延長午後2:00まで
WOWOWの放送予定
第1日 6/4(金)午前6:00~
第2日 6/5(土)午前6:00~
第3日 6/5(土)深夜3:00~
最終日 6/6(日)深夜2:00~
ほぼ、同じ放送予定となっています。
日本人出場選手
2021年は、11名の日本人選手が参戦します。
細かい出場資格は省きますが、世界ランキング上位、日本をはじめとする予選会からの勝ち上がり組などです。
アマチュアの梶谷翼さんは、オーガスタナショナル女子アマ優勝の権利、上原彩子さんと長野未祈さんは、アメリカ国内の予選会からの出場権です。
なお、出場権を保有していながらも、日本国内ツアー主軸の選手は出場を見送りました。
出場を選択しなかった主な選手は以下の通りです。
古江彩佳、稲見萌寧、鈴木愛、小祝さくら、上田桃子、山下美夢有、西村優菜
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初日のペアリングとスタート時間
日本人選手の初日ペアリングとスタート時間は以下の通りです。
【初日の日本人選手のスタート時間】※()内は日本時間
午前8時21分(0時21分)1番
笹生優花、チョン・インジ、マリナ・アレックス
午後2時24分(午前6時24分)1番
渋野日向子、畑岡奈紗、アンナ・ノルドクビスト
午後2時57分(午前6時57分)1番
小暮千広、レベッカ・リーベンサム、キャスリーン・スカボ
午前7時22分(午後11時22分)9番
勝みなみ、ステファニー・メドウ、パク・ヒヨン
午前7時33分(午後11時33分)9番
上原彩子、チェン・サイチン、ルナ・ソブロン
午前7時44分(午後11時44分)9番
梶谷翼、ブリタニー・ラング、チェ・ナヨン
午前9時12分(午前1時12分)9番
三宅百佳、ナタリー・スリニバサン、キャロライン・タトル
午後12時52分(午前4時52分)9番
長野未折、カロリーネ・ランポート、ウィチャネ・メーチャイ
午後2時20分(午前6時20分)9番
川満陽香理、アディー・バガーリー、ダニエラ・ダルケア
午後2時42分(午前6時42分)9番
仲西菜摘、イザベラ・マッコーリ―、アレクサンドラ・スウェイニ
参考記事
全体の組み合わせとスタート時間は、こちらから参照してください。
難易度屈指のセッティング
名実ともに世界一を決める戦いです。多くは語りませんが、こうですね。
全米女子オープンのラフ。
これはやばい。 pic.twitter.com/SbGPreMGo8— 青木 翔 (@Team_SHO) May 31, 2021
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大会初日
大会初日。コースコンディションとセッティングを見ました。
さすが、男子の全米オープンも開催されたコース。
ひと言でいえば、「難しい」です。
特徴的なのがラフ。
ファーストカットでも、50から60mmある。これは日本のセッティングとは大違いです。
セカンドカットのいわゆる普通のラフは、入れてしまうと選手の足首が埋まるほど。
そして、密集度が高いので、少なくとも0.5打、限りなく1打近くはロスします。
そんな中、初日の日本勢。
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笹生優花さんが好発進ですが、このコースでアンダーを出すのは非常に難しい。
畑岡奈紗、渋野日向子両選手も充分に戦えていると思います。
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1つ流れを掴めば、上位との差は、さほどない感じです。
そんな中、もう一人健闘しているのが、川満陽香理さん。
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日本予選会突破からの出場ですが、+2は上々だと思います。
全体の結果はこちらから。まだ、全然分かりませんが、2日目は予選カットがあります。
2日目のペアリングとスタート時間はこちら。組み合わせは変わらずスタート時間が午前、午後で入れ替わりです。
大会2日目
大会2日目は、大変、嬉しい驚きの結果です。
笹生優花さんが、この日-4とスコアを伸ばし、-6として単独首位に浮上です。
現地インタビューでの質問が、その通り。ゴルフが簡単に見えたほどです。
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決して、全てのティーショットがフェアウェイキープできたわけではありません。
しかし、ラフからのコントロールが上手かった。
特にグリーン周りのアプローチも絶品で、ツア-プロからも定評があるところです。
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そして、畑岡奈紗さんも、2日目は7つのバーディーを奪取し、上位に浮上です。
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ショットも良かったし、3m前後のパターも決まっていました。
それと、コースマネジメントには、相当神経を使ってプレーしているように見えます。
あと2日で追いつけないことはない、好位置だと思います。
一方で、渋野日向子さん、残念でした。
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カットラインの+6に1打及ばずの+7。
この日は5つ落としてしまったのですが、ショートゲームでしょうねぇ。
アプローチを寄せきれず、パット数も35。
これだとスコアを作るのは難しかった。
やはり、「流れ」というのもあったかと思います。
日本勢は11選手が参戦ですが、予選通過は、笹生優花、畑岡奈紗の両選手と上原彩子さん。
もう真骨頂というくらいにしぶといプレーで決勝ラウンド進出です。
その他、8名の日本人選手は決勝進出ならずでした。
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<日本勢の2日目成績>
1/-6/笹生優花
9T/-1/畑岡奈紗
47T/+5/上原彩子
67T/+7/渋野日向子、勝みなみ
91T/+10/三宅百佳
114T/+12/川満陽香理
126T/+14/梶谷翼(アマ)
133T/+15/小暮千広(アマ)
145T/+21/仲西菜摘
152T/+25/長野未祈(アマ)
2日目を終わっての上位陣。全体がこちらです。
さて、決勝ラウンドに入ります。3日目のペアリングとスタート時間です。
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現地時間 13:51 日本時間 5:51 畑岡奈紗、マジャ・スターク
現地時間 14:02 日本時間 6:02 メル・リード、レキシー・トンプソン
現地時間 14:13 日本時間 6:13 朴仁妃、フォン・シャンシャン
現地時間 14:24 日本時間 6:24 メーガン・カン、メガ・ガンヌ
現地時間 14:35 日本時間 6:35 イ・ジョンウン6、笹生優花
大会3日目
笹生優花さんが単独首位でスタートした大会3日目。
結果から先に言うと、首位のレキシー・トンプソンを1打差で追う2位で最終日を迎えます。
3日目終わりの上位陣。全体がこちら。
アプローチが光った笹生優花
3日目を4バーディー、4ボギーだった笹生優花さん。
アプローチが光ったということは、決して好調ではなかったということです。
途中、4ホール連続でショットは左のミスが出た。
バーディーチャンスも、決めきらなかったパットがあった。
それでも、この位置で最終日を迎えるというのが、驚異的で、潜在能力を感じさせます。
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3日目のインタビューでもそうでしたが、最終日に向けても笹生さんの意識は変わりません。
「素晴らしい選手と一緒にプレーできることが幸せ。」
もちろん、優勝には2番目に近い位置ですけど、この心境は変わらないと思います。
3日目の同伴競技者は、2019年覇者の、イジョンウン6、最終日はレキシー・トンプソンです。
驚いたスタイルで首位浮上のレキシー・トンプソン
何が驚いたかと言えば、あのレキシーが、手前から安全に攻めている。
16番のパー5でも、ドライバーを握らなかった。
それだけ、コースマネジメントを徹底したと言うことです。初めて見ました。
BOGEY ⭐ FREE ⭐ 66@Lexi leads the way in her 15th #USWomensOpen appearance heading into Sunday at @TheOlympicClub. pic.twitter.com/Yf8LnJl747
— U.S. Women's Open (USGA) (@uswomensopen) June 6, 2021
結果はと言うと、5バーディー、ノーボギーの66で単独首位浮上。
はたして、最終日も同じプレースタイルでいくのでしょうか?
カムバックした畑岡奈紗
3日目のチャージが期待され、本人もしていたであろう3日目。
出だしは最悪の3連続ボギースタートでした。
しかし、そこから粘って、修正して、結果的には、4バーディー、4ボギー。
通算でスコアは-1、順位としては、6位タイで最終日を迎えます。
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首位との打数差があるので、正直、優勝までは厳しい。
そんな中、どんなプレーを見せてくれるでしょうか?
最終日の展望とペアリング、スタート時間
さて、スコア上は、最終組の2選手が抜け出しています。
コースセッティングからして、下から爆発的なスコアを出すのは難しい。
ですから、優勝争いは、レキシー・トンプソン、笹生優花両選手が軸です。
ただし、このコース、スコアを落とすのは簡単です。
上の2人が落とす展開になれば、優勝争いは混とんとします。
最終日のペアリングとスタート時間がこちら。
優勝を争う、最終組と1組前を書いておきます。
現地時間 10:23 日本時間 2:23 畑岡奈紗、フォン・シャンシャン、イ・ジョンウン6
現地時間 10:35 日本時間 2:35 M・ガン、笹生優花、L・トンプソン
大会最終日
大会最終日は、何かの力が働いたのか、本当にドラマな一日でした。
笹生優花まさかの連続ダブルボギー
並みの人とはメンタルの持ち方も違う笹生さんですが、2番、3番とダブルボギー。
ティーショットのミスから始まったのですが、さすがに2つのホールで、4つスコアを落とすのは痛い。
笹生さんも、見るからに自分を見失っているかのように見えました。
しかし、ここで一気に落ちず、持ちこたえていったのが、終盤のドラマにつながります。
畑岡奈紗 闘志満々の最終日
正直なところ、スコア上、トップの2人が落とさない限り優勝は厳しいライン。
それでも、見るからに闘志満々なプレーで、難コースに挑んでいきます。
バーディーはもちろん、しっかりとパーセーブもできた。
常に、「何か上位にあれば優勝をうかがえる位置」につけていました。
レキシーに襲った、まさかの終盤
3日目に、完璧と言えるマネジメントをし、ノーボギーのラウンドをしたレキシー。
最終日も、大きくプレーは破綻することなく、一時は後続に5打差をつけます。
11番でダブルボギー、14番でボギーとしたものの単独首位を譲ることはありません。
終盤に待ち受けていたドラマ
優勝に向けて、簡単ではないが、注意深くプレーすれば届くと思われたレキシー。
しかし、これが全米女子オープンなのか、終盤に、ドラマが訪れます。
ティーが前に出て、441ヤードと短く設定された、17番パー5。
昨日、レキシーは長い設定でも、イーグル逃しの楽々バーディーを獲っています。
そこで、ショットを曲げてから、バタバタとまさかのボギー。
18番もウェッジとパッティングでミス、一気に首位を譲ってしまいました。
畑岡奈紗、笹生優花のプレーオフ決着へ
そんな中、一気にリーディングを駆け上がったのが畑岡奈紗さん。
13番、14番を連続バーディーとすると、16番でバーディー奪取。
一気に-4として首位をとらえます。
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一方の笹生さんも、レキシーがスコアを落としたのに対し、16番、17番とバーディーを奪取。
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終盤、3ホール、あっという間の出来事ですが、信じられないくらいの展開となり、畑岡奈紗、笹生優花の両選手が-4で首位に並び、プレーオフとなりました。
プレーオフは、まず9番と18番の2ホールをプレーする形式。
そこで決まらなかった場合、9番と18番を繰り返すサドンデス形式となります。
まず、プレーオフの正規2ホールは互いにパーセーブで分け。
サドンデスとなった、9番ホールで笹生さんがバーディーを奪取し、優勝となりました。
しかし、プレーオフまできたら勝負は時の運です。
夢のようなプレーをしてくれた2選手に感謝しかありません。
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![](https://progolfplus.com/wp-content/uploads/cocoon-resources/blog-card-cache/9f345b7969396fff7cf4f87abf7b54da.jpg)
19-YEAR-OLD MAJOR CHAMPION!
Yuka Saso ties Inbee Park as the youngest #USWomensOpen champion in history. pic.twitter.com/Ay1dzEH3S5
— U.S. Women's Open (USGA) (@uswomensopen) June 6, 2021
大会の最終順位はこちらです。上位陣。
笹生優花 優勝にまつわるトピックス
2021年、全米女子オープンの優勝は、笹生優花さんとなりました。
史上最年少優勝タイ記録
優勝した、19歳11か月17日は、朴仁妃の最年少記録と全く同一です。
憧れのマキロイからも祝福
中継の途中でも、マキロイとのスイング比較が出た笹生さん。
マキロイはインスタで激励をし、見事、それに応えた形となりました。
![](https://progolfplus.com/wp-content/uploads/cocoon-resources/blog-card-cache/b0a03874fd767f2c37ff83ef73b1561e.jpg)
As they should. pic.twitter.com/b21Otnpbtn
— Golf Channel (@GolfChannel) June 7, 2021
LPGAツアーメンバーに登録
笹生さんは、JLPGAツアーメンバーとしての参戦。
今大会の優勝で、米女子LPGAツアーのメンバー登録資格を得ました。
早速ですが、元々、目指してきた地、LPGAツアーメンバーへの登録をしました。
![](https://progolfplus.com/wp-content/uploads/cocoon-resources/blog-card-cache/7bf012ad0fbb5379778cc7e4ed248df1.jpg)
来年からの5年シードプレイヤーとなります。
"I get LPGA?"
"Are you kidding me?"
Yuka Saso has accepted LPGA Tour membership 🙌 pic.twitter.com/BfIkf3qYAy
— LPGA (@LPGA) June 7, 2021
このことを知らなかったのが、笹生優花さんらしいところです。
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