【決定】2022 第2回 JLPGA リランキングを解説

女子ゴルフJLPGAツアーでは、シード選手以外の出場優先順位を決めるため、QT、第1回リランキング、第2回リランキングが実施されます。2022年シーズン第2回目リランキングの結果です。ツアー終盤戦への出場資格とシード権獲得争いに大きく関連します。

第1回リランキングと解説については以下の記事を参考にしてください。

【決定】2022 第1回 JLPGA リランキング
女子ゴルフ2022シーズン前半戦の戦いは、ニッポンハムレディスで一区切り。第1回リランキングの順位が確定し、後半戦、第2回リランキングまでの出場優先順位が確定しました。リランキングの結果と、その内容について解説します。

また、第2回リランキングに至る争いの過程は以下からどうぞ。

女子ゴルフ JLPGA2022年第2回リランキング争い
女子ゴルフはシーズン中に2回のリランキングがあります。これは前年末に行われたQTランキングによる出場順位を、ツアーでの実績を加味して途中2回見直しを行うもの。第1回のリランキングはニッポンハムレディスで決定し、第2回リランキングは、ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンで決定です。

第2回リランキング 完全クリア選手

まずは、大きな前提として、シード選手以外で既に優勝した選手とメルセデスポイントを大きく保有し、シード権獲得ラインまで到達している選手がいます。以下選手は、リランキングに関係なく、終盤戦の出場権があり、既に実質来季のシード確定です。

これらの選手の目標は優勝、または、上位での賞金獲得でしょう。

MR順位氏名ポイント優勝回数獲得賞金試合数
17岩井 千怜743.45pt2¥43,456,66619
18黄 アルム722.95pt0¥46,076,75023
28佐藤 心結553.52pt0¥30,967,61829
29ささき しょうこ549.45pt0¥48,385,00027
30後藤 未有536.72pt0¥31,160,00029
32福田 真未502.45pt0¥25,605,49924
34永井 花奈495.57pt0¥35,694,49927
35尾関 彩美悠470.64pt1¥33,280,22518
37セキ ユウティン448.51pt1¥34,916,00019
40川﨑 春花429.81pt1¥38,690,00013

第2回リランキングまでに順位を上げた選手

それ以外であれば、大きく圏外から滑り込んできたのが、竹田麗央さん。
この試合前は、第1回リランキング順位が50位から少しずつ積み上げ。
そして、今大会の2位で一気に105ポイントを獲得。
合計で、290.60ポイントとなり、順位を一気に20位にまで上げました。
これで、終盤戦、リランキングで出場可能な試合は全て出場できます。

また、竹内美雪さんも、この試合で8位タイに入り、42.50ポイントを加算。
合計275.58ポイントとなり、リランキング順位を24位に上げました。
竹内さんも、終盤戦の出場権を獲得です。

第2回リランキング上位40選手

それでは、これを踏まえ、確定した第2回リランキングの上位40選手を見てみましょう。
ツアー終盤戦への出場については、後述しますが、25位から30位程度が目安です。

2回
RR
1回
RR
QT順位氏名獲得
ポイント
試合数
116黄 アルム722.9523
21011佐藤 心結553.5229
33ささき しょうこ549.4527
4617後藤 未有536.7229
528福田 真未502.4524
6841永井 花奈495.5727
7522岸部 桃子430.9426
81123阿部 未悠428.5729
9414佐久間 朱莉426.7929
101612小倉 彩愛419.9429
11713桑木 志帆382.0129
121725葭葉 ルミ372.5229
132730上野 菜々子356.4029
14213川岸 史果345.0329
153070岩井 明愛344.8118
161320安田 祐香343.9427
1714林 菜乃子318.4525
1892石川 明日香307.9527
192226内田 ことこ292.1627
2050133竹田 麗央290.6013
211932天本 ハルカ290.5229
221235沖 せいら284.9726
2331リ ハナ276.0229
243236竹内 美雪275.5828
251887金田 久美子270.8817
262010石井 理緒263.6929
27159木下 彩262.3727
2826河本 結260.3729
294138吉本 ひかる248.1026
305451浜崎 未来247.4215
31234大出 瑞月233.3629
322950木戸 愛224.3422
333621横峯 さくら222.4523
344279脇元 華218.2218
3525157辻 梨恵211.8216
36247福山 恵梨195.7826
373445蛭田 みな美177.2124
3844鶴岡 果恋162.6228
393533工藤 遥加156.0328
405129高木 萌衣149.1726

第2回リランキングで厳しかった選手の終盤戦は?

一方で、第2回リランキングで順位を落としてしまった選手もいます。

ランキングが下位に終わり、後述する主催者推薦を受けることが出来ない場合は、実質的に今季レギュラーツアー出場は終了ということになります。
※別基準で次週開催の日本女子オープン出場資格がある場合を除く。

そのため、以降は下部のステップアップツアーを主戦場と変える場合が多くなります。

第2回リランキングに関連する試合

リランキングですが、ツアーへの出場優先順位を決める指標の1つです。
第2回リランキング以降、ツアーの残りは9試合。
このうち、以下の試合はリランキングとは別基準の出場資格となっています。

日本女子オープンゴルフ選手権 120人
TOTO ジャパンクラシック 78人
JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ 40人

逆に言えば、残る6試合がリランキング上位出場資格での参戦が可能です。
これら試合は、日照時間の関係もあり、出場人数が限られています。
それも第2回リランキングが実施される意味の1つとなりますので、大会と出場人数を見てみます。

スタンレーレディスホンダゴルフトーナメント 108人
富士通レディース 96人
NOBUTA GROUP マスターズGC レディース 108人
樋口久子 三菱電機レディスゴルフトーナメント 96人
伊藤園レディスゴルフトーナメント 96人
大王製紙エリエールレディスオープン 96人

第2回リランキングでの出場優先順位の考え方

各試合の出場人数によって、出場優先順位が決まっています。
大王製紙エリエールレディスの例で見てみましょう。

出場96人のうち、16人は主催者推薦枠で80人がJLPGA枠となります。
JLPGA枠で優先されるのは、シード選手です。
単年シード選手は50人ですが、今季は若干人数が増えています。
それは、昨シーズンのシード権が賞金とメルセデスポイントいずれかの50位にシードが与えらたことによるためです。
そのため、シード権を持った選手は52人になっています。

【2022】女子ゴルフ JLPGAシード選手一覧 2021年11月確定版
2020-21と統合されたシーズンも、2021エリエールレディスを終了し、シード権が確定しました。今回のシード権は、従来の賞金獲得額に加えて、メルセデスランキングの上位50名も対象。両方式の採用により、シード選手は52名となりました。

これに加えて、大西葵さんが産休から復帰し、シード選手資格で戦っています。
※ここまででシード選手は53人。
さらに、ここに永久シード、複数年シード保有選手が加わる訳です。

もちろん、試合によってはシード権を保有していても出場しない選手もいます。
※怪我などの場合。
そのため、シード選手のうち、出場選手が何人、そして誰になるのかは大会毎のエントリー締め切り時に決定します。

また、これに加えて、シード権を持っていなくて、今季優勝した選手は最終戦まで出場できます。
今季は、岩井千怜、セキユウティン、川﨑春花、尾関彩美悠の4選手がこれに該当します。

仮にシード権保有の53選手と今季優勝の4選手が全て出場となると、これで57選手。
JLPGA枠は、80ですから、残りが23で、この出場優先順位が第2回リランキングが基準です。

とは言え、シード権保有の53選手全員が出場するとは限りません。
実は、アメリカLPGAツアーを主戦場としている、古江彩佳、渋野日向子、笹生優花といった選手も、シード権保有者です。
ご承知の通り、彼女たちは、基本、国内ツアーには参戦していません。
ですが、秋には日米共催のTOTOジャパンクラシックもあり、これには出場予定。
そして、その前には、スケジュール的に国内ツアーへ参戦してくる可能性もあります。
永久シードの不動裕理さんも、いつでも出場資格があります。

ですから、第2回リランキング決定時に、何位だからどの試合に出場できるのかが確定している訳ではありません。
一方で、現実的に見て、25位くらいに入っていれば、残る6試合には出場できるだろうという見込みが立つ訳です。

さて、スタンレーレディスホンダゴルフトーナメントとNOBUTA GROUP マスターズGC レディースは出場枠が108名。
主催者推薦枠が18人ですので、JLPGA枠が90人あります。
57人の既に出場資格を持っている選手がフル出場と仮定すると残りは33人となります。
もちろん、欠場選手も出ることがありますから、この2試合は、第2回リランキング30位台でも出場できる可能性があると言うことです。

主催者推薦での出場可能性

これまでは、シード、リランキングといった、実力での出場資格の話です。
一方で、そもそも各大会には、主催者枠があります。
これは、大会主催者が独自の基準で、16名なり、18名を選ぶことができます。

その内容は、全て事前に決める場合もあれば、一定人数を主催者推薦選考会(マンデートーナメント)に割り振る場合もあります。
また、プロを選ぶか、アマチュアを選ぶかは、主催者の意向によって決まります。

ただし、主催者推薦で出場するのは、プロ1人につき、年間8試合までという規定があります。
シーズン前半戦でこれを使ってしまっていた場合、この道は閉ざされます。
一方で、8試合に達していない場合は、今後の残り試合を主催者推薦を受けて出場という道も、シード、リランキングには関係なくあります。

第2回リランキング以降 終盤戦のポイントは?

第37戦、大王製紙エリエールレディスまで、もちろん優勝争いは楽しみですが、最大の戦いは翌年のシード権をめぐる争いです。
これは、今季のシード選手を含めて、ランキング50位をめぐる熾烈な争いとなります。
シードがあると無いでは大違いで、オフシーズンの過ごし方も違います。
そもそもシードを獲得できなかった場合は、QTを受けて、勝ち抜いていかなければなりません。
そういった意味では、全く気を抜くことができないのがプロゴルファーです。

もちろん、残りの試合で劇的なツアー初優勝があるかもしれません。
華やかで大きな夢と厳しい現実の間で繰り広げられる戦いです。

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